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ルールを守れない人は悪なのか

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中垣悪いことをする合理性がなくなったとき、人は悪いことをすんの?

松田:その言い方やったらさ、悪いことをする限りにおいて悪いことをする合理性はあるねんからさ…

中垣:あーいや、そういうことじゃなくてさ、例えば中学生の万引きに別に合理性なんてないやん。つまり愉快犯とか猟奇的なのみたいに犯罪自体に本質的な魅力を見出してるパターンを除いてはさ、やっぱ犯罪ってなくなんのかな?

松田:あー、それはなくなるんじゃない?

知らんけど

中垣:やっぱそらそうやんな、てか実際そうなってそうやんな。そういう意味での犯罪率って、やっぱ下がってるんやろうね。

松田:それはそうちゃう? 昔なら富の総量が少ないから盗むことにも相応の合理性がありそうやけどさ、今はもはやそうじゃないやん。人類の生産性自体が向上してるし。

マット・リドレー(2013)『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』早川書房

中垣:そうやんね。そうなってくるとさ、より犯罪の加害者に焦点を当てた議論がされるべきというか、されるだろうというか…

松田:あー、はいはい。

中垣:痴漢とかはその最たる例でさ、今日日痴漢をする人間って、そのことに合理性なんて全く無いわけやんか。でもやってまう人間もおるわけで、それはある種の障害なわけよね

松田:それはそうやんな。

中垣:で、なんか前に痴漢がホームに逃げたとかで話題になった事件があったやん。それでわりと知られた学者か何かが言ったことが炎上しちゃってんな。要は、今は被害者ばかりに焦点が当てられて「彼女の気持ちが〜」みたいな議論になりがちやけど、それと同じく加害者の気持ちも考えられなければいけないって言って、それが炎上しちゃってんけど。

松田:それはその学者が気の毒やな、実際になんて言ったんかは知らんけど。

中垣:でもほんまにその通りやと思うねん。痴漢なんて、そんな合理性の低い犯罪をしちゃう人間ってなかなか大変で、「本人は絶対やりたくないねんけどしちゃう」ってことに社会が向き合わないとあかんねん

松田:そうやんね。おれチュートリアルの徳井の脱税の話でも同じこと思ってんな

河東:あー、言ってたね。

松田:だって脱税する意味が分からへんやん? 合理的に天秤にかけたら脱税なんてするはずないねんけど、もっとこう…一般的な感覚では理解できない原理がはたらいてああなっちゃってるわけやん。

河東徳井と同じ立場なら脱税してる自信しかない。理由はめんどい、ただそれだけ

松田:分かるわぁ。

サリ・ソルデン(2000)『片づけられない女たち』WAVE出版

中垣:あれはどういう話なん?おれ全然知らんねん。

松田:個人事務所が無申告と不納付を繰り返してて、個人としても所得税の無申告が続いてたらしいで、でも言うたらそれだけ。普通に考えたら意味分からへんやん、何してんの?って話で

税金逃れで活動停止のチュート徳井氏、プライド高き国税をなめ切った代償 – DIAMOND online

中垣:あ、会社のこと任せてたやつがなんかやらかしたとか、それ系ではないんや。

松田:そうそう。ほんでおれ彼のTwitterとかしっかり目に見てんけど、結構アレというか、まじでそれ系やねん。

中垣:あ、なるほどね。

河東:あれは絶対そうやで。おれが友達の結婚式の招待状をポストに投函できず、一生コートのポケットに入れてんのと一緒やで

松田:何してんねん笑

河東:ほらこれ、友達の結婚式の招待状。返信出そうと思って3週間ずっと持ち歩いてる。これと一緒やで。

あっ…

中垣おれが読もうと思ってる本を鞄に入れたまま、全く読まずにボロボロにだけなっていくあれか。なるほどね。

あっ…

西川:笑

松田:あかんということが分かってへんとか、分かっとってなおやるとかじゃないねん。分かってるしそうしたいと思ってるけどでけへん、あるいはしてまうわけやん。それはもう個々別々の具体的なケースに目を向けていくしかないよね。

中垣:そうやんね。

河東:それで思うのはさ、やりたくてやってるわけじゃないのは当たり前やん、そこに寛容じゃないのがちょっと怖いなと思うよね。叩いてる人らってそういうことが分からへんのかなって。

中垣:そう、ほんまにね。

河東:徳井のケースなんてどっちかというと、別に叩きたくて叩いてるって感じでもない気がするねん。目の敵にしやすいやつがあかんことして、それを日常の鬱憤の捌け口にしているというより、まじで理解できひんってやつの方が多いと思うねん

中垣:はいはい。

河東「ただじゃ済まへんぞ」って言うてる芸能界の先輩のコメントとか、「ほんまどうしようもない人やな」って街の人が言うてるインタビューとかがテレビですごい流れんの。それが、同じことをやってまい得る側としてむっちゃ怖かった。

中垣:そうやんな。

河東:怖いというか、違和感があったというか…

松田他人は自分とは違う原理で行動しているっていう想定ができていない人って、案外おるんやろうね

中垣:じゃあなんですか?おれは会社を辞めたらいいんですか?って感じ。昔から思っててんけど、おれは真面目じゃないねん。真面目な人のことが分からへん、なんでそんなことができるのかも分からへんねん。

松田:うーん。

中垣:なんて言えばいいんやろうな、なんか真面目な人の正論っぽさが分からんというか…

松田:なんなんやろな、個別具体的な例がたくさんあって、あるいは社会の構成員一人一人がおってさ、その集合として全体があって、その全体を便宜的に解釈するというか、単純化して円滑にするためにルールとか一般論っていうのがあるわけやんか。

中垣:うん。

松田:なんて言えばええかな、逆にそのルールとか一般論を根拠に部分の差異を否定するのは違うというか。

Source: commmon

c 人間的な豊さに目を向けるには

中垣:うんうん。

西川:そうだよね。

2019年11月29日
ANTICO CAFFÈ AL AVIS 東京ミッドタウン

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