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自分の人生を生きよう

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中垣:さっき「適応」と「進化」の話をしててん。みんな仕事において成長するとか言うけど、その意味を履き違えてて、進化やと思ってるそれは大体は適応やねん

山岡:うん。

倉留:はいはい。

中垣:適応って、要はそこでのゲームに最適化されてるだけで。でも進化って、別の国におっても別の星におっても通じるような汎用性の高いものでさ

ここでの「適応」は、個別具体的な状況に対しての最適な行動を、個別具体的に知っていて選択できるようになること。一方「進化」は、個別具体的な経験から帰納的に獲得した理論を演繹し、未知の状況でも最適な行動を選択できるようになることです。前者の知識は具体的な状況と一対一対応しており汎用性がありませんが、後者の知識は具体的な状況からは切り離され一般化された理論であるため、本質的に同じ状況であれば常に応用できる汎用性があります。

中垣:それって、例えばあるプロジェクトで培ったビジネススキルが次のプロジェクトでも生きるみたいな話もそうっちゃそうやねんけど、と言うよりもっと感覚的な話としては、受験勉強で学んだ数学の考え方が、全然数学と関係ないところで「あのときの考え方とすごい近い」みたいに出てくることってあるわけやん

「ゼミでやったところだ!」

山岡:うん。

中垣:それこそ研究とかしてたらそういうことってめっちゃあるわけやん。どうしたらいいか分からんときに、とりあえずこういうアプローチを試してみるとか。ここで言いたいのはそういう感覚に近くて

中垣:そういう進化を求めないと…なんか、ただの適応だけで50歳になって、それで仕事ができると言われたとて、「あ、そうすか」って感じ。おれが同期とか上司見ててムカつくのは、ただの適応を成長やと思ってるやつらが多過ぎるねん。

山岡:うん。

中垣:そんなんまじでどうでもいい。「評価がー」とかさ、何言ってんのお前って感じ。それはただの適応やからな。

倉留:適応やんな。

中垣:就活もそう。もちろん適応は大事やで、ゲームの上で勝つことはすごく大事やねんけど…

山岡:うん。ゲームに乗るって決めたらね。

中垣:そう、乗るって決めたら勝つことはすごく大事やねんけど、それがあくまでゲームだってことを分かってないと

山岡:そうねそうね。だから気持ち悪いんだろうね、言ってることが

中垣キモいよね、コンサルの人らって。まじですぐ「優秀」って言うからね

いや君らもコンサル…

山岡:うん。

松田:コンサルの人らが言う「優秀」めっちゃ嫌いやで。

山岡:「新卒の子って優秀だよね」

中垣:よく言うよね。

倉留:へー。

山岡ほんと気持ち悪い。ただ適応へのスピード感があるだけなのに。そういう訓練しかしてきてないだけ。

中垣:全てそう。受験勉強も適応やし…もちろん適応じゃない部分もあるし全否定は全然しないけどね。でも受験自体はゲームやし…

中垣:そんなこと言ったら国とか制度とか会社とか法律とかも全てゲームなんだけど、でもゲームじゃない世界もあって、それがあってこそ人間なんだよっていうのを、どうしたらみんな分かるのか

松田:そうやんなぁ。

中垣:それこそ家族で山に行くでもいいかもしれないし、友達と喧嘩するとかでもいいんだけど、そういう明確に言語化されづらい世界だからこそ、その重要さをみんながきちんと認識しないといけなくて

ここでの「ゲーム」っていうのは、既にルールとか構造が決まっている世界のこと。でもそれだって結局は人が作ったものだし、である以上自分にもそれが可能だということをみんなが知らなきゃいけないというお話。スティーブ・ジョブズも下記のように言っています。

When you grow up, you tend to get told the world is the way it is and your life is just to live your life inside the world. Try not to bash into the walls too much. Try to have a nice family life, have fun, save a little money.

That’s a very limited life. Life can be much broader once you discover one simple fact, and that is – everything around you that you call life, was made up by people that were no smarter than you. And you can change it, you can influence it, you can build your own things that other people can use.

The minute that you understand that you can poke life and actually something will, you know if you push in, something will pop out the other side, that you can change it, you can mold it. That’s maybe the most important thing. It’s to shake off this erroneous notion that life is there and you’re just gonna live in it, versus embrace it, change it, improve it, make your mark upon it.

I think that’s very important and however you learn that, once you learn it, you’ll want to change life and make it better, cause it’s kind of messed up, in a lot of ways. Once you learn that, you’ll never be the same again.

Source: Wikipedia

中垣でもエリートって言われる人達ってゲームでの成功体験が多過ぎて、そこが人格に投影されがちやから、なかなか残念な人が多くて。「優秀なのは分かったけど、てめえと飲みに行きたくはねぇ」って感じ。

山岡:笑

倉留:やけどそれ言えるん東大生だけやで。

中垣:笑

倉留:それを言う学歴ない人もめっちゃおるやん。

大学中退無職なのにエリートサラリーマンディスってるやつもいるから大丈夫だよ

中垣:まあまあ、とりあえずcommmonの目的の一つは、言語化ってそういう危うさ、一度言葉にするとそれに捉われてしまうみたいなところがすごくあって、それに捉われて死んでいってしまう人ってすごく多いわけ。逆にそういう言語の世界にエントリーせずに人間らしさみたいなのを分かってる人もいっぱいいて、それはそれですごいことなんだけれども…

前者の例は宮澤喜一、後者の例はnigo

山岡:うん。

中垣:我々は既に言語の世界にエントリーしちゃっていて、そういう言語的、知性的なものを経てもなお人間的なものに到達可能だということを信じてこの活動をやっている

目指すべきは宮澤喜一でもnigoでもなくロバート・キャンベル

ロバート キャンベルが語る「DSMG、ここが好き」 – UOMO→

倉留:はいはい。

中垣:賢くなることは決して悪いことではないと。

山岡:うん。

松田:そうね。だってそうやで、人間らしさの達成に知性が要らないって言うんなら、その人間らしさってせいぜい庭で走り回ってる犬のそれやで

山岡:笑 そうだよね。

中垣:そうそう、そうやねん。

松田:だからやっぱり、それがアンダーコントロールな限りにおいては、知性はあればあるほどいいよ

中垣:そうそう。なんか、こういうことをしてるって言ったときによく感じるねん、「またインテリが偉ぶったこと言って」とか「そんなこと考えずに生きればいいじゃん」みたいな雰囲気

松田:はいはい。

中垣黙れって思うよね、そういう空気を感じるたび。

山岡:笑

松田:それはほんまにそう。勉強してきたのを後悔したことは一回もないよ。どの時点とどの時点を比べても、賢くなったことで幸せになってるもん

山岡:うん。

倉留:間違いない。

2020年5月16日
Aux Bacchanales 紀尾井町


HeaderImage: The Ross Art Group

Appleの「Think Different」キャンペーンに際して製作された、マリア・カラスのポスター。このポスターには他にもいくつかの種類があり、日本人では黒澤明、三宅一生、盛田昭夫、手塚治虫のものがある。