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いいこと思いついた 思索 食事

僕らが好きなのは一般化可能性の高い体験です

あらゆる経験において重要なのは、「すごーい」「おいしーい」ではなく、それらを演繹し明日に繋げていくことなのです。

4 years

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中垣:おれみたいな王将が好きなやつに、繊細な味を分からせるレストランを考えててんけど…

赤坂にある化調ドバドバの大盛りチャーハンが300円でいただけるお店での会話です

中国茶房8 (エイト)赤坂店

松田:はいはい。

中垣:入店してすぐに空腹度を聞かれて、腹減ってるやつはまずプロテインバーみたいなんを渡されるねん。「それで腹を四分目までにしてください。じゃないとうちの味は楽しめないんで」って。

松田:なるほどね笑 やばいな。

中垣人間の知覚ベースで味をコントロールするみたいな話ってあんまり無いな思っててん。でも例えば経口補水液って、塩分が足りてない人は美味しく感じるとか言うやん。

松田:はいはい。

経口補水液 オーエスワン
Image: Amazon.co.jp

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中垣:要はたぶん、血中のなんとか濃度とか次第で美味しい味って変わってくるやん。だからそれに合わせて一番美味しく感じられる味を出すとか、あるいは事前に何かを食べさせることで別の何かを食べたいと思わせるとか…

松田:ドレスコードみたいな感じで、前日はこれしか食うたらあかんみたいなのを指定しとく。健康診断の前日みたいな感じ。

中垣:それいいな笑

松田「こういう感じに身体を仕上げて来てください」みたいなね。あとは直前まで歩いてると血圧がどうこうなので、絶対に店の前まで車で来てくださいとか。

中垣店を予約したら野菜が送られてくるとかね。事前にこれを食べて来てくださいって。

松田:あー、いいね。ほんで朝は便秘薬も飲むよう指示される。

中垣:本来はそこまでやってほしいよね。

松田:でもこれってさ、行き着くところは…

中垣 ピー

松田:そうそう笑

中垣:それは思っちゃったね。でもご飯に関してはまじでそれでいいよな。そうするのが一番美味しいもん。

松田:だからさ、さっきおれはホテルの朝のビュッフェが一番好きな食事って言ったけど、これって単にチルな時間をお腹由来の欲求不満に邪魔されたくないだけの話というか、食事自体が好きというよりは、空腹にエクスペリエンスを損なわれないように整えられている状況が好き、みたいな話にも思えてきたな。

ビュッフェは好きだけどコーヒーとナッツとパンくらいしか食べない

中垣:はいはい。

松田:純粋に味覚的インプットのみを楽しむんであれば、それはやっぱり ピー

中垣:うーん…でもやっぱり、食事を楽しめない一番の原因はリアリティな気がもしてきた。おれにお金が無いのが問題な気がする。

松田:はいはい。

中垣:だってさ、セブンイレブンでちょっと工夫された何かがあれば、それは美味しいと思えるわけやんか。

松田:あー、はいはい。確かに十分に裕福なら、コンビニの新商品を試すノリで食事に出て「おー、ええやん」って思える気はするな

中垣:そうやんなぁ。食事が服とかと違うのは、どこまでいってもプレミアムな体験としては楽しもうとは思わないというか、毎週は行けないのならコミットしなくてもいいやというか。

松田:うんうん。プレミアムなものとしてでもコミットしたいものって、明確に経験の蓄積があって、後の経験にそのレバレッジが効くものやと思うねん

中垣:うんうん。

松田:どうせ行くとこまで行くんなら、早いうちに天井知っといた方がいいわけやんか。

中垣:うんうん。

松田:でも食事ってそうではないからな。

中垣:まさに、ほんまそう。あとは蓄積というよりかは、それこそ服は買ったらワードローブにその服が残り続けるわけで、その喜びが即時的ではないやん

松田:あー、はいはい。前に服について借金する人の気持ちについて考えててんけど、仮に絶対それが欲しくて、数年以内には絶対に買うし、かつ一生手元に置き続けたいと思ってるなら、それはもう無理してでも今買った方がいいやんという結論になってんな。要は家とか車と一緒やと。

インディアンジュエリーのお店で「50歳60歳になってから買っても死ぬまで何年も楽しめないでしょ?」って言われて200万円のブレスレット買わされそうになったことある

c 物の価値が分からん

中垣:うんうん。シンプルに算数の話やんな。

松田:そうそう。どうせ出すお金だし、効用が逓減する見込みもあまりないわけやから。でも食事は一晩で終わりやねん

うんこになる

中垣今美味しいのと70歳で美味しいのは一緒やからね

松田:そうそう。

中垣:あるいは完全にファッションにしてしまうのはありかもな。前にタカが言ってた、入るのにちょっと緊張するお店に行くみたいな話、そういうゲームとして楽しむのはありなんかも。

洋服と一緒でさ、「この服似合うんかな…でも鏡で見た感じ結構いいし…でも高いし…」とか、あるいはアテリエに行ったときの緊張する感じとか、そういう緊張が食事にもあると楽しいんじゃないかって。

Source: commmon

c 食事の健全な楽しみ方

松田:はいはい。

中垣:そうすると蓄積が生まれるやん。「これくらいの格のお店にこういう服装とマインドで行ったらライドできた。次は…」みたいな。

パレスホテルのバーにビーサンで行ったら入れてくれなかった。次は…

松田:はいはい。

中垣:やるならそんな感じやんな。

松田:やっぱあれやな、味覚体験は一般化しにくいというのはあるよな

インスタに食事の接写あげてるやつ、その画像ではお前の味覚体験は1ミリも伝わってこないぞ

中垣:そうやんね。それで言うとあれや、おれ観光名所も好きじゃない。グランドキャニオンもマチュピチュもナイアガラもウルルも、それ系は全部行ってるねんけど、まじで写真と一緒だとしか思えなかった

松田:はいはい。

中垣:それまでの経験の蓄積によるレバレッジが無いというか、いつ誰が見てもそれはそれやねん

松田:うんうん。

中垣:今見ても70歳になってから見ても一緒やねん、若いうちに見たからどうとかではないねん。逆に香港の街並みはすごい好きやねんけど、そこには蓄積があるねん。それまでの経験次第で参照項が違うし、それを知ることで今後の参照項も変わってくるねん。

松田:あー、それはすごい分かるな。おれは旅行中に経験するあらゆることに対して、何かしらの形でそれを一般化・理論化・記号化して自分の中にアーカイブしようっていう焦燥がめっちゃあるねんやんか。

中垣:はいはい。

松田:そうせんかったら、どうせ数年も経てば全部無かったことになるやん

「すごーい」だけだと明日からの人生は何も変わらない

中垣:そうやんな…でもしっくりきてよかった。グランドキャニオンに行ったのは中3くらいのときやったけど、なんであんなに感動しなかったのかがうまく言えた。それよりもラスベガスの街を歩いてるときの方がよほど感動したし、今でも覚えてる。

松田:やっぱベースさ、人が作ったものじゃないと…

中垣:いや、そうやねん。

自然よりビルが好き

松田:まあね、グランドキャニオン見て「地質ゥ」って言ってもいいねんけど、それはもう教科書見たらええ話やし

中垣:そうやねん。マチュピチュもまじでマチュピチュでしか無かったで。まず行くのがめっちゃめんどいねん、ペルーの首都のリマに行って、そっからクスコっていう街に行って、さらに電車に3時間乗ってバスに乗り換えて…みたいな。

松田:だるいな。

中垣:それでもあれやで、千葉のなんとか公園のなんとかエリア見るのと同じ気分やったで

マチュ・ピチュ – Wikipedia

松田:笑

中垣:まあおれのその手の想像力が弱いっていうのはあると思うよ、それを作った人類に思いを馳せる…みたいなさ。それでもね、言うてまえば街でブガッティ見たときの気分にしかならなかった。普段目にすることのないものを目にすることができた、それだけ

c 他人に共感ができなくて困っています

松田:笑

中垣:オーロラも絶対に感動せえへんやろうな。

松田:うん、しないね笑 ほんまに感動できひんと思うから絶対に行きたくない

中垣:そう、そうやねん。なんかレティーナディスプレイのこと頭に浮かんじゃいそうやもん

Retinaディスプレイ – Wikipedia

松田:むしろオーロラ以上の感動を、現地に行くまでのカスみたいな街で感じられると思う。

中垣「この排水溝ちょっと特殊じゃない?」とかね。

松田:そうそう笑

2020年10月9日
中国茶房8 赤坂店

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