ちさと:会社はどう?
藤後:会社は…辞めたい笑
ちさと:えー、うそ。まじ? 本当に言ってんの?
藤後:うん。
ちさと:それはファッション辞めたいじゃなくて?
中高生の頃とかさ、すぐ部活辞めたいって言うやついたじゃん
藤後:いやー、さすがに仕事で二徹させられると辞めたくなる。
ちさと:あー。
藤後:なんなんやろな。やってることは確かにスケールでかいねんけど…
ちさと:何やってるの?
藤後:この前やったのはアパレルの買収。アパレルって基本的にはさ、ファンドが持ってんねん。それをファンドからファンドが買うみたいな感じやってんけど、その相手のファンドがいかに価値があるかっていうのを調べる必要があって、そこを結構コンサルがやる。
ちさと:あー、なるほどね。
藤後:で、まあそれをやってると。確かにおれアパレル好きやし、ブランド自体も、個人的にはあんまりやけど、大衆受けするような結構でかい、北海道から福岡まであるようなブランドで。だからスケールはでかいし、買収額も何十億円とかやねんけど…
藤後:それをやって誰が得…と言うか、その辺を歩いている人が得をするのかというと甚だあやしいわけ。それをやるためにおれは一ヶ月の間二徹もしながら働いてたんかと思うと…もうちょっと、自分の客に喜んでもらうために二徹するみたいな方が、実感があってやりがいがあるねんけどな。やりがいが間接的過ぎて…
ちさと:でもコンサルって全部そうやろ?
藤後:いや、そうでもない。クライアントがおったら、そいつのためにどうこうやって、現に収益性がよくなったり効率が上がったりってのもある。例えば人手不足なら機械導入すればいいじゃないですかって言って、効率上がってみんな早く帰れるようになるみたいな、そういう直接的なやつもあったりしてん。入りたての頃は。
ちさと:あー。
藤後:それが買収系になると、結局資本家しか得せえへんのにこき使われてる気がして、それがちょっと嫌かな。
ちさと:へー…でも休日はありそうな気がするけど。
藤後:休日はある…ほとんどある。難しいよな、休み云々って言うよりかは、おれは建築もやりたかったけど捨てた…ある意味捨てましたと。それでこれはなぁ…
二人は建築を勉強してた
2019年10月18 日
東京ミッドタウン