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いいこと思いついた ファッション

嗅覚のマーケティング

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倉留:今の人の香水、たぶんヴェルサーチのブルージーンズやと思う。

Image: Amazon.com

ヴェルサーチ ブルージーンズ

松田:よう分かんな。

commmonは香水リテラシー高め

倉留:そう言えばさ、コンサルティングの世界でと言うか、飲食でもアパレルでも、匂いが売り上げに与える影響ってあんまり考えられてない感じせえへん? まあ定量的に示されへんからなんかなとは思ってんねんけど。

山岡それ、今日来るときちょっと思ってた。たまたまお香が買いたいなって思って歩いてたんだけど、なんか、匂いってその現場でしか経験できないと言うか…

中垣:データ化できないもんね。

山岡:何かをオフライン化するって考えたときに、嗅覚ってすごい大事だなって思って。まあそれだけしか考えてないんだけど。

倉留:なるほどなるほど。

山岡お香はオンラインでは買えないなって

分かる

c いろんなルームフレグランス

中垣:あー、そういうことか。

倉留:例えばコーヒー屋さんとかさ、店内でコーヒーの香りがしてる方が買いたくなるとか、そういうのってそこまで考えられてないというか、お店の意識が十分に高くないんじゃないかなって

一方ハワード・シュルツは、’08年にスターバックスのCEOに復活した直後、朝の時間帯の客単価の向上に貢献していたサンドイッチを「チーズの焦げる匂いがコーヒーの香りを損なう」などと言ってディスコンにした模様。偉い人は違うね。

Image: 徳間書店

ハワード・シュルツ『スターバックス再生物語』徳間書店

中垣:確かにね。

倉留:だから、ちょっと社内のコンペにでも出そうかなと思って笑

山岡:笑

倉留:なんか本でも読んでんけど、嗅覚も定量的に測り得るっぽい話はなんとなくあるらしくて…

中垣それを再現するのがむずいわけやん。つまり、匂いを発生させる素材が絶対に要るわけやん。ディスプレイあればいいですよとか、スピーカーあればいいですよって話じゃないやん。その設備をお客さん一人一人に設置してもらうとなるとね。

中垣:でもそうか、ビルの入り口にそういう装置があって…っていうのはあり得るんかもしれない

倉留:やけど「じゃあそれやったから売り上げ伸びるんですか?」って言われたら、それは分からんねんけどな。ただ全然可能性はあるというか、やってもいいんじゃないかなって。

中垣:そうやんね。しかも嗅覚ってさ、印象が深く残るやん。例えば朝にコーヒー屋さんの前を通って香りを嗅いだせいで、夕方にコーヒー豆を買って帰るとかあるやん。すごく持続性があると言うか

倉留:はいはい。

中垣:外で嗅いだ香りが「あれこれ5年前の…」とか、全然あるやん。

おばあちゃんちの香りとか、夏の香りとか…

倉留:そうやんな、今のブルージーンもまさにそうやったし。前になんかの本で、感覚を低級中級高級っていうふうに分類しててんけど、視覚はまだ騙すことができるから低級で、嗅覚はそんな簡単には騙せへんから高級なものとして挙げててんやんか。それって確かになって思うな

中垣:マーケティングがすごい変わりそうじゃない? 例えばお茶の水駅から乗って四ツ谷駅で降りる人が多いなら、四ツ谷駅のコーヒー屋がお茶の水駅のホームにコーヒーの匂いが出る装置を置く、みたいな

松田:確かにね。香りって体験全体と強く結びつくからさ、ポジティブな体験をしてるときに特定の香りを嗅ぐと、それはもうポジティブな香りになるわけやんか

倉留:はいはい。

松田:だからまあ例えばやけど、博報堂がね、エントランスがタダですごいハッピーになれるクラブイベントみたいなんを開催して、そこでその香りを流すわけ

中垣:あー、そういうことね笑

松田ほんで、他所でその香りを売ればいい

倉留:パシャって分かる?

中垣:パシャ?

Image: FITS

倉留:一時期、グレープフルーツの香りの香水なのかなんなのかが、商業施設のエレベーターのとことか通路とかで、ずっとプシュプシュ撒いてるっていうプロモーションをしててん

松田:あ、なんかその光景見覚えあるわ。

倉留:あれパシャっていうやつで、普通にザコい香水やねんけど…

こら

松田:一時期ばり撒いてたな。

山岡:へー。

倉留レッドブル配るみたいな勢いで、その辺に撒き散らしてた

山岡:笑

中垣でもそれはありやんな。香水とか配りまくれば、街中にその匂いが広がる。

倉留:社内でコンペに出すとしたら、アウトプットがザコくなりそうなんがな…IOTの香りデバイスとかばりおもんないやん。まあしゃあないねんけど。だからおれがイメージしてんのは、パースで街ズドーンって描いてさ、そこら中からいい匂いしてるっていう場面を載せようと思ってて

中垣:はいはい。サービスとしてはどういう感じなん?

倉留:あんまちゃんとは考えてないねんけどな。うちは営業が強いわけやん、だから飲食に対しても美容院に対しても、そういうのがあれば営業の一つの武器にはなり得るなと思ってる

中垣:なるほど、確かにそうやね。

2020年5月16日
Aux Bacchanales 紀尾井町


HeaderImage: LOUIS VUITTON

LOUIS VUITTONのフレグランスコレクション。豊富な香りのバリエーション、エマ・ストーンとJamie xxを起用したスウィートで浮世離れしたフィルム、艶っぽい開閉の感触のボトル、全てがパーフェクトなフレグランスである。
ただしパルファンなので結構高い。あとはルイヴィトン、お前価格の改定多過ぎじゃね? このシリーズ発売当初は30,000円だったよね?