太郎:飯尾潤っていう東大の教授の政治学者が言っていることで、働いている身からすると官僚でもないのによくそんなこと知ってるなと思ったことがあるんだけど…
松田:はいはい。
太郎:なんで小選挙区制にしたりして、自民党の中枢にできるだけ権限が集めて、官邸の方でいろんな意思決定をしてその指示に従って各省庁が動くっていう官邸主導の形にしたかって言うと、国民の幅広い課題を、できるだけ政府の中枢に集めて、それに従って総合的な判断をするためだったはずなんだよね。
太郎:でも実態は、単純にここが言うことが強いっていう状況を利用して、あれやこれやっていうアドホックな指示を出す形になっちゃってて。実は、首相は確かに権力あるけど、首相があれやこれや言ってるっていうよりかは首相の取り巻き連中がいろいろなことをバラバラと言っていて、それが全部強いみたいな、そういう感じになっている。
中垣:ほーん。
太郎:それが今の政権の特徴。なんでそうなっちゃったかって言うとよく分かんないんだけどね。昔は派閥のトップが強かったから、官邸が言っているから省庁が従うというよりかはむしろ、例えば国土交通なら建設に強い議員にお伺いを立てて、そいつが首を縦に振れば物事が進むっていう世界だったけど、今は全然そうじゃない。政治学ではよく言われるんだけど。
みなと:政治学ってそういうのやってるんだ。
思ったよりリアルな政治を扱ってるのね
太郎:やってるやってる。だからなんか、「おれが学生時代に学んだことは本当なのか?」って思って働き出したら本当にそうだったってことが多くて、結構面白いよ。
飯尾潤『日本の統治構造』中公新書→
2019年10月4日
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