西川:最近プログラミングスクール行ってる。めっちゃおもしろい。あれが今のところ一番面白い笑
松田:西川は日々に張り合いがないらしいで。
中垣:張り合いがないん? でもそうやって自分でやりたいことやってるから別にいいんじゃないん?
西川:他に何もやることないんで…
中垣:あーね。なんか、それどうにかしたいよね。そういう何もやることがない日々も大事だと言い聞かせようとしたけど、自分の場合はシンプルに無駄やった。無駄っていうか、忙しい今と平均取りたいっていう感じ。
松田:あーなるほどね。均した感じでやりたかった?
中垣:そう。
松田:でもそれってさ、むっちゃ暇な以前としっかり働いている今とでコントラストがついて、初めてそういう見解を持ち得るんじゃないん?
中垣:あー、それもなんか微妙で。それこそ留年してバイトやってたときから、なにかしらの強制力の下やらなあかんことがある場合の方が日々の調子がいいのは分かってたから。まあ、せなあかんことが何もないときにわざわざそれを作るってむずいから、それはそれでまたあれやねんけど。でも、暇でやることがないあの生活には戻りたくない。絶対。
中垣:張り合いがない…か。
西川:だからバイト入れたりとか色々予定を作ってみたものの、なんだかな…みたいな。せっかく人生最後の夏休みなのにって思う節もある。
中垣:えー、それ素直に楽しみきられへんのや。おれ去年の夏休みクッソエンジョイした…まあ今年の夏も結構エンジョイしてるけど。
西川:エンジョイ…エンジョイが分かんない。何がエンジョイか分かんない。時間だけはあるけど…みたいな。
松田:去年の夏の中垣ってさ、ケツが働き出す次の4月でさ、それがエンドとしてあったわけやん。
中垣:しかも10月とか11月から卒論やらなあかんから、4月とも言えないっていう。それにおれ12月からインターンしてるし。だから去年の夏は、ほんまに最後の最後やった。
松田:西川はどうなん?
西川:私はまだ丸一年ある。今年の4月に就活が終わってて、単位も全部取り終えてるんで。卒論ももう出し終えてるし。
中垣:あ、そうなんや。それやったらいっそさ…あー、でも別にお金はないんか。
西川:うん、あんまりない。
中垣:あんまりない?
松田:そうなん? おれの中のイメージやと、西川の場合は言うたら親が出してくれるって感じやねんけど。
西川:うん、まあぶっちゃけそう笑 だから暇過ぎてとりあえず一人暮らしを始めてみて、じゃあお金も自分で管理してみようってなって、バイトも始めて、まあカツカツの生活を送ってみてる。
中垣:なんか、あくまで一例やねんけど、おれやったらどっか海外フラフラするな。お金があったらな。別にそうじゃなくてもええんやけど、なんか、働き出してからも細々とした暇は作れるけど、長期休みというか、一ヶ月単位で休みとかは取れなくなるから。だからそれくらいのスパンがあって初めてできることをしたらいいんじゃないん?
中垣:あと最近おれ、20代のうちにやっておきたいことリスト作ってて。
松田:そんなん作ってんの?笑
中垣:そんなん作ってんねん。家具作るとか書いてるねん。
松田:うわ、ええやん。
中垣:あとはなんか例えば、そんなんあるんか分かれへんけど、バンタンのさ、短期集中コースみたいなんがあったら行ってみたいとか。服作れるようになっとくとか、家具作ってる人に弟子入りするとか、そういうことは時間がないとできひんから、特にやりたくなくてもやっといてもええんかもしれへん。まあそう言われてできるもんでもないねんけど。
西川:うん、確かに。
中垣:そういうふうに、色々とやれることはあって…
西川:あれなんですよね、なんでもできるって思うと、なんでもいいやってなっちゃう。
中垣:まあそうやんな。なんか、例えばお金の制約とか一切なかったら何がしたいん? とかはある?
西川:うーん…
中垣:何かが欲しいとか。
西川: 特にないんですよ、それが。
中垣:あー、それはもう、入社時期を半年前倒しすればいいんじゃない?笑
西川:働き出したら絶対、あれしたいこれしたいって思うんだろうけど…
中垣:あー、なんかそれ、入社してからそこがクリアになるっていうのはあった。なんか、それが西川にあるかは分からへんけどさ、おれは就職することに対する漠然とした不安みたいなのがあってん。仕事できるかな、とかじゃなくて、 おれが一番不安やったのは、今後サラリーマンになっちゃうのか結局、みたいなこと。結局普通の人生やな、みたいな。そこにすごいモヤモヤしとってんけど、働くとあんまそんなこと考えなくなって、むしろどういう状況になったら自分は辞めるのかみたいなことを想像するようになった。なんでここで働いているのかとか、それこそ本当にやりたいこととか、そういうことがはっきりする。だからなんか、一回決め打ちで…
西川:あー。
中垣:最初はなんも分からへん実験やから、とりあえず決め打ちで数値打ってみて、結果が跳ね返ってくるのを待つ、みたいな感じはすごくある。
松田:あーなるほどね。それってすごくこう、賢明というかなんやろ、そうせんと最初の理論が立てられへんみたいなとこあるよな。まあもちろん、最初の足がかりとするアウトプットというか跳ね返ってくる結果というかを出すにあたっても、何かしら、少なからず意志や期待が反映された推論に基づいてやるのがいいんだろうけど、それでもまあ、そうじゃなくても何かしらの結果が返ってきさえすればな。
中垣:そうやなあ。うーん、むずいなあ。
西川:とりあえず…うーん。どうしよう。
中垣:なんしか自分で自分のケツ叩けない人間ってことやろ。その気持ちは非常によく分かるよ。
松田:笑
*知的存在である、つまり物事に因果関係を見出し、抽象的な目的のために具体的な手段を講じることを知っている我々は、行動を選択するにあたってその合目的性や合理性を追求せずにおくことはできず、ときにその追求を徹底するあまり、逆説的にいかなる選択もできなくなり硬直してしまいます。
みたいな悩みに対して大いなる示唆を与えてくれるものとして、下の一冊をおすすめします。お金とか時間とか合理性とか、そういう近代以降に人間をモヤモヤさせてるっぽいものには一言あるミヒャエルエンデによる、晩年の傑作短編集です。
ミヒャエル・エンデ『自由の牢獄』岩波現代文庫→
2019年9月27日
Starbucks 六本木 蔦屋書店