匿名
臨床心理士・公認心理士
普段からcommmonに参加している🐹のお母さん。大学の教員として、またカウンセラーとして活躍なさっています。
どういうお仕事なのか? どうして今の仕事を選んだのか? おすすめの本ってありますか?…悩むことについてはプロの我々が、本職の方にうかがいました。
🐹:これは長年の疑問なんだけど、
松田:はいはい。
🐹:心の中で何かがごちゃごちゃとしていて、それを解きほぐさなければいけないことって確かにあると思うんだけど、
🐘:その基準は
🐹:うーん…
🐘:同じような状況にあって、一方の人は全然困っていなくてもう片方の人は困っているって場合、
🐹:あー、そういうもんなの?
🐘:そうそう、そういうもの。ただ逆に…まあこんなこと言うと失礼なんだけど、「それくらい自分で解決できないの?」みたいな内容で、カウンセラーにすごく高いお金を払う方もいらっしゃって…
松田:はいはい笑
🐘:それはその人の判断なんだけど、あまりにも「これはカウンセラーのところに来るような問題じゃないでしょ」って場合、私はやったことはないですけど、もう亡くなっている土居健郎さんっていう精神科医の方は なんとかかんとか 。
松田:笑
🐹:おおお…
🐘:そういうのもあるみたいですね。
松田:
🐘:だいぶ大胆なことだとは思いますよ。
🐹:へー。
松田:さっきおっしゃっていた、本人かその周囲が困っていたらそれは問題だという、このことについて疑問があるんですけれども…
🐘:はいはい。
松田:例えば本人が困っていたら、その人は自発的にカウンセラーのもとにやって来てクライエントになるし、その周りが困っていてもそれによって問題が顕在化して、やはり介入するきっかけはできると。
🐘:はい。
松田:で、
🐘:笑
松田:そうですよね、うんうん。
🐘:でもそういうのって結構あると思いますけどね。
松田:いやぁ、そうですよね。じゃあ例えば、ある一人とその周囲の人との関係が非常に特殊な状態であったとして、でも本人もその周囲の人も困っているとして声を上げることがない…この場合、
🐘:うーん、そうですね…
松田:つまり、もし介入するきっかけさえあればこうした方がいい、こうなった方がいいという判断は行い得るというか、
個別具体的なケースに個別具体的にのみ向き合っているのか、ある程度一般化された社会課題にも理論的に向き合い得るのか、直接だけでなく間接的に介入することもあるのか、その辺りが気になりました
🐘:そうですね。
松田:はいはい。
🐘:で、親は当然否認していると。でも
🐘:でも難しいところなんですよね。例えば時々あるんですけど、家族の中で変なバランスみたいなものがあったときに、その親戚が「私の姪の家族がちょっとおかしいんだけど、なんとかしてください」って言って来られることもあるんですけど、
🐹:そうなんだ。
松田:うーん、なるほど。
🐘:
松田:それがもし…例えば夫婦間でDVがあって、でもなんだかんだで共依存の関係にあるみたいな状況のとき、これはもうどうしようもないということですよね。
🐘:そうですね。
松田:うんうん、なるほど。あとですね、
🐘:ええ。
松田:で…こういう言い方が適切なのかという話はありますが、
🐘:はいはい。
松田:
🐘:あー、はいはい。
松田:もちろんラベリング以前から何かしらのモヤモヤはあったわけですけれども、そこでああいうラベリングに容易に飛びつくことによって、
本質つまりラベリング、これに先立つところの実存を自身の素手で掴むことなくしては、本当の生きる意味を知ることはできないのです…みたいなことを鈴木大拙が言っていました
🐘:それは必ずしもそうとも限らなくて…
松田:あ、そうですよね。すみません。
そこの境界がザルだと怒られる、そういう回です
🐘:よくあるのは、
松田:あー、なるほど。
🐘:ただ今おっしゃったみたいに、
松田:うんうん、なるほどですね。
🐘:鬱とかっていうのはあくまで医学的な診断で、
松田:なるほど。先ほど、子供が散らかすのを悩んでいるところに発達障害の診断がおりると「なるほどそういうことか」と思える、つまりそこをゼロポイントにして物事を考えられるようになるとおっしゃっていましたけれど、そういう…つまり
🐘:そうですね。ラベリングって言ってもただラベルがつくだけじゃなくて、
松田:確かに、その名前のもとで情報が体系化されていますしね。
名前が分かって初めて、こういう本を手に取れるのです
小野次朗・上野一彦・藤田継道編(2010)『よくわかる発達障害 – LD・ADHD・高機能自閉症・アスペルガー症候群』ミネルヴァ書房
🐘:そうそう。具体的には、今までは学校の先生も苦労してたけど、発達障害の専門のところに行ってみましょうって話になって
松田:うんうん。
🐘:ただラベルを貼るだけじゃなくて、それに応じた対応をするってことが目的ですからね。
松田:そこから始めて道筋を立てるということから切断されたラベリングというものには…
🐘:意味が無いし、あと私が嫌だなと思ってるのは、
松田:はいはい。
🐘:ここからは医者の悪口なんですけど…
松田:笑
🐘:お医者さんは誤診をすることも結構あるわけですよ。で、鬱の人に統合失調症の薬を処方すると本当におかしくなっちゃったりするんですよね。そうやっておかしくされた患者がたくさんいるっていうのを、私はある病院について聞いたことがあって。
あっ…
松田:へー。
🐘:それはまあ極端な例ですけど、ばかな診断をしてばかな治療をするみたいに…
松田:はいはい笑
🐘:そういう話はありますね。
2020年9月25日
池袋 中国茶館
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