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職場のトリックスターを擁護せよ

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中垣職場も学校みたいやったらええのにな

中垣:だから会社ももっと学校みたいにさ、終業時間になったらブザーが鳴って外でサッカーしだすやつがいて、「あいつらまじかよ…」って思いながら残業するみたいな、そういう感じならいいのにね。

みなと:「こっちはまだ終わってないんだよ…」みたいなね。

中垣:そういうふうにしたら超幸せやと思うねんな。

Source: commmon

c ハックの余地から生まれるもの

みなと:そうなると、人事か総務が頑張って先生役をしなきゃだめだよね。

中垣:ただ人事とか総務ってね、ちょっと地味な部署やし、あんまそういう積極的な取り組みはしないよね。

みなと:でもうちの会社の場合は結構先生的かもな。とりあえず全員から嫌われてる、みたいな

中垣:うん、でもそれって大事なことやんな。全員が嫌いな悪役を作って嫌なことは全部そいつのせいにして、その上でみんなが好きなことをするっていうのが必要やんね

みなと:そうそう。

松田:そういう規律を全面的に引き受ける存在がいないと、全員がn分の一ずつ規律を担うことになるもんね。

中垣:で、その規律を踏み越えそうになるのを部署単位で楽しむみたいな、それくらいじゃないとね。

松田:笑

みなと:さっき、うちの会社にはお掃除の時間があるって言ったじゃん? あれには「一人が持っていい書類はこのキャビネットひとつ分です」みたいなルールがあって、それが年に一回審査されるんだよね

中垣:そうそう。だからさ、オフィスでも掃除の時間を作ればいいと思うねん。毎日決まった時間に全員で掃除する、みたいな感じで。

みなと:でもうちの会社はそれあるわ。毎日ではないけど3週間に一回お掃除の日があって、あとは毎朝ラジオ体操が流れてたりもする。

中垣:でもそれみんなちゃんとするん? 会議入ってたりする人もおるやん。

みなと:基本的にその時間の会議は禁止だね。

Source: commmon

c ハックの余地から生まれるもの

中垣:なんなんそれ笑

みなと:で、審査のときには決められたその量にちゃんと収まってないといけないわけ。だからどうしても収まりきらない人の分は、部署のみんなで手分けして隠したりしてて…

松田:うわ、最高やん。

中垣:めっちゃええな。

どちらかと言うと助けられる側なので、助け合いの精神は大好きです

みなと:共用キャビネットの一部を隠し倉庫みたいにしてそこに匿ったり、あとはごみ箱の上の空いてるスペースを、隣の部署が何か置く前に確保しちゃうとかね。

中垣:すご笑

みなと:年に一回のそれは結構楽しいんだけど、その楽しさって学校的な楽しさな気がするね。片付けられないその先輩はオザワさんっていうんだけど、「オザワくん、これ本当に大丈夫なの?」「ええ、大丈夫です」とか言ってさ。

松田:笑

みなと:それで一般職のお姉さんに「違うでしょ、オザワくんのも私達が片付けてるんだよ?」とか言われてるんだよね。

中垣:でもそういう感じがもっと欲しいよな。ほんまは全員そういう空気感が好きなはずやのに、でもなんですぐにサラリーマンみたいな感じになっちゃうん?

松田:いやぁ、ほんまそうやんな。

まあ働いたことないんで知らんすけど

中垣:だって職場の飲み会とかならさ、若手も50代も、みんな小学生みたいな気持ちで喋ってるやん。なのになんで?

松田:あとはあれやな、先生役がおるのと同時にちょけ役がおるのも重要かもね

ちょける 意味
Image: Jタウンネット

関西のみなさん、「ちょける」は標準語じゃありません 通じる地域はごく一部…全国調査で判明 – Jタウンネット

みなと:あー、そうだよね。それこそオザワさんとかそんな感じだわ。

中垣:うん、やっぱ空気読めへんやつは大事やねん。

松田先生とちょけ役の両方がおれば、どこまでやってええかの振幅が定まるから、みんなその範囲で自分にしっくりくるポイントを探せるようになると思うねんな。

期待される働きに対してどの程度までの誤差が許容されるのかはっきりしない状況では、模範的な振る舞いへの逆チキンレースとも言い得るような行動原理が選択され、そこでは構成員が均質化し、多様性が失われるために組織は硬直してしまい、真に生産的であることが妨げられてしまいます。

c 『1984年』の本質

中垣:ほんでちょけ役って言っても、器用にちょけるやつじゃなくて…

松田:「これはさすがにあかんやろ」くらいのことをするやつじゃないとね。

中垣:そうそう。「あいつ次のボーナスゼロやろ…」ってくらいのやつじゃないとあかんねん。ちょけながらも仕事は仕事でちゃんとやってる、とかじゃあかんねんな。仕事はせんとちょけてるだけっていうのが大事やねん。

みなと:うんうん。

松田:ほんまにあかんやつくらいのやつで、その上で、よく分からんけどそれがぼちぼち評価されてるっていうのも大事やと思うな。

トリックスター (英: trickster) とは、神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を展開する者である。往々にしていたずら好きとして描かれる。善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、異なる二面性を持つのが特徴である。

Source: Wikipedia

トリックスター – Wikipedia

 あるとき、大作さん (高知県の民話のトリックスター)が、山で仏法僧の鳴くのが聞こえると言いふらした。殿さまが仏法僧の声を聞きたいというので、山まで立派な道をつくり、やって来たが、ククククという声ばかりで仏法僧の声がしない。大作を呼び出して尋ねると、仏法僧がククククと鳴いていると言った。そこで、それは山鳩ではないかとえらく叱られたが、おかげで立派な山道ができたということである。
 この話はトリックスターの特性をなかなかよく描き出している。殿さまをだます策略のうまさ、 計画をすぐに実行する行動力、そして仏法僧がククククと鳴くと思っていたととぼけてみせる変 化の自在性などによくそれが表わされている。下手をすれば打首にでもなりそうな危険を犯して、最後は山道の建設ということをもたらす創造性も、そのもっとも高い機能としてあげておかねばならない。大作の力によって、町と山とを結ぶ道ができるのは、ひいては殿様と民衆とを結びつけることにもなろうし、中心部と周辺部を結びつける役割を担っているともいうことができる。
 トリックスターはこのように、策略にとみ、変幻自在であり、破壊と建設の両面を有している。(中略)その存在は現存する組織をおびやかすものではあるが、それは常に新しい思いがけない結合を呼びおこし、既存の組織のもつ単層性に対して、多くの可能性を示唆し、その重層性を明らかにする。ある体制が、どの程度にトリックスターの存在を許容しうるかによって、それがどの程度に自ら改革し、進歩してゆけるかを測ることができる、とも言うことができる。

Source: 河合隼雄(2017)『無意識の構造』中央公論新社

河合隼雄(2017)『無意識の構造』中央公論新社

みなと:それで言うとうちの会社には、ちょけてるとかじゃなくてただただだめなやつで、誰から好かれるでもなくあまり触れられない感じのやつがいるけど、きっとそれじゃあだめなんだよね。

松田:うん、要は一人の中でレーダーチャートを完結させようとしたらあかんって話やと思うねん。何かに飛び抜けてる代わりに何かに欠けていて、でもそれが部署の全員でとんとんになってたらそれでいいみたいな、そういうスタンスが大事やんね。

レーダーチャート – Wikipedia

中垣:だからさ、やっぱ上がちょけるのが大事やなと思うわ

松田:じゃあ管理職用のちょけ研修プログラムを commmon で作ろうか。

みなと:笑

中垣:前に会社で、各部署の役員が会議室で喋ってるのを全社にライブ配信するみたいなことがあってんけど、役員のおじさん同士は仲が良いから、話し方もそんな感じやねんな。「それはちげえよ笑」「いつも言ってんじゃん笑」みたいなノリというか。

松田:あー、なるほどね。

中垣:ああいうのを見るのはやっぱりいいよね。

2021年3月14日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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タロットカード 愚者
HeaderImage: Learn Religions

タロットカードのうちの一枚、愚者のカード。正位置においては無邪気・可能性・自由・天才などの意味を持ち、逆位置においては軽率・落ちこぼれ・無謀などの意味を持つ。
善と悪・賢者と愚者など、異なる二面性を持つトリックスターの一例である。

The Major Arcana of the Tarot – Learn Religions