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東進の先生に教わったこと

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松田林修さ、あいつ授業で全然解説せんかったよな。ほとんどの時間は自分の好きなことをブワーって喋ってる。まあ聞いてておもしろいねんけど。

セレブリティとは言えあいつ呼ばわりはよくない

中垣インディアンのカレーに卵を2つ入れるって話しかしない

Source: gross_lie/Twitter

松田「目玉」な。で、授業の残り時間が五分の一くらいになったら、ポンポンポンって解説して、はいこれでおしまいって。

倉留:解説は分かりやすいん?

松田:まあ分かりやすいよ。でもちょっと聞いたのが、彼の解き方はやや特殊でどんな文章でも貫ける矛みたいな感じやってんけど、受験生みんながそれをやり出してから東大が入試の傾向を変えてそのやり方が効きにくくなったみたいな話を、東進でバイトしてた東大生が言ってた。

倉留:そうなんや。

中垣:ハックされたんや。

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中垣:東進やったら物理の苑田さんが好きやったな

苑田尚之
Image: 東進ドットコム

松田:へー。

中垣:なんか「素朴な素粒子論」みたいなことをめっちゃ言うねん。「物体の振る舞いっていうのは~」みたいな。

やたらと精緻で難しい授業をするせいで、同じ業界内ではアンチも多いらしい

松田:笑

中垣:だから例えば、「このグラスを床に落として割ったらそれは不可逆のように思えるけど、割った瞬間に全ての粒子を逆に戻したら、割ったグラスも元に戻るんだよ」とか言ってた。

松田:そらまあな。

倉留:笑

中垣:他にも、苑田さんに聞いて覚えてることはちょいちょいあるねん。前言った、天動説をもって天体の動きを証明しようと思ったらそれも可能って話とか

中垣:他の人との関係において、自分は一人の個人で相手もまた一人の個人だって考えるのか、自分の世界があってその中にいろんな人がいるって考えるのかの違いは結構あると思う。おれは結構後者の見方で、彼女もたぶん後者の見方なんやと思う。

松田:うん、それはほんまそう。彼女はきっと、主体的に決定をする個人が二人いるっていう世界観では生きていなくて。彼女の見ている世界は彼女の世界で、その中のひとつのパラメーターとしておれがいると思うな

中垣:うんうん。でもこれって地動説と天動説の関係と同じやねん。実際は地動説が正しいわけやん、でも別に天動説でも宇宙の体系は説明できるねん。ただ複雑にはなんねんけどな。太陽を中心にした方がシンプルな数式で表せるねんけど、別に地球を中心にして複数の円を考えれば天動説でも説明はできるわけ。

中垣:今の話も同じで、主体的に決定する個人が複数いるっていう説明が一番シンプルなんだけど、自分を中心として天動説的な見方をした場合でも、おれは揉めごとを起こさないようには制御できるわけ。どこまでも自分本位で語ろうと思えばできて、おれは今も実際にそうやねん。相手がどうだからこうしようとかはないし。

Source: 他人に「してほしい」人達 – commmon

松田:あー言ってたな。

中垣:ただ、いろんな系が絡み合って解くのがめんどいみたいな話、あれも彼が言ってた。

倉留:へー。

中垣:あとはなんやったけな、ニュートン力学みたいな高校で習う物理っていうのは、それが真理なわけではないって話もあったな。要は物理っていうのは数学と違って実証的な学問やから、どこまで近似できるかが大事だと。で、ニュートン力学はある程度粗めの近似としてなら成り立つけど、そこの精度を詰めていくと量子力学とか熱力学が必要になるんだよって

粗めの近似っていうのは、空気の抵抗を無視するとか、摩擦を無視するとか

松田:うんうん。

中垣:当時はあんまピンときてなかったけど。

松田:そうやんな。今ある理論は現時点でのベストなだけで、解像度を上げていくには理論をアップデートしてかなあかんって話やんな。

倉留:はいはい。

松田:何の本やったっけな、ニュートン力学では人工衛星はギリギリ飛ばせるけど、それ以上のことをしようと思ったらもっと上位の理論が必要になるって読んだことがある。

たぶんこの本。まあ仮にこの本じゃなかったとしても、理論の絶え間ない更新でもって認識のリーチを無限に伸ばしていこうって内容ではある。

Image: Amazon.co.jp

デイヴィッド・ドイッチュ(2013)『無限の始まり ひとはなぜ限りない可能性をもつのか』インターシフト

中垣:そうなんや。あとあれ、安定つりあいと不安定つりあいの話も園田が言ってた

Image: commmon

松田:へー。

中垣:あとあれや、地球を掘って日本からブラジルまで貫通させて日本側から物を落としたら、どんどん速度が上がって中心で一番速いスピードになって往復して帰ってくるねんけど、日本に戻ってきたときには落とした瞬間と同じ速さになってるから掴めるっていう話もしてた

倉留:笑

松田:おー、なるほどね。振り子みたいになるってことね。

中垣:そうそう。そういう、物理のミラクルをいろいろ教えてくれたよ。

2020年6月26日
Aux Bacchanales 紀尾井町


林修
HeaderImage: BestTimes

東京大学法学部卒業、東進ハイスクール、東進衛星予備校の現代文講師の林修。「いつやるか? 今でしょ!」で有名。卒業後就職した銀行を半年で退職、ギャンブルによる多額の借金、起業の失敗などのエピソードや、「正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない」という発言など、自分を見極めた上で最大の努力をするというスタンスには村上隆にも通ずる凄みがある。
12歳年下の奥さんがいる。すごくかわいい。