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ライフハック 生きづらさ

ランチ/カフェ/パン屋/花屋ルーティーン

3 years

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なつき:めちゃめちゃさみしいって話なんだけど…てか最近彼女と別れて

中垣:あ、そうなん?

松田:漫画家の人か、別れたんや。

なつき:そう、別れちゃって。ただこれはちょっとミスったんだけど、その彼女とは別に、 M っていうずっと好きだった子がいて

中垣:あー…

松田:ファム・ファタールね。

なつき:そう。で、その子と旅行に行く予定を入れてしまってて。

中垣明らかにお前が悪いで

なつき:今までも M と旅行に行くことはあったんだけど、これまでは相手に彼氏がいたし別に何もないし、だから男友達と旅行に行くくらいのノリで予定を入れて。でも全然そんなことはなかったんだよね。

松田:そればれたん? でもなんでばれんの?

なつき:「今週末おれいないわ」って言ったら、それでもう一発でばれて。意味が分からんかった。

松田:ピーンってきたんや。

なつき「今なんか隠したでしょ」って言われて、それで白状して。で、その場を収めるためには謝って旅行をなしにすればよかったんだけど、キャンセルするのも嫌だしめんどくさかったしで、「だったら別れるわ」って言って別れちゃったんですよ。

松田:すごいね。

なつき:それでさみしいって感じ。

辞書の「自業自得」の項目に載ってもらっていいですか?

松田:でもいつさみしいん? いつでもさみしいん?

なつき:なんか…会社はテレワークでずっと家にいるし、ミーティングとかもあんまりないから、一切誰とも話さずに一日が終わるみたいなことが結構あって。もちろん出社すれば人とは話すんだけど、それも週一くらいで。だからさみしいんだよね。

松田:なるほどね。うーん…やっぱさみしいって妥当性のある感情なんかな。ラジオ流すだけじゃだめなんやろ?

なつき:うん、どうしたら解決するのかよく分かんないんだよね。今まで人生で寂しいなんて感じることあんまなかったんだけど…

松田:まあまあ。

なつき:もちろん「予定がなくなって暇だな」みたいなことはあったけど、それはそれで悪くないと思てたんだよね。でも今はもう土日は予定入れないと死ぬ、みたいな。

中垣:へー。

なつき:前に中垣さ、「彼女がさみしいとか言うのが意味分からん」みたいなこと言ってたじゃん?

中垣:いや、それはまたちょっと別件やで。

松田:笑

中垣:でも分かるで。彼女じゃなくても、ルームシェアしてたときもそうやったもん。自分が先に帰るよりも自分が後から帰ってくる方が幸せやったし。ただどこまでも相対的なというか、慣れの問題な気はするけどな。

松田:うーん…まあなつきの言うさみしいと同じなのかは知らんが、おれは一人で暮らしてたときにそういう気分になったら、近所のスターバックスに行ってたけどな

スタバに住んでいたと言っても過言ではない

c コロナの日々

なつき:別に知らない人でもいいの?

松田:うん。なんか誰とも会わないことで社会との接続が担保されていない感じがすごい嫌やったから、だから知らない人でも全然いい。

なつき:あー、でもそれはそうだね。

松田:自分の価値判断が社会に反映される可能性を感じられないというかさ。でもそういう感覚のもとであれば、彼女なり友達なりに会いたいと思うのは全然ある気がするな。うん。

なつき:あー、その相手がいないといけないというよりは…ってことだよね?

松田:そう。いわゆるメンヘラ的な、てめえの足で立てていない人のそれとはまた別としてね。だからコロナの一番最初の頃、ミッドタウン全館がお休みしてたのは結構しんどかったし、人と会うのがはばかられるノリがあったのもしんどかった。

なつき:なるほどね。

松田:なんかおれの話になっちゃってるな。とにかくなつきは…曜日ごとにランチ行く店決めといたら?

中垣:それがいいと思うな。

松田:そうしたら大体毎回同じ店員さんやし、相手も自分のこと覚えてくれるやん。「こんにちは~」とか言っちゃえばいい

なつき:笑

松田:まあ喫茶店とかでもいいけどな。

なつき:なんか東浩紀の本で『弱いつながり』っていうのがあったけど、わりとそんな話だった気がする。

ちゃんと紹介する気もないのに妥当っぽい何かをヘラっと引用するのやめろ。自分の言葉で話せ

東浩紀(2016)『弱いつながり』幻冬舎文庫
Image: Amazon.co.jp

東浩紀(2016)『弱いつながり』幻冬舎文庫

松田:おれは外で食事したりお茶するならいつも同じ店がいいねん。だってお客さんと店員さんの関係値って、一定の閾値を超えないとゼロと同じやん? だから毎回同じ店に行ってその閾値を超えた状態を維持するのって、それなりにコスパいいと思うねんな。

なつき:はいはい。

松田:最近よく帰り道にオーバカナルでパン買って帰るねんけど、「あれ今日めずらしいですね」みたいなコミュニケーションが生まれるわけやん。

なつき:はいはい。

c 丁寧な食事

松田:おれはそういうのを…まあ話しかけてくれた店員さんにはそうは見えなかったやろうけど、でもそれなりに心地よくエンジョイしてるよ。

なつき:笑

松田:だからランチルーティーンとカフェルーティーン、これは作っとけばいいよ。あとはパン屋ルーティーンと花屋ルーティーンもいいね。

なつき:あー、なるほどね。

松田:花屋なんてもう完璧やん。定期的に花買いに来る男性とかそれだけでポジティブな存在やもん。ここでもやっぱり「こんにちは~」とか言っちゃえばいい。

事実と願望がごっちゃになってるのはよくないですね

なつき:笑 でも花屋みたいに入りがスムーズなのはいいね。二郎とかでそういう認定してもらうのって絶対無理だもんね

中垣:笑

松田:シュプリームも無理やな。近所の花屋が一番いいよ。

中垣:てかなつきのそれ、彼女と別れて悲しいみたいな気持ちとはまた違うんや…?

なつき:別れたこと自体はよかったと思ってるよ。あまりいい感じじゃなかったというか、相手は漫画描く時間をおれと遊びに行くのに使っちゃってたし、おれはおれで仕事に集中できてなかったし。でもこんなに寂しくなるとは思ってなかった。

中垣:なんか…一年くらい前にも似た話聞いたような気がするねんな

松田:笑

2022年2月2日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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