みなと:大学をもう一回受験する夢を見たの。やばくない? もう7年も前の話なのに。
松田:あれやな、ちょっと嫌やな笑
みなと:前期は頑張って走ってて模試とかの判定もよかったんだけど、後期に全然勉強しなくって、直前になって過去問解いたら思ったよりできないっていう、そういう辛い夢だったんだけど…
松田:一年なんや笑
みなと:そう、一年分の夢を見たんだよ。まあ正確に言うと一年分の記憶を持った夢なのかもしれないけど。
松田:笑
みなと:すっげぇ嫌な夢だったんだけど、それで思ったのがさ、みんなMBAとか行ったりするじゃん。あれすげぇなって思って。
松田:はいはい。
みなと:もう勉強できないなって。こんなに覚えられないし、こんなにずっと勉強できない。
松田:なるほどな。確かにああいう勉強ってもう無理やな、おれも個人的にはそう思う。まあおれの場合は大学に入った瞬間にできなくなったけど笑
彼はこの春大学8年生になる
みなと:笑 でも大学受験のときに身に付けたことって多かった気がするな。
松田:それはほんまにそう。数学とか、やっててほんまよかった。
みなと:浪人してるときとか、勉強することってすごく楽しかった気がするんだけど、じゃあ今MBAに行ってくださいって言われると…
松田:いや、でもそれはちょっとちゃう気がするで。
みなと:そうなのかな。
松田:確かに言われても行けないよ。ただそれって、そういう勉強がテクニカルにできなくなったというかは、他にも様々な選択肢を取り得るっていう前提があるからできないんじゃないかな。
みなと:逃げ道があるというか…選択肢の幅があるっていうことか。
松田:例えばおれが終身雇用の盤石な会社とか、そこにおるだけでキャリアが約束されているような会社におって、そこでそう言われたらMBAでもなんでも行くと思うよ。
みなと:うん。
松田:そういうふうに、それだけやっておけば少なくとも質においては問題がなくて、程度においてちゃんとやりさえすれば報われるみたいな、そういう状況ならできるんじゃない?
みなと:なるほどね。自分の中で信じられていると言うか…
松田:そうそう。ほんでその報われることを確信するのって、まあ様々な条件があって、例えば高校生なんかは勉強さえしとったらそら報われるわけやん。そういう確信がある限りにおいては、別に今でもできるんじゃない?
松田:これはだから、やりたいこと問題にも通じてくる話やと思うで。
c 「やりたいこと」とか別にないんですけど→
みなと:なるほどね。
松田:高校生にとっての勉強って、努力の仕方としては排他性があるわけやん。それと同じで銀行に勤めとってMBAを取りに行かされるやつにも、そのMBAには排他性があるわけ。
松田:でも今勉強するってなったらさ、「これやっててほんまに大丈夫?」とか「こんなことしてていいの? もっとするべきことあるんじゃないの?」みたいな、そういう気持ちがまとわりつくわけやん。
みなと:あー、分かる。分かるわ。排他性は確かにそうだな。
松田:そういう話なんじゃないかなって。
みなと:確かにね。会社の人に言われてたことが今納得できたんだけど、「必要になったら勉強するから大丈夫」みたいな、その考え方は結構嫌いだけど、まあでもそういうことなんだなって。排他性があるから勉強するし、習得できるって話。
松田:そうやねん。その考え方が嫌いってのは結構分かるねんけど、ただある面では真実なんじゃないかなって。
みなと:そうだね。でもじゃあ本読まなくていいかと言うと…
松田:そう、そうやねん笑 そこで人生開き直るのもあかんねん。
みなと:読まない限りにおいて必要ではないと思ってるのは分かるけど、それの逆?裏?で、じゃあ必要のない限り読まないっていうのはやっぱりおかしいよね。
ほーら数学やっててよかった
【数と式】逆・裏・対偶の関係 – 進研ゼミ 高校講座→
松田:そうそう。だからこの話の肝はさ、勉強するときが来たらするっていうのは確かにそうやねんけど、その「べきとき」をどうやって決定するかってとこやと思うねんな。
松田:例えばMBAを取りに行くにしてもさ、そのMBAの排他性をどう確信するかやねん。で、高校生のときってさ、勉強するって選択の排他性は自分以外、例えば制度によって担保されてたわけやん。
みなと:うん。
松田:でもだんだんそうじゃなくなってくるわけ。とは言え、盤石な会社で盤石なことをやって、しかるべきときに声がかかってMBAに行くみたいに、選択の排他性を一生制度に担保させることももちろんできるやろうけど、だがしかし、人生そればかりではないだろうって話があって…
みなと:いや、そうそう。
松田:だからやっぱり、「じゃあ本を読まなくてもいいのか」とかじゃないねん。従うべきルールというか、価値判断の基準が自分の外にあると思っとったらそれは違うねん。
この表題作はめちゃめちゃいい。
ミヒャエル・エンデ『自由の牢獄』岩波現代文庫→
みなと:うん、そうだね。その通り。
松田:だから何かに取り組むときは、「おれはこうすることに決めた」って言って、その限りにおいて排他的に取り組むしかないと思うな。
みなと:うん。
人生はJUST DO ITですね
2020年3月13日
Aux Bacchanales 銀座