中垣:
松田:はいはい、分かるで。
中垣:あれのレビューを読んでたときに、
松田:そんなこと言うてたん? それはちょっとすごいな。
中垣:なんかどっかに書いててん。でも
はじめからザ・エックス・エックスの音楽ははっきりと「シェルター」だった。外界から遮断された場所で、自分だけの痛みをこっそりと広げて味わうこと。10代の音楽としてあまりにパーフェクトだったし、その純度の高さこそが特別なバンドとして愛でられた理由だった。ダブステップを横目で見つつ、できるだけ隙間を開けて音を丁寧に配置していく触れたら壊れてしまいそうなギター・ミュージック。それはあらかじめリスナーひとりひとりに向けて作られたもので、自分たちが大観衆の前でプレイするバンドになるとは想像していなかっただろう。セカンド・アルバム『コエグジスト』は、だから、サウンドの幅を広げながらも自分たちの出自を確かめるかのような密室性が貫かれていた。
Source: ele-king
だがハウス・ミュージックのプリミティヴな喜びがたっぷりと投入されたジェイミーXXの『イン・カラー』を経て、バンドは「シェルター」の別の意味を3枚めとなる『アイ・シー・ユー』にしたためているように見える。すなわち、たくさんの人間たちが緊急避難的に集う場所としてのダンスであり、バラッドであり、ポップ・ミュージックだ。
太郎:ふーん、おもろいな。
中垣:なんかその、
松田:確かに。なんかそう考えると評論家って仕事も悪くはないな。
音楽、香水、エマ・ストーン、そのすべてが最高である
2019年11月1日
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