松田:さっき言ってた話、世界がEDMじゃなくなるって話さ、要はランボルギーニじゃなくてマツダのロードスターで満足できる世界線なわけやん。
c 小さな喜びを拾えるようになろう→
中垣:まあそうやね。
松田:ランボルギーニとかのEDM的な車って、みんなが支持していることによって、その正当性にレバレッジがかかってたとこあるわけやん。でもその「みんな」っていうのがフィジカルには想定できなくなっている以上、そういう価値観は行き場をなくしてるよな。
ああいう車に対する羨望は凡庸な悪とまで言っていい
ハンナ・アーレント – Amazon.co.jp→
中垣:そうそう、そうやと思う。エクスペリエンスとしてそれがスポーツカーならロードスターでいいし、別に軽トラでアクセル全開にしてスポーツカーを感じられるんであればそれでもいいねん。
松田:だからあれやんな、すごく偏狭で独善的なフィット感を基準にするしかなくなるってことやんな。フィジカルに「みんな」っていうのが想定されるからロードスターがランボルギーニに負けちゃうわけやけど、そういうのがなくなってるから…やっぱり陰キャに優しい世界ってことやん。
中垣:そう、陰キャに優しい。これは間違わなければすごいい世界になるねんけど、まあそうはならなくて、きっと総セミナー社会になるっていう…
人類の生産性が等比的に向上した先にある、ハンナ・アーレントの言う「労働」「仕事」「活動」の内、活動のみに専念できる社会のことです。たぶん自己啓発の化かし合いみたいな泥仕合が展開される。
松田:昨日そういうことを考えながらさ、ネットワークみたいな反社まがいのことしてる人達って、今すごく困ってるんじゃないかなって思っててん。
インスタで過去picあげながら「今は我慢だから✨❣️」って言ってるっぽい
中垣:そうやんね、そう考えるとネットワークも2.0にならなあかんねんやんな笑 ランボルギーニみたいなものに頼れなくなったときの、もっとインナー系なネットワークビジネスを考えないとあかん。
松田:それがまさしく総セミナー社会、ネットワーク2.0って感じやんな。
中垣:自己啓発チックな話やけど、でもそうやんね。「僕にとってはこうだ」っていうのはすごくいいよね。
松田:そうそう。
中垣:だからいかに妄想できるかというか、それこそ「ミニカーからの光景」と一緒でさ、「これ雪山~」「これ斜面~」って思えるかと一緒でさ、そういう妄想というか、コーヒーをジャストコーヒーだと見るのか至福のカフェタイムだと見るのかみたいな、日々の中で波をキャッチする、アナログレコードの息遣いみたいなのをキャッチすることがすごく大事になるよね。
c ミニカーからの光景→
松田:そうやんなぁ。n-1の承認がいらない世界やで、最高やん。
中垣:なんでもいいからやってみるといいよね。毎日空を見て雲量を測るとか。
2章 雲を観察してみよう – 石川県教員総合研修センター→
松田:笑
中垣:「昨日も今日も晴れだけど雲の量がちょっと違う」とかでいいし、植物育てるでもいいし、なんでもいいから微妙な波をキャッチする練習をするといいと思う。
キャッチし損ねて植物を次々枯らしたのはどなたでしたっけ
松田:さっきから目の前のパーキングメーターにベントレー、ランボルギーニ、ベントレーの順番で停ってたけどさ、彼らの行き場のなさがすごいねんな。
中垣:そうやんね、彼らちょっとみすぼらしかったよね。
松田:やっぱり彼ら、今まで得ていたフィット感をなくしつつあるねんって。
中垣:やと思うで。
松田:最初ベントレーが停まっとって、それがどいたからランボルギーニが停まったわけやん。ほんでそっから降りてこのテラスに来たやろ。彼らはそういうソーシャルでパブリックな場所で自己顕示せずにはいられないねんで。
中垣:そうやんね。
松田:ほんで3台目に停まったのもベントレーやってんけど、そいつはあそこに停まるまでにこの前を何回か行き来してんねんやんか。
中垣:はいはい。
松田:そうやってここのパーキングメーターの空きを待っとってん。
中垣:あ、そういうこと? 別にその辺の適当な駐車場に入れてここくればいいのに、ちゃんと店の目の前に着けてテラスでお茶するっていうのがやりたかったってことか。
松田:そうやで。
中垣:やばいなぁ…
松田:やばいよ。結構えげつないよ。
ところでこの話、後ろの席にいたベントレーの持ち主に全部聞こえてた気がする
中垣:逆にさ、それでもそういうことがしたいやつっていうのはいるからさ、それこそ100万円出しても漫喫レベルでしかないファーストクラスみたいにさ、それでも見栄を張りたいやつのために何ができるかっていう話はある。
松田:そうやんな。
中垣:例えば…保菌していないっていう証明をしてもらって、その上めっちゃ高い料金を払わないと参加できないパーティーを開催するとか。
松田:あー、いいね。
中垣:これいいよね。で、どっかのタイミングで間違って感染してるやつ入れてもうて、クラスター発生して終わるっていう笑
松田:笑
中垣:主催者ならそれをあえてやりたいな。ピークを迎えた頃に感染者ぶち込む。めっちゃ喋る、河東みたいな感染者を参加させる笑
松田:まあなんしか、そういう意味で困ってる人って、おれらが思ってる以上に困ってるんやと思うで。
中垣:やっぱりさ、そういう六本木みたいな世界観ってさ、フィジカルをより濃厚にするしかないんかな? サーバーじゃダメなんかというか…やっぱりそうやんな、分かりやすいフィジカルな欲求が動機やもんな。
松田:じゃない? ああいうのってフィジカルな根拠があってこそやろ。
中垣:そうやんね。最後にセックスが待ってないと…
松田:そうそう、そういうことが言いたかった。
中垣:その辺の丸の内のオフィスビルとかも、全部そういうことやんな。オフィスビルは空虚って話はずっと言ってたけど、ついにそれが明らかになったよね。
松田:そうやで。で、そのオフィスにいたランチに千数百円かけるOLは、きっと今頃チンケな部屋で…
中垣:そうめん食ってる笑
松田:そう、地味な生活送ってる。
中垣:zoom飲みのために化粧をする日々。「またランチ行きたいねー」って。
松田:笑
2020年4月18日
Aux Bacchanales 銀座