中垣:ライゾマのときの先輩で…別に真面目な人で、そんなえげつない人とかではなかってんけど、
松田:うんうん。
中垣:結婚して子供を産むことの意味って、生物的なことで言うと子孫を残すことがそれなんだけれど、
松田:あ、それはすごい思う。
中垣:偉大なる発明でもなんでもいいけど、
知性を持たない生物は遺伝子という形で情報を蓄え、変異と自然選択を通じてそれを更新し世代を超えて伝えていくしかありませんが、人間はそうではありません。人間は推量によって既存の知識を書き換え、批判と実験を通してその知識を選択し、それを同世代間でさえ伝えていくことができます。
知性を持たない生物なら生物学的適応の進化を通じてしか実現できないことを、人間はより高い頻度とレベルで実現しており、そのため人間が子供を作ることには、生物として子孫を残すということ以上のより積極的な意味が見出されるべきなように思います。
デイヴィッド・ドイッチュ(2013)『無限の始まり ひとはなぜ限りない可能性をもつのか』インターシフト
松田:分かるよ。
中垣:「へー」って思っててんけど。
松田:たぶん
中垣:あ、子供おらへんの?
松田:そうそう。
倉留:結婚してへんよな。
中垣:え、結婚はしてるやろ?
松田:ちゃうねん、
岡本太郎・岡本敏子(2006)『愛する言葉』イースト・プレス
中垣:あ、そうなんや。養子ってことは…岡本太郎の親の養子に入ったってこと?
松田:岡本太郎の養子になってん。
西川:親子だ。
中垣:そうなんや。
松田:別に養子とかじゃなくて、ずっと一緒にいたらそれでよかったんじゃない?とは思うけど。
遺産とかあるだろ
倉留:ね。
松田:岡本太郎は他にも
中垣:でもそうやんね、それはそうやと思うな。
松田:
ハンナ・アーレントの活動力の三類型のうち労働しか知らないからそうなるんでしょうね。
中垣:まあね、とは言え子供は育ててみたいよ。
松田:スタディとしてね。
西川:笑
中垣:それもそうやしさ、今まで自分の体験がよりリッチになるような試みっていうのはいろいろしてきてるわけやんか。
松田:知らん虫観察するのと同じくらいワクワクできるよな。
中垣:できると思う。
2020年7月31日
Aux Bacchanales 紀尾井町