松田:今からすごく公共性の高い話するよ。
ちさと:笑
松田:たぶんやねんけど、クラブに来ているほとんどの人は「負けた」って思って帰ると思うねん。特に若い人は。
ちさと:あーそうなんや。
松田:まず結論から言うと、クラブをライドする上で一番大事なんはノイズを徹底的に減らすことやねん。不快な要素をとにかく退けること。それでぜひ実践するべきなのが、今の我々くらいの年齢になってから、一番盛り上がってる時間にタクシーで行くこと。
ちさと:あー。
松田:これが20歳のときとかやったら、まずエントランスが安いから23時までに行くやん。でも盛り上がるのは2時とかやから、それまでしばらく持久戦を強いられるわけ。
ちさと:笑
松田:しかもなんか、クラブに行きたい気持ちはありつつもどうライドしていいか分かってへんから、23時にクラブに行くまでに既にたくさんお酒を飲んじゃってるわけ。
ちさと:うんうん。
松田:そっからクラブに行ってるから、残念ながら2時頃にはもう帰りたいとか思ってるねんな。せっかく一番いい時間帯やのに。しかもまだ始発までは3時間もあるねん。
松田:ここまで、もうフィジカルにさえすごくしんどいって話。こんなん楽しいはずがないわけ。
ちさと:うん。
松田:さらに言うなら、クラブって結構ピンク色の気持ちになるやん。それもなんか、20歳とかやったらただただピンク色の気持ちに下半身を侵襲されて、それもなんかモヤモヤし続けるわけやんな。
ちさと:笑
松田:ピンク色の気持ちが成就しない朝5時の渋谷、最悪やろ。
ちさと:はいはい。
松田:これがやな、2時にタクシーで行ったらフィジカルなしんどさはないわけ。しかもタクシーで行った以上タクシーで帰るから、しんどくなったらタクシーで帰るしって思いながら心おきなく踊れるわけ。
みなと:笑
松田:ピンク色の気持ちに関しても、しょーみ周りが若過ぎてあんまそんな気持ちにならへん。気持ち的に0.5歩くらい距離があるわけ、リアリティがないねん。
ちさと:うんうん。
松田:こうなるとピンク色の気持ちも特に生起せず、ただただクラブカルチャーの上澄みだけをサーっと摂取して帰ることができる。
みなと:なるほど。
ちさと:なるほどね。ええなそれ、爽やかやな。
2020年2月7日
Aux Bacchanales 銀座