中垣:
大森:あー、なるほど。
一を聞いて十を知ったっぽい
中垣:具体的には吉岡徳仁とか佐藤オオキとか、ああいう、色は基本白で、でも
吉岡徳仁デザイン事務所 – TOKUJIN YOSHIOKA
大森:うんうん。
中垣:要は、言葉で説明できるコンセプトを形に落とし込んだようなデザイン、それってつまんなくね?って。
まじで何にも似ていない。こんなすごい車他にない
大森:そうだよね、
中垣:まあ別に、マクラーレンのテールの美しさを言語化する営み自体は嫌いじゃないですけど、そうじゃなくて言語から入ってそれを造形にするっていうのに違和感があるというか。
松田:うんうん。
中垣:もちろん、マーケティング上の動機も考えると分からんではないのだが、でもそこにデザインの神秘みたいなものは見出せないなって。
松田:そのやり方やと
大森:うん、分かる。それ服作ってたときにすげえ思ってて、おれは言語ベースで造形を作ることしかできなかったから、そういうアプローチしか取らなかったんだけど、
中垣:あー。
大森:アンケートで「どの作品が印象に残りましたか」って聞くとおれの作品が結構人気、みたいな。でも本人はそんなの大した価値はねぇなって自覚してるっていう。
松田:あー。
大森:ただそれはそうだろうとも思うよね。説明されたときになるほどって思えるしさ。
中垣:確かに。
大森:まあでも…どうなんだろうね。吉岡徳仁が実際に言語から入ってデザインしているのかっていうのはなかなか判断つかない部分で、なんか、
中垣:はいはい、それはそうですよね。
大森:まあむずいよね。造形っていうのは言語ベースで生まれるものじゃないってことを理解してる人って多数派じゃないから、そこが難しい。
中垣:受け手側はそうですよね。
大森:そう。言語と造形は別のもので、
中垣:そうなんですよね。そういう、言語ベースでデザインワールドにコミットするパンピーみたいなのが蔓延ってる感じが好かんなと思うわけです。
大森:あとは、造形みたいな一見すると言語的でないものが言語化されることへの快楽みたいなのもあるだろうね。
中垣:うんうん。
大森:現代アートのコンセプトを説明するみたいな、あれしょうもないなと思うんだけど、それを紹介されて理解した気になるわけじゃん。「アンディ・ウォーホルはアメリカの大量消費社会を…」みたいな。
松田:笑
大森:何の変哲もない便器の価値に納得する、みたいな。
松田:あかんおもろい笑
大森:そこは大衆の欲望に寄り添ってるっていう。で、それが上手い人が活躍すると。黄金比とかもみんな好きじゃん。
中垣:あとは自然由来のとか。
大森:「コルビュジェのあれは巻貝の…」とかね。そうやって
中垣:なんか、人間もっとできるのにというか、それこそ
大森:それはやっぱ、そこが一番気持ちいいからなんだろうね。
中流が蔓延り全てがEDM化する現代、commmon はそのアンチテーゼです
c 不誠実な中流根性
2020年9月10日
Aux Bacchanales 紀尾井町
2017年にマクラーレン・オートモーティブが発表した720S、そのオープンモデルである720S スパイダー。クローズドモデルのガルウィングドアはルーフ部分まで回り込んでおり、Aピラーにもヒンジを持つダブルヒンジ構造となっている。特徴的なデザインのヘッドライトはアイソケットと呼ばれ、照射角度がステアリングによって変化する。
松田が一番欲しい車です。