ちさと:さっき21_21のお土産コーナーでさ、隈研吾の積み木が売っててん。で、そのキャプションに「隈研吾は幼いときずっと積み木で遊んでいたのです。それが彼の原点です」みたいなことが書いてあって、この人まじで商業的やなって。そんなん全部原点やん。
黒沼:それでお母さんが、うちの子にも立派になってもらいたいからって言って買ってしまう。
ちさと:そうそう。
松田:やっぱ隈研吾の空々しさみたいなんはさ、建築の世界にはあるん?
ちさと:あるでしょ。
黒沼:建築学科で隈研吾のこと好きな人はあんまりいないと思う。
*私もそう思う。
Y:へえ、そうなんですか。
黒沼:でもおれこの前、東大に隈研吾の講演に行ったんだけど、この人は愛されキャラなんだなって思った。人がいい。すごいキャラがよくて、先輩とかに「おいおまえケンゴ〜」っていじられていただろうし、後輩からも慕われていたような、そういうタイプ。そういう点で商人に向いているんだなって思った。
ちさと:そうそう。作品とか展示会で書いていることを見るとどんどん嫌いになっていくけど、普通に話を聞いてると「隈先生だな〜☺️」って感じがする。
*私もそう思う。
黒沼:前に隈さんの展示に行ったとき、伝統の竹を構造に用い…って書いてあったのによく見たら竹の中くり抜いて中にコンクリぶち込んでるだけなのを見たとき、こいつクソだなって思った。それって要は、ただ鉄筋コンクリートを竹で仕上げただけなのね。
松田:えげつないな。
黒沼:まあ一応隈さんの中では被覆っていうことで筋は通っているんだろうけど。でも伝統の竹を構造に用い…って言われるとね、構造は鉄筋コンクリートだろうよって。
2019年8月23日
東京ミッドタウン