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したいこと 人生

the only easy day was yesterday

5 years

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松田:この「the only easy day was yesterday」ってやつさ…

みなと:読んでも意味分かんなかったわ。

松田Navy SEALsの標語やねん。おれこの一週間戦争映画をむっちゃ見てんねんな。暴力が第一義的な原理になっているシーンに興味があって…まあそれはいいや、とりあえずその中でこの標語に出会ってんな。

松田:「頑張らなあかんねんで」みたいな、「充実した日々を送れよ」みたいな、そういう自己啓発系の標語ってあるやん?

みなと:分かるよ笑

松田:その文脈で、この標語は結構すごいと思うねん。例えば禁煙するとか薬物を断つときってさ、今日一日は手を出しませんでした、でその次の日もまた、今日も一日手を出しませんでした…っていうふうに、一日一日を積み重ねていくことで結果的に長期にわたる成果が生まれる、みたいにせなあかんって言うやん。「今日から以降は絶対に手を出さない」ってふうにしたらあかんねん。目標とする期間がデカすぎるし、「今日からは〜」っていうのは「明日からは〜」っていうのと本質的に同じやから、いつまでたっても実行されない

松田:そういうふうに、大きな何かに取り組むにあたっては、時間の流れを連続的なものとして捉えたらこけるわけ。その点、この標語はまず時間的には昨日にしか言及していない

みなと:そうだね。

松田:その点がすごくいい。

みなと今日頑張らなければいけないって言っても、それ何にも言っていないというか。頑張らなきゃいけないってすごく漠然としているというか、精神論的というか…結局自分にとって納得のいくことは実際にできたことだし、実績として残った結果だし。だからそれを元に理論を組み立てて喋ってほしいんだけど、頑張らなきゃいけないって言われると…

松田:あ、そうそう。それもそう。今日頑張らなければいけないって言ってもさ、今からすることしか言ってへんというか、要は事実には何も言及してへんわけやん。未来のことしか言ってへん。空論やん。それが昨日に言及することで、既に事実として起こったことに立脚して今日の行動を定義することができるわけ。既に起こったこと、事実を起点に理論を組み立ててくれっていうのはすごくそう思う。

みなと:そうそう。

松田:その点でも昨日から話を始めてるのはええねん。しかも「the only easy day was yesterday」やからさ、なんていうのかな、別に今日すべきことに特に言及してるわけじゃないというか…なんやろ、もはや安楽的なことを期待しない態度のみを提案してるわけやん

松田:そら何をすべきかなんて言い出したらさ、でき得ること全てなわけ。ベストのもう一段上なわけで。そこで「これ」をすべきって具体的に言及しちゃうとさ、ほんまはやっといた方がよさそうなことでも、それを「これ以外」としてラベリングすることで、すべきことから外すこともできるわけ。ごまかしが効くやん。だから何をとは言わずにおるらへんもええと思うねんな。

2019年11月29日
ANTICO CAFFÈ AL AVIS 東京ミッドタウン


HeaderImage: Navy Recruiting Command

アメリカ海軍の特殊部隊。ウサマ・ビン・ラディンを殺害したのも彼ら。世界一JUST DO ITな人達である。