Categories
エンタメ 思索

『万引き家族』の強固な絆

5 years

2 minutes read

匿名:『万引き家族』観た? この間観て、結構すごいと思ったんだけど

松田:映画館でやってるときに観たよ。

匿名:普通の人ってさ、会社に行ってみんなと一緒に仕事してって感じで、決められたルールの中で共通の目的のために活動するわけじゃん。でも結局は決められた枠の中での活動だから、たかが知れているというか、その場だけの関係になっちゃうというか

匿名:ギチギチのルールの中で一緒にやってる限りは…なんて言うんだろう、つまり『万引き家族』の家族って、別に血縁もないんだけど、ルールを無視して目標に向かって共闘しているわけじゃん

Video: ギャガ公式チャンネル/YouTube

松田:うんうん。

匿名その繋がりって実はめちゃめちゃ強くて。陳腐な映画だと、例えば犯罪組織でAとBが一緒に仕事しているけど、悪いことでの繋がりだから彼らの絆なんて薄っぺらいよね、みたいな描かれ方もあるじゃん。でも万引き家族の方が真実に近いような気がして。

松田:はいはい。

匿名:つまりその、何かに本当に向かっていくときにルール違反はないわけ、究極のことを言っちゃえば

松田:目的が強固であるほど、手段は目的によって正当化されるよね。

匿名:だから、法外の営みをしているからこそめちゃめちゃ強い繋がりがあって、そこで逆にルールのもとで結束することの難しさというか、そういうのが感じられたというか

松田:なるほど。

*主体的な目的意識もなく就職して、それ以外に人生の賑やかしが見当たらないから適当に同期と仲良くしてる、みたいなやつらへのディス映画ってことすね。そういうやつに限って、後半のキッズを置いて夜逃げしようとするシーンに胸糞悪さを覚えるんでしょうね。

2020年2月21日
Aux Bacchanales 銀座