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思索

愛と嫉妬

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中垣:松田さ、浮気というか、彼女が他人と寝ようが別に気にしないって言うやん。それはなんでなん?

松田:あー、なんやろうな。

中垣モヤりはすんの?

松田:まあ多少…いや、それも結局微妙で、セックスというコンテクストでのみ見たら、そういうプレイとして楽しむために、前段階としてモヤりはするよ

形式美的嫉妬

中垣:笑

松田「このキスマークはなんなの」みたいな

中垣:そういうプレイとして楽しめんねんや笑 それは結構特殊やで。

松田:まずモヤるとこから入って、そこからの落差を楽しむ…みたいなのはあるけど、そういう話じゃなかったらモヤりはしないかな

中垣:なんかさ、いわゆる嫉妬みたいなことの理由っていくつかあると思うねんけどさ、ひとつはこう、自信の喪失っていうのがあると思うねん

松田:うんうん、間違いない。

中垣:でも例えばさ、それこそこないだ買ったgloもそうやけどさ、おれが買ったgloをおれが体験する前にマツダに体験されんのは嫌なわけ

Image: glo

なかなか貸してくれなかった

松田:あ、なるほどね。

中垣:それは自信とかじゃないやん。所有物的な意識があるわけやん

松田:うんうん。

中垣:物ってさ、最初は自分が思うようにやりたいけど、使い古してるやつなら好きなようにしてくれとか、でもかつておれが傷をつけた以上には傷つけんなよとか、そういうふうに思うわけやん

松田:分かるで。そういう話でいくと、前者の方がおれにはないと思う

中垣:自信云々の話?

松田:そうそう。これは別に、自分に自信が…とかじゃなくてただのアスペ案件やと思うねんけど、知らん誰かと自分を比べるっていうのはシンプルにめんどくさいからしない

中垣:はいはい。

松田:他人にあんま興味ないみたいな、そういう話やと思うねん。で、あえて自分と他人を比べたところで自分を好き過ぎるっていう…

中垣:うんうん。

松田:だから、自信みたいな意味で自分が損なわれたように感じることはないかな。ただ後者はちょっとあると思うよ

中垣:あー。

松田「その扱い方は違うやん」みたいなのはあると思う

中垣:まあそうやんな。

松田:例えばPCのディスプレイに指紋つけられたときの、「ちゃうやん、おれはそういうやり方ではやってへんねん」みたいな

PCのディスプレイ直接触るやつほんま嫌い

中垣:じゃあさ、「他人とヤッたけど、あなたとのセックスほど気持ちよくなかった」って思われているなら、それはそっちの方がまだマシとかある? 自分の知らない人と寝てすごい気持ちよかったって言われたら嫌、みたいな。

松田:あー、それも別にないわ。例えば知らんやつに勝手にアナルセックスとかされたら、それは結構ムカつくと思う

アナルセックス – Wikipedia→

Wikipediaはサーバーが海外にあるようですね…

中垣:あー、なるほど。それはPCの指紋みたいな話やんな。

松田:そうそう。

中垣:そうやんね、それはやっぱりあるよね。亀甲縛りとか勝手にやられても困るもん

亀甲縛り – Wikipedia→

中垣:ただ、一回縛られてみたいって言って勝手にお店に行ってプロの縄師に縛られてきたとかなら、それは別に「そっか」って感じ

松田:そうそう。

中垣それは別に、こっちがM性感行くのと一緒やん、みたいな

松田:アナルセックスだって、それが彼女イニシアチブで発生した出来事なら別にええねん。したいことはしたらいい。

中垣:だから難しくてさ、ほんまに彼女イニシアチブであることが明らかなら、別にこっちもそんなにモヤらないと思うねん、他人と寝られても

松田:うんうん。

中垣:「別によくない?」みたいな。「ヤリたいからヤッただけだし、だからと言ってあなたのこと嫌いになったわけじゃないし」とか言われたら、「そっかぁ」ってなっちゃうと思う。

性に奔放ガール

松田:そうやな笑

中垣でも実際のコミュニケーションってそうはいかなかったりするわけ。変に向こうが申し訳なさそうにしてたりすると、「え、なにそれ」ってなったりするやん。

松田:うんうん。

中垣:コンピューターじゃないねんから、実際に彼女イニシアチブかどうかなんて確かめようがないわけ

松田:うんうん。

中垣:だから実際は世の中の男の嫉妬も、上手くコミュニケーションが取れていて彼女イニシアチブだと確信できているなら、案外嫉妬しなくて済むんじゃないかって

松田:そうやんな。

中垣:し、相手は相手のしたいことをすればいいっていう、すごく理想的な、高い次元の信頼関係みたいなのを築くことができる気がして

松田:うんうん。

中垣:だから嫉妬しちゃうみたいな話って、しょうもない所有観念にとらわれているとかじゃなくて、そう感じてしまうコミュニケーションの問題なんじゃないかなって気がしていて

松田:それはちょっとありそうやな。事態はシンプルなのに、それをうまく認識できてなくてややこしくなってるだけって話はあるな。

中垣:だから主題はコミュニケーションやと思うねん

松田:うんうん。

中垣これは逆にね、たぶんアスペの方が都合がよくて…

松田:あー、思うね。アスペの方が話が複雑にならへんもん。何手先まで読んで…みたいな打算的なことを考えてコミュニケーションをとるから、微妙なギャップが積み重なっておかしな話になるわけで。素直に思ったことそのまま言えばええねん

うーん、アスペ

中垣:そうそう。だからそれを相手に求めたいけど、コミュニケーションは鏡写しやから、こっちがそういう心配をしたら向こうも同じ心配をするわけで、こっちから主導的に何かをできるならそれが理想だよねって

松田:あれや、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』から始めましょうって話や

Image: Amazon.co.jp

エーリッヒ・フロム『愛するということ』紀伊國屋書店→

中垣:そうやね。

松田:おれが前にテーマに挙げてた「愛の主題が愛されることになっている人達」っていうのもそういう話やねん

中垣:そうやな、そうやんな。

2020年4月18日
Aux Bacchanales 銀座


HeaderImage: Los Angeles Times

映画『her』のワンシーン。なかなか評価の高い映画のようだが、個人的にはAI寝取られモノくらいにしか思えなかった。
春先のポジティブな期待に満ちたような、霞がかった空気感で描かれる近未来の情景がちょっといい。