中垣:日本がEUと組んでデータの運用を考えようって話があって、でもいわゆる人々のデータ、消費者のデータっていうのはGAFAに勝ち目がないけど、製造業のデータに関してはドイツと組んで勝てるんじゃないか、っていうニュースを見て。
中垣:アホらしーと思って。データデータって言うけどさ…要はアーティストの支援って必要なのかって話と一緒で、そもそもそんなん必要なんかって話。
c 「お金がないからできない」のなら辞めちまえよ→
中垣:データがどうしたっていうか…なんか、本当にごく個人的に言えば、「ここに住んでる人の何割がこういう消費をして〜」とか、別にどうでもいいわけやん。
太郎:まあそりゃあね。
中垣:それはまあ当たり前やねんけど、でも企業としてはやっぱり大事ですみたいな、それに対してもNOを言いたくて。
松田:はいはい。
中垣:なんか、ただのデータブームなんじゃないかって。
太郎:はぁはぁ。
みなと:ほーん。
中垣:もちろん製造業はデータがあった方がいいとは思うのね。要は精度高めたいとか、そういう定量的な目標があるから。それはまあ真っ当やねんけど、マーケティングみたいな話になったとき、数字が大事なんは分かるねんけど…
みなと:いや、でも分かるわ。
中垣:データデータって言うけど、たぶんただの流行語やと思うねん。マーケティングの世界での流行り廃りってあるわけやん、マーケットインプロダクトアウトとか、カスタマージャーニーとか。データもそれらのひとつなんじゃねって。
みなと:うんうん。
中垣:データって、それが主題になるようなもんなんか甚だ疑問で。なのに謎の危機感というか…データデータって煽られてるやん。そんな大事なのかって。
松田:感覚的にはすごい分かる。個人的にはデータ云々なんてむっちゃ嫌いで…なんて言うのかな、例えば人類の大きな達成として宇宙エレベーターを想定したとき、別にビッグデータがあっても宇宙エレベーター作れませんけど?みたいな。
中垣:そうやねんそうやねん。別にデータが世の中を良くするわけではないねん。
松田:そう、世の中が多少最適化されるだけやねんな。
みなと:それ、AIの話とも近いと思っててさ。データがなんで新しいものを作らないんですかってことに関しては、人間の認知している範囲内、もしくはそこから派生しているものに関してのみデータの検知とか出力を行うから、データの生み出すものもその範囲を出ない、と僕は今のところ思ってるんだよね。もちろん僕の知らない側面もあるんだろうけど。
中垣:あー、そういうことね。素材より扱う側の問題ってことね。まあそれもそうやけど、そう言っちゃうとありきたりな話やねん。
勝手
みなと:そういう気持ちではないのか。
中垣:いや、それはもちろんそうやねんけど、もうちょっと上手く言いたい。なんと言うか、要はデータ病なわけ。例えばAIにはデータが必要やねん、サンプルが必要やから。なんだけど、ほんまにおたくみたいな中小企業がデータ必要?とか、あなたのその業種でデータ必要?みたいな。
太郎:あー。
中垣:極端な話、アーティストにデータは要らんわけやんか。
松田:うんうん。
中垣:広告の制作会社にも、もしかしたらデータはいらんかもしれへん。そういうデータ万能観みたいなのが意味分からんくて。
みなと:そんな感じあるのか。
中垣:あるっしょ。もうデータ合戦じゃないすか。
松田:データとか言ってんのはコンビニとかスーパーだけでええねん。
中垣:データを商品として持ってる会社がそれを売るのはすごく売りやすいと思うねん。「消費者のこういうことが分かります」とかって言われたら、そりゃそうなのかーって思うやん。思うねんけど、でもだからどうっていうのは別の話で。
松田:この間『ガイアの夜明け』で、バッグのサブスクリプションサービスについて特集してたのね。そこで出てきた会社が「うちの強みとしては〜」って言って、港区ではセリーヌが人気とか、行動範囲の広い人はグッチをよく使うとか、そういうデータがあることがうちの強みですって言っててんけど…なんか全然分からなくて。
私は、持たない! ~「脱・大量消費」がニッポンを変える~ – ガイアの夜明け→
中垣:そうやんね。
松田:だから何?って。
彼はバッグを作ることの方が興味があるって話
中垣:だからデータとか言ってるやつはプレイヤーじゃないねん。やってることはコンサルと一緒ですよ。
いや自分…
中垣:てめーが何かをするわけではないねん。
松田:うんうん。
中垣:分かりやすく言えば、ウーバーを上手くやるのにデータは必要なんだけど、データがあるからウーバーが生まれたわけではないねん。
太郎:うんうん。
中垣:データは必要条件ではあるけど十分条件では決してないわけ。それが逆転してる空気感がまじで意味分からんくて。
みなと:うんうん。
うんうん
中垣:インターネットと一緒で、これからデータ前提の世の中になることは間違いないんだけど、別にデータがあるから何かが変わるわけではないねん。
松田:やっぱデータがあっても宇宙エレベーターはできひんねんって。
中垣:データは次の半世紀を変える燃料ではあるけど…燃料でしかない。ただの燃料。
松田:それそのものには意味はないって話やんね。
中垣:まあそう考えたらデータ戦争が大事なのは分かるけどね。次の石油みたいなもんやから。
松田:石油は分かりやすいな。それだけ追っててもアラブ諸国の空虚さ以上に達成できることはないって話。
中垣:そう、そういうこと。
松田:石油があればロールスロイスには乗れるけど、ロールスロイスを作ることはできひんからな。まあそれで幸せならそれはそれでいいんでしょうけど。
ほとんどの人はそれで幸せなんだと思うよ
2020年3月6日
Madam Mỹ