西川:人と一緒にいても、あんま話すことがないんですよ。
じゃあなぜ来た
まりな:笑
松田:それはそうね、めっちゃ分かるわ。
じゃあなぜ来た
西川:なんなら親とかと一緒にいてもなんか無言になっちゃって…
中垣:なんか…ここ半年とか一年くらいやねんけどさ、話すことがないときは別に話さなくてもいいかなって思えてきてる。前まではそうじゃなかってんけど。
松田:そうじゃなかったん?
中垣:うん。今まではやっぱり何かしら話さないと、みたいなのがあった。別に沈黙が嫌とかじゃなくて、例えば先輩といるときってなかなか話についていかれへんかったりするやん。でも、そこで頑張って「それってこうじゃないですか?」とか言って口を挟む、みたいなのを大学生一年二年の頃はやってた。
松田:あー…
中垣:元からそういうのに興味が無い人は全然やらへんねんやろうけどな。多分その二人はそれをしてへん。
まりな:笑 してない。
松田:笑
中垣:おれは結構それを頑張っててんけど、でもどこかのタイミングでまあいいやってなって、黙るようになった。黙るようになってからかなり快適になったけど、やっぱ初対面の人との沈黙とかは…なかなかむずいな。
まりな:だからやっぱTinderとかは結構辛い。わたしもやっててなんだけど。
いやほんとどの口が…
中垣:上手い人は上手いやん。「〜ちゃんどういうの好きなの? え、分かる!」みたいなキャッチボールがさ。おれはすごい嫌いやけど、でも上手い人はいるやんか。とりあえず共感しとけばいいみたいなんじゃなくて、シンプルにいやらしさなく上手いやつ。それは自分にはできひんって思うな。自分が特に興味無いことを口走ってるとすごい気持ち悪くなる。
まりな:場をもたせるために、みたいな?
中垣:そうそう、それは自分で自分がすごい嫌になっちゃう。むずいよね。
松田:確かに初対面やったらちょっと困るよな。前にTinderで会った人との話やねんけど、深夜一時くらいに「六本木のクラブ来てるよ」「え、じゃあお茶しようよ」ってなってここ来てん。
松田:向こうはおれに下心があるって思ってたやろうし、おれもそういうつもりで来てんけど、なんか何話したらいいかよく分かんなくなって、会ってからほとんど何も喋らずに朝の4時くらいになって、「おれはもう帰るわ」って言って一人で帰ってきちゃった。可哀想なことしたなって。
ごめんな
中垣:相手的には可哀想な感じあったん? 居心地悪そうな感じというか。
松田:いや、なんか途中から馴染んではきてたけど、最初はちょっと、このパターンは知らないぞって感じ出てた。
まりな:笑
西川:笑
松田:でもその子も途中からは「本見てきます」とか言って、30分くらいずっと中で本読んでたわ。
六本木の蔦屋書店のテラスでの話
中垣:それちょっといいな笑
中垣:すごい仲のいい人と一緒やとさ、だいたい無言でいられたりするやん。あれってなんでやろなってずっと思ってて。もちろん綺麗な言葉で片付けようと思ったらいくらでもできんねん、「信頼関係」とか「お互いの間合いが分かってるから」とか。それはまあそうやねんけど、じゃあ逆に初対面の人との沈黙はなんで苦痛なん?
西川:何考えてるか分かんないから。
中垣:相手が?
西川:うん。わたしはそう。相手が知り合いだったら、その人はその人なりに何か考えていたりするだろうなって分かるから問題ないけど、初対面だと、もしこれを苦痛だと捉えていたら申し訳ないなぁって思っちゃう。
中垣:確かに確かに。なんか沈黙の意味がその場で定まらないと言うかさ、つまんないと思ってる、って思われるかも、みたいな。
松田:あー。
中垣:もしそれが理由ならさ、本人はすごいその場にフィットしてるように見える沈黙方法があったら、その相手側もそれに馴染めるんじゃないかと思っていて。おれは初対面で上手いこと喋るとかあんま得意じゃないけどさ、相手がよく喋る人やったらおれも全然その感じでいけたりするし。
沈黙が上手い人
松田:やっぱ大事なのはさ、「何かを共有できてる感」じゃないん? 例えば何も喋ってなくて初対面でも、イヤホン片耳ずつで音楽聴くとかしたら二人とも結構場に馴染むと思うねん。
中垣:あー、確かに。
松田:違和感なくそこにおれると言うか。でもこれがクラブとかやったらだめやねん。クラブやったらみんな音楽を聴いてるから、別に特別な何かをそこだけで共有してるって感じにはならへん。
中垣:あー、そういうことか。
松田:なんでもいいから、何かしら世界観じゃないけれど、そういうのを共有してるっていうのは大事なんじゃない? だってまじで初対面の人と何も喋らず一緒にいてもさ、それ物理的に二人ともそこにいるだけやん 。
西川:笑
中垣:そうやんね、そこが気持ち悪いんやんね。その二人で共有してる何かがあればいいんや。
松田:いきなりイヤホン片耳ずつで音楽聴くのは普通にキモいけど、なんかそういうカードをいくつか持ってるといいやん。
中垣:一緒にあれやればいいやん、車のナンバープレートの数字を四則演算で10にするやつ。
よくない
西川:すごいな笑
2019年9月27日
Starbucks 六本木 蔦屋書店
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