松田:
中垣:ないない。
倉留:何それ?笑
松田:
松田:ほんで、
中垣:あー、なるほど。
倉留:はいはい。
松田:でもな、そういう仕組みにしたら
倉留:うんうん。
中垣:まあ落ちるっていうか、一瞬止まるからな。
松田:そうそう。そうなると、
中垣:あー。
倉留:はいはい。
中垣:確かに、なんか変になることあるもんね。
松田:あ、それそれ。刃の往復運動のスピードには緩急があるけどバリカンを動かす手の速度は一定やから、そうやって切れない毛が出てくるねん。
中垣:そういうことか。
松田:だから、回転から生み出した横方向の運動は、バリカンの刃を動かすやり方としてはベストではないねんな。
中垣:はいはい。
松田:やねんけど、パナソニックが出してるプロ用の一番いいバリカンは、
坊主にするのにしか使ってない
中垣:うん。
松田:リニアモーターって何かって言ったら、
中垣:あー、なるほど。
松田:そうそう。
倉留:なるほど。
中垣:
松田:あれ、おれなんか勘違いしてるかな。
中垣:
倉留:向きが切り替わるときにゼロにはなるもんね。
中垣:
バリカンの刃の速度と位置の関係、青が速度で緑がバリカンの刃の位置。上から順に、バリカンにとって最も理想的なそれ、回転モーターを搭載したバリカン、リニアモーターを搭載したバリカン。
刃が左右の端に到達すると一瞬で速度の正負が入れ替わり常に一定の速さで刃が往復するのが理想であるが、回転モーターから往復運動を生み出す仕組みでは刃の速度と位置はともに三角関数を描く。
一方リニアモーターによる往復運動は、速度の立ち上がりが早く最大速度である時間が長いため、より理想に近似されたグラフを描いている。
松田:ほんまやね、確かに。でもなんしか、
ワンストロークで全部いく。みんな買え
中垣:それやったらさ、普通に円形の刃を回す仕組みにすればよくない?
松田:どういうこと?
中垣:回転してる刃を、肌と平行に上から当てたらいいやん。
松田:それやと一定以上に短い毛じゃないと切れなくない? 髭剃りやったらそれでいけるけど。
中垣:あー、そうか。バリカンやったらあかんのか。
シェーバーにも駆動方式問題はあるっぽい
シェーバーの選び方 シェーバーのタイプ(駆動方式)で選ぶ – 価格.com
倉留:あー。
松田:長い髪の毛の束に、横から刃を当てられへんやん。
中垣:じゃあそうしたらいいやん。
松田:それやったら横一列真っ直ぐに刈ることができないから、ラインを出しにくいんじゃない?
中垣:まあそれはそうやな。
こういうことでしょ? 絶対ケガするじゃん
松田:
中垣:そうやね笑 そういうことやね。
倉留:笑
中垣:でもエンジニアリングってすごいよね。
なんて夢のあるお仕事なんでしょう
松田:しかもこのモーター話はまだ続きがあってさ、
中垣:あ、確かに移動した。
松田:
中垣:そういうことか。
松田:昔のケータイのバイブ用のモーターは、回転軸に偏心の重りをつけてそれをぶん回して振動させてたから、全方向に対して振動しててんな。
倉留:あー、はいはい。
松田:でも今はリニアモーターを使ってて、一方向への振動しかないねん。
中垣:そうなんや。
倉留:へー。
2020年6月26日
Aux Bacchanales 紀尾井町
2019年に発表されたiPhone 11 proのTaptic Engine。Taptic Engineは2015年に発売されたiPhone 6sから搭載されており、リニアモーターならではの立ち上がりの早さを活かし、画面の押し込み、ソフトウェア上でのスクロールホイールの操作などに対するハプティックフィードバックを実現している。
iPhoneだけでなく、現行のMacBookのトラックパッドにも同様の技術が用いられている。