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アレな人が社会で上手くやる方法

単に社会に迎合するのではなく、むしろその逆をいくことこそが、社会と歩調を合わせる手段になることもあるのではないでしょうか。

4 years

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松田:最近ですね、アスペスイッチを常にオンにしておこうじゃないですけれど、どんな変な服装・発言・行動であっても、つまりその一般性が高かろうが低かろうが、それを外から見たときに「彼は彼なりにあれがフィットしているんだな」と思ってもらえることが大事なんじゃないかと考えていて。

白濱:あー、なるほどね。

松田:一般論として、自分にしっくりくるものを社会全般に照らしたとき、そこにどうしてもギャップは生じるものだと思うんですよね。でも「自分としてはこうしたい」という認識と「社会的にはこう要請されている」という認識を同時に抱いているのってしんどいことだと思うんです

白濱:はいはい。

松田:そこで普通は、自分としてのしっくりと社会からの要請との中間に譲歩案を見出して、そこに着地させようとなるわけですよね。

松田:でもそれだって、譲歩をしている限りにおけるモヤモヤを拭えるものではないので、あくまで譲歩はしないで、とは言え「彼的にはああいう感じなんだな」という説得力を持つような形で、何事も実践できればなと思っているんです

白濱:なるほどなるほど。でもそれってさ、その思想を持っている場合とそうでない場合で、具体は何が変わるの? 相手の認識をある程度コントロールしたいって、こちらの頑張りでなんとでもなるものではなくない?

松田:あー。

白濱:まあ強いて言えば、相手に合わせて振る舞いをチューニングする感じになるのかな? ちなみに僕にとってはイッセイミヤケを着ることがそれだけど…

Image: commmon

本当はもうちょっと派手な服を着たい

松田:それで言うとね、思想の実践として具体的な行動を変えるんですよ。例えば「普段はビーサンしか履かないけどTPO次第ではまあ普通の靴を履いたってもええかな…」っていうのはやめるんです。絶対にビーサンしか履きません

彼を食事にお誘いいただく場合は、その辺も込みでお店を選んでください

白濱:あー、なるほど。よりアレな感じになるのか。

松田:そうそう。ただ、たぶんそっちの方が本人としてもしっくりくるから、さも当然そうであるかのような態度が一挙手一投足に反映されるようになると思うんですね。

白濱:なるほどね、そういうことか笑

松田:そうなると周りの認識としても、「まあそういうもんなのかな」ってなるんですよ。

白濱:それおもろいな。

松田したいようにした方が自分も周りも快適に過ごせる、このことに気付いた次第です。

白濱:そうね笑 振り切った方が案外いいんじゃないかって仮説があって検証してるってことだよね。

松田:で、今のところ実証されてますね。

白濱:でも確かにな…それで言うとね、僕は結構、自分を組織に合わせないと、っていう気持ちが強いんだよ

松田:はいはい。

白濱:そもそも合わせることが得意じゃないから注意しなきゃって思ってて、それが息苦しい。で、そういう気苦労があるっていう話を友達にもしたことがあるんだけど、そいつは「まあ別に、どこに行っても自分は自分で、それを受け入れる人が比較的多めの環境だったらいいかな」って言ってて。

松田:はいはい。

白濱:それって、ある種松田の思想に近い気もしていて。最近でこそ抜けてきたけど、周りに合わせなきゃっていう思想を僕は持っちゃってたんだよ。

松田:うんうん。

白濱:それに、それが抜けてきたっていうのも、今の会社に長くいて、僕の思考が染まったり顔馴染みが増えてきたりで、自分のオリジナルを出してもいいかなって思えてきただけかもしれないし。

松田:うんうん。

白濱:だから、また新しい会社に入ったら同じことになるのかもしれない。その友達と松田は思想が似てそうだし、僕もその思想を獲得した方が生きやすそうかも?って気はしてる

松田:これはひとつの説明でしかありませんけど、異質なものが周囲をモヤモヤさせるのって、その実態がどうというよりはそれが何かが分からない、それを何物として認識するべきかが定まらないことに由来すると思うんです

白濱:うんうん。

松田:だから例えば、日本人的には奇妙なことでも外国人がしていたらあまり違和感を持たないってあるじゃないですか

伊勢丹の階段に座り込んでる中国人観光客、既に穏やかではないにしろ、あれを日本人がやってたらより数倍穏やかじゃないと思う

白濱:はいはい。

松田:あれは、そもそもが foreign だから foreign なことをしていても違和感が無いという話だと思うんです。「分かんないけどあれはああいうものなのかな」というふうに、別に認識の輪郭がブレることはないわけですよ。

白濱:なるほどね。

松田:それと一緒で、周囲に認識される際に「あれはああいうものなんだろうな」という印象を与えられればそれでよく、その手段としてストイックに自分的にしっくりくる振る舞いをすればいいんではないかと。

白濱:なるほどなるほど。でもこれ、実学的に有益な話な気がするな。さっきも話したけど、各組織に入ったときにそこでの正しい振る舞いに自分をチューニングしないと、っていうマインドは結構あるのね。

松田:うんうん。

白濱例えば上司と揉めるみたいなことがあったとき、自分はどういう点で悪かったかをすごく考えて、自分の振る舞いを変えようっていう思考に僕はなるんだけど、周りには「自分は正しいと思ってそうしたし、つべこべ言われるとウゼーとしか思わない」みたいなやつもいるわけ。

松田:はいはい。

白濱:まあそこまで攻撃的でなくても「あいつはああ言ってるけど、まあ自分の好きなようにやるか」って思えるんだと思うの、松田にしろ僕のその友達にしろ。

松田:うんうん。

白濱:そういう考え方も悪くはないのかなと思えてきたな。あと僕がずっと世話になってるメンターみたいな人がいるんだけど、その人にも「お前はもっと偉そうに働いた方が成果も出るんじゃないか」って言われて。

松田:はいはい、でもたぶんそうだと思いますよ。だって白濱さんがなんぼ大人しくしてても、「彼は今僕のことを頭悪いって思ってるんだろうな」っていう印象を周りに与えていることは間違いないじゃないですか笑

白濱:そうそう、そうなんだよ笑 僕は年上と絡むとき相手を尊重するんじゃなくて、相対的に相手が尊重されるように自分を下にしようとするんだよ。だって目前のそいつを尊敬できないのにそのふりをしないといけない場合、「すごいすごい」って言うロジックが無いから自分を下げるしかないじゃない

明らかに賢い人の謙遜は逆効果っすね、中学生のときに知りました

松田:ロジックが無いはひどいな笑

白濱:だってさ、仕事の面でこいつから学ぶことは無いし、プライベートでイケてると思える観点も無い、でも職位だけ上ってことはあるから。

松田:そう言えばずっと以前、友達に紹介してもらってその子が働いている会社でインターンしたとき、まあ紹介とは言え面接があったんですよ。で、その面接の場にそのチームの偉い人みたいなのもいたんですね。30何歳とかで、全身ロンハーマンで買いましたみたいな服装の人で。

白濱:はいはい。

松田:それで面接が終わってすぐ「すごい気になってたんですけど、その指輪ダサいんで捨てた方がいいですよ。もっといいの教えてあげます」って言っちゃって。

白濱:まじ?笑 やば。

松田:今なら言わないですよ笑 でもそのおかげでスムーズにインターンに入れた感はありましたね

白濱こいつはこういうやつだっていう認識が取れたってこと?

松田:そうそう。そこの認識を共有できたんで、インターンちゃんとやってる限りは何してても波風立たなかったですね。

白濱:やっぱそこが大事なんだな…でもすごいわ。確かに今なら絶対あり得ないって思っちゃうけど、大学生の頃なら「それくらい言うよな?」って思えてた気がする。

2020年11月3日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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