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『肩をすくめるアトラス』の一番いいシーン

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松田:アイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』、あの中で一番大事なのは第三部の「こちらジョンゴールト」って章。あれはめっちゃいいよね、あそこだけは今でもたまに読んでるもん。

アイン・ランド(2014)『肩をすくめるアトラス 第一部 矛盾律』アトランティス
Image: Amazon.co.jp

全3冊、めっちゃ分厚いし高い

アイン・ランド(2014)『肩をすくめるアトラス 第一部 矛盾律』アトランティス

みなと:あそこ、やっぱし象徴的というか…

松田:なんて言うか、まさにあそこでアイン・ランドが描きたかった正義…ただ彼女の主張する正義について個人的にはあまり肯定的ではないから、むしろあれやな、彼女が描きたかった、糾弾したかった悪が総括されている感じがあるよね。

みなと:うんうん。

松田:まあでもすごく冗長ではあるし、同じ主張に関して複数の表現を重ね過ぎていて「おお、これが英語…」みたいな気持ちにはなるねんけど

みなと:笑

松田:でもやっぱり、中身はいいと思っているよ。

アイン・ランドはアメリカの政治思想家・小説家です。彼女の小説では、彼女の信じている思想、あるいはそれと背反な思想が登場人物の一挙手一投足に反映されているため、その思想を空虚な理論としてではなく、具体的な行動の数々として理解することができます。まして彼女の思想は、多くの人が明確に自覚していない、あるいは自覚の必要を感じていながらもそこから逃げている精神の欺瞞を主題としているため、その説得力はなおさらです。
ただし個人的な見解を述べるのであれば、彼女の思想やそこで批判されるものは非常に妥当だと思うのですが、その具体として彼女が見ている理想像、つまり『肩をすくめるアトラス』の中で主人公らが達成したことは、あまりに排他的で到底賛成できるものではありません。

If you don’t know, the thing to do is not to get scared, but to learn.

I swear by my life and my love of it that I will never live for the sake of another man, nor ask another man to live for mine.

I started my life with a single absolute: that the world was mine to shape in the image of my highest values and never to be given up to a lesser standard, no matter how long or hard the struggle.

Source: Ayn Rand(2005)『Atlas Shrugged』Signet

Ayn Rand(2005)『Atlas Shrugged』Signet

2019年10月4日
Starbucks 東京ミッドタウン店

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