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お金のこと したいこと

川で拾った石とフェラーリの話

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中垣金持ちっぽいものを金持ちっぽく見せるのは貧乏くさいって話さ…

松田:はいはい。

中垣:要はお金をお金と思ってるような人達って話やねんけど。

松田お金がお金に見えなくなってからがスタートって話ね

お金がお金に見えていない、でもそもそもお金は持っていない、そういう人達の言い分です。お楽しみください

中垣:お金持ちって聞いたときのイメージってさ…ベンツでも高いレストランでもなんでもいいねんけど、彼らは高いものを高いものだと思って消費してるわけやんか

もみ:うん。

中垣:でもそれは発想としては貧乏人と一緒で、それって貧乏人が金を持ったらやることなわけ

もみ:うん。

中垣:でも、例えば皇族とかビル・ゲイツにとってはそんなことどうでもよくて…つまり、お金がお金に見えているうちはまだまだ貧乏人だよって。

もみ:お金でものを買ってるからってこと?

松田:うーん…なんて言うのかな、中垣が今言ったような消費ってさ、お金が無いってことを想定した上で、それに対比されて輝いているというか…

中垣:そうやねそうやね。

松田:でもそれよりもっと先を考えるとさ、お金に困ることを全く知らない、あらゆる選択肢が目の前にあるってフェイズがあるわけやけど、そういう状況でなお何を選ぶかということこそが問われているっていう話を中垣とよくするねん。

松田:これって実はしんどいことやと思うねん。つまり本当になんでも選べてしまうと、それを選んだことの責任は全面的に自分について回るからさ。

Image: 岩波書店

ミヒャエル・エンデ『自由の牢獄』岩波現代文庫

中垣:そうそう。

もみ:うん。

松田インスタグラムに上げられへんものにお金を使い出してからがスタートやでって話

佳子さまの裏アカとかないのかな

中垣:あー、まあそうやね。

松田:でも今の話を聞いても別に、「いや、全然お金稼いでフェラーリ乗りたいし」ってやつは行動を変えないやろうし、もうちょっと感覚的にではなく上手く言葉にしたいねんな

もみ:化粧品ってリップとかだと人目につくから「それディオールじゃん」って分かるけど、基礎化粧品に何万円も使い出すと、それは今言ったようなことなのかなって

中垣:あー。

松田:確かにそれはそうやな。だって女の子がデパコス買い出すのって大体リップからやん。

もみ:うん、そうそう。

松田:そこでドゥ・ラ・メールとか言い出すと、それは結構バグった世界に入ってくるって話やろ

Image: DE LA MER

目だけで31,900円。まじで来世も男性がいい

もみ:うんうん。

中垣:なるほどね。

もみ「それって別に誰も見てないじゃん」みたいなところに気持ちよさを感じてたりすると、結構本気で選んでるんだなと思う。

中垣:男なら7,000円以上の下着を履いてて、半年ごとに全部捨てて買い替えてるなら結構すごいなって思う

松田:あーなるほど。

中垣:でもどうなんやろ、それも結局、年収が二倍になったら食費も二倍になるみたいな話とちょっと近い気もするしな。

裕福になったところで、誰も木工室が欲しいとは思わない 

Source: commmon

c 「誕生日〜♪」とかいう世界観

松田それで言ったらさ、おれはジュエリーがめちゃめちゃ好きやねんやんか

もみ:分かる分かる。

中垣:まあ見たら分かるよな笑

松田:でも今はまだ、たとえ美しいと思えるジュエリーだとしても、「これ普段は着けへんな」って思うやつは買っても飽きたらすぐ売るねんな。

もみ:うん。

松田:それが、「これ普段は着けへんけど、ちょっとデザインすごいな」ってやつまでコレクションするようになったら、それは一線超えたことになると思うねん

中垣:そうね、そういうことやんね。「それが世間で高いと思われてんのか安いと思われてんのかは知らんけどおれは欲しいから買う」って思えたらいいよね。

松田:あと、おれが思考実験としてよくやるのは、「アイアムレジェンドになってもおれはジュエリーを着けるのか」ってやつ。

Source: Warner Bros. Entertainment/YouTube

中垣:なるほど、そういうことね笑

松田:たとえアイアムレジェンドになっても、大事なフェラーリを修理して必死でガソリンスタンド探し回って乗り続けるなら、それはすごくえらいよな。

中垣:それで言うと、アイアムレジェンドになってもおれは川で小石を拾う気がするな

松田:笑

もみ:拾ってるの?

中垣:おれ川で小石拾うのすごい好きやねん。

もみ:拾ったそれどうするの?

中垣:今は持って帰りはせんよ。ただ子供の頃は「光る石クラブ」っていうのを友達もう一人と2人で作ってた

松田:やっば。

中垣:そのもう一人にはおれが押し付けてただけやってんけどな。当時はめっちゃ丸い石とかは興味が無くて、雲母とかのキラキラしたやつに価値があると思ってた。

Image: じおくらぶ

川の石界最強は甌穴の中の丸石

甌穴 – Wikipedia

もみ:今もするの?

中垣:旅行に行って川辺とか寄ったら探すよ。

もみ:へー。

松田:まあなんしか、アイアムレジェンドになってもやることに資源を突っ込みましょうって話。

もみえ、さっきの物を買う話と石の話は何がリンクしてんの? 石なんていつでもタダじゃん。

中垣:だからタダとか高いとか関係なく、それでも価値を見出せるかってこと

もみ:なるほどね。

中垣:フェラーリがたとえ100円で売ってても買うってやつは、それはほんまにフェラーリが好きなんやと思うねん。

松田:そう。さっきの石と同じノリでフェラーリを欲しいやつにとって4,000万円っていう値段は、たまたま値札にそう買いてあるから払わなあかん額ってだけやと思うねん

Image: Ferrari

とは言え4,000万円

中垣:でもまあ、パンピーはなかなかそうはいかへんわけやん。結局フェラーリは高いなって思うねんけど、お金があればそんなこと思わずに済むわけやん。石の値段もフェラーリの値段も誤差って思えるくらい裕福なんだから、フェラーリをフェラーリと思って消費せずに、あの石もフェラーリも同じくらい好きですって気持ちでフェラーリを買えばいいのになって

ただしそのマインドを不必要に喧伝するのもどうかと思う。前澤友作、君やで

もみ:笑

松田:まず第一義的にはめちゃめちゃそれが好きで、でもそれが資本主義のマーケットで扱われるとこういう額になるから、そこはまあ甘んじて受け入れますよ、くらいのさ。

中垣:そうそう。

もみ:うん。理解できた。

中垣:でもほんまに好きなものってそういうとこあるよね

2020年3月19日
Aux Bacchanales 銀座