中垣:10時間マーケの本を読んでるわけやねんけど…
阿部誠『大学4年間のマーケティングが10時間でざっと学べる』KADOKAWA→
松田:はいはい。
中垣:これを読んでマーケが何か分かるようになったわけではないねんけど、ググるときの効率が格段に上がってるねん。
松田:あーなるほどね。
中垣:まずもってマーケってなんなのって思ったときに、もちろんググればなんでも分かるねんけど、ググった方がいいものとそうじゃないものっていうのがあって…
松田:はいはい。
中垣:例えばマーケの基本について知りたいと思ってググっても情報は出てくるねんけど、そのときに出てくる情報ってそんなにいいものではないねん。
松田:そらそうやわな。
中垣:さらっと外観するにはやっぱり本がいい。この本読んどいたらマーケの中で自分が知りたいのはこの辺っていうのが分かるわけやん。ほんでそれに関係あるキーワードは全部書いてあるから、より詳しく調べるのが容易になる。
松田:うんうん。
中垣:何かを調べるコストと見つかる情報量の話になったときに、普通にググると最初は欲しい情報が見つからへんねんけど、途中から自分の探している情報のキーワードが分かってきて、欲しい情報が見つかるようになるねんな。
中垣:その最初の部分をかなりショートカットできるねん。そういう感じがすごいあった。
その最初の部分
松田:ネット上にある情報ってどうしてもSEO勝負を避けては通れなくてさ、若林の言うように喉越し勝負になってまうわけやん。
若林さん、な
若林恵『さよなら未来』岩波書店→
松田:つまりそういう肉付けがされてるから、なかなかコンテンツの輪郭がはっきりしないよな。喉越しのためにSEOされた部分がノイズになってまう。
中垣:一方でまあ、最適な本を見つけるのもこれはこれで大変やねんけどな。
松田:うんうん。
中垣:そこで思うのは、ググるための基礎教養みたいなのはあってもいいと思ってて。例えばこの分野に関しては、この本を読んでたらググるのが楽、みたいな。
松田:なるほどね。おれも10時間シリーズの統計の本読んで思ってんけど、統計をやる上で知っとかなあかん概念が網羅されてるから、どこから解像度を上げていけばいいか検討するときには本がすごく便利やねん。
中垣:そうやんな。
松田:どこを掘ればええかが分かるようになる。それができるのはなんでかって、複数の項目を同じ抽象度で網羅的に扱ってるからやと思うねん。
中垣:うんうん。
松田:ネットにある情報って、どうしても抽象度が行ったり来たりしてて、何と何が並列なんかがいまいち分からへんやん。
中垣:なんか、もうちょっと抽象化して考えるとさ、Googleのおかげで便利になりましたって話はあるねんけど、ググることを前提にした知識の付け方ってあまり議論されていないやん。
ファクトチェック甘め
松田:はいはい。
中垣:これまで本とかで勉強しないといけなかったものが全部Googleで分かるようになりました、で止まってるねん。いや、そうじゃなくて、Googleでいろんな情報は手に入るんだけど、それをハンドリングするためにはリテラシーが必要ですよって。
中垣:例えば前に画像検索の話をしたけど、自分が欲しい画像がヒットしやすい画像ってあるわけやん。
松田:分かるよ。AV観てるとき、それ自体はパッとしないけど下にええ感じのレコメンを並べてくれる類のやつやろ。
中垣:そうそう。そのAVは興味ないけど、とりあえずそのページに飛んだらええのが見つかるやつ。そういうのってみんな無意識に使ってるねんけど、もうちょっと意識して使ってもいいよなって。
松田:体系化されてる系は特にそうやんな。本なしにググって統計について詳しくなるのはしんど過ぎる。
中垣:そうそう。だって極端な話、「おれの知りたいこと」ってググるわけにはいかんしさ、「おれの人生」ってググるわけにもいかんやん。
松田:笑
中垣:だから何かしらの初期値をインプットしておく必要があるわけよ。
松田:で、そこでええ感じの初期値を入れられるようになりましょうって話やんな。
2020年3月13日
Aux Bacchanales 銀座