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シェーヌダンクル、実はMMがお得っていう…

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松田:アテリエで買ったこれ、硫化液の微妙なさじ加減でそれぞれちゃう色味に変えたって話したやん?

Antony Paris
Image: eva_ledressingdeva/Instagram

Le Dressing d Eva – Instagram

Antony Paris – gallery atelier

中垣:うん。

松田:それをさらに一歩攻めてんけど…

中垣:うわ、すご。

松田:まず硫化してたのを全部落としてピカピカにして、それに24Kメッキをしてん。ちなみに24Kメッキやけど、そのサイズなら即日仕上がりで440円っていう。

中垣:そんな安いん?

松田:メッキの膜ってめちゃめちゃ薄いからね。

次郎:へー。

中垣:じゃあその代わりすぐなくなるんや。

松田:そうそう。ほんでキンキラキンになったのをまた磨いて、出っ張ってる部分のメッキは全部落としてん。そしたら凹んでる部分にだけメッキが残って、その状態でもう一回硫化させてんな

中垣:笑

Antony Paris
Image: commmon

松田:だからね、こういう細かい隙間にだけ金が入ってるふうになったっていう。

中垣:でもそれちょっといいね。

松田:奥行きがある見た目になるよね。コンセプトとしては古いジュエリーにありがちな、当初のメッキが剥げて銀が露出した部分だけ硫化してるっていうそれをやりたかってん

中垣:はいはい。なんか前にさ、ビームスで買ってた複雑な感じのやつあったやん。紫かなんかの石が付いてたやつで…

松田:あー…ビルウォールレザーのクラウンリングか。

Bill Wall Leather / オールドクラウン リング with 18k gold&amethyst リミテッド – BEAMS

中垣:なんかあれに似てるというか、イチジクのタルトみたいな、複雑なご飯感というか…

見た目が全然美味しくなさそうだからこそ、さすがに中身はまともなんだろうと思わせてくれるメニュー@オーバカナル

松田:なるほどね笑 とにかくすごい綺麗に色が出たから、結構満足してる。

次郎:ふーん。

もう飽きて次の加工しました

松田:ちなみにメッキの色、グリーンメッキなる変態カラーもあるから、それにしたらほんまにスカラベの見た目に仕上がるんじゃないかとも思ってる。

中垣:てかこれ、コンセプトとして黄金虫を目指してるん?

松田:…確かに、別に目指してるってわけではないな笑 あ、あとちょっとおもろい話やねんけどさ、その日はメッキだけじゃなくて、チェーンメーカーの卸専門の店舗みたいなとこにも行ってんな。

中垣:それは前に言ってたところ?

松田:そうそう。そのメーカーの店舗が御徒町にもあるねんけど、そこは金とかプラチナのチェーンがたくさん置いてるねん。

中垣:はいはい。

松田:まあ今まではワックスコードで首に下げてたけど…どうしても心が弱いというか、やっぱり金のチェーンにしようと思って。

次郎:笑

とりあえずスペック高いの選んじゃう病、あるいはハーゲンダッツでバニラを選べない病

松田:で、候補にしてたチェーンを並べて見せてもらってたわけ。そしたらお店の人が「すみません、よろしかったらそのブレスレットを見せていただけませんか?」って。なんかシェーヌダンクルが見たいらしいねんな

中垣:ほうほう。

松田:それで渡したら、宝飾鑑定用の10倍のルーペでまじまじと見てて。どうやら彼としては、シェーヌダンクルのチェーンがどうやって作られてるかが超気になってたみたいやねん

中垣:あー、はいはい笑

Nikon 宝石鑑定用ルーペ 10X
Image: Amazon.co.jp

Nikon 宝石鑑定用ルーペ 10X

松田:そのメーカーの製品もそうやねんけど、普通のチェーンって製鎖機っていう機械でダーっと作ってるねん。

中垣:あれでしょ、インスタで出てくるやつやんね。バコンバコンってやってる…

松田:そうそう。まあそれがフィードに出てくるの、決して全員ではないねんけどね笑

次郎:おれは見たことないね笑

松田:あの機械って、丸線をセットしてそれを切って丸めて繋いでて、彼が普段扱っているチェーンもそうやって作られてるわけやん。ただもちろん、シェーヌダンクルがそうやって作られているわけではないのは明らかで、その上でどういう作りになってるのか、そこが気になってたみたいで。

中垣:うんうん。

松田:それで「やっぱこれキャストか…」とか言っててん。ただその人いわく、やっぱりキャストの精度が尋常じゃなく高いらしいねんな

中垣:そうなんや笑

松田:というのもさ、キャストで作ろうと思ったらゴム型が上下に分かれるから、どうしてもその合わせ目の部分にずれが出るとか…

次郎:あー。

松田:あとは型の中にワックスを注入するとき、端の方まで均等に行き渡らずに変なヨレみたいなのが出たりもするねん。

中垣:はいはい。

◆キャスト(鋳造)作業工程の流れ:ロストワックス精密鋳造 – 井島貴金属精錬株式会社

松田:でもそういう痕跡は一切ないし、あとはロー目って言って、ロー付けに使うロー材は母材より融点を低くするために組成が違うから、その部分だけ色が変わったりすることもあるねんけどそれも全くないし…って。

中垣:うんうん。

松田:あとは、最近これを着けているお客さんが何人かいて気になっていたけど、手に取ったのは初めてやって言っててん。だから、今流行ってるエルメスのブレスレットで、定価は大体20万円くらいやってことを話してんな。そしたら「やっぱりそれくらい取らないと商売にはならないですよね」って。

中垣:あ、なるほどね。

松田このコマをひとつずつキャストして、上がってきたものを綺麗に磨いて繋ごうと思うとめっちゃコストがかかるって

次郎:へー。

c シェーヌダンクルについて学ぼう

中垣:そういうことね。じゃあもう、まさに理想的なハイブラの姿やん。

松田:そうそう。それでおれは気付いてしまってんけど…今の話でいくと、TGMよりMMの方がいいんじゃないかっていう

中垣:え、なんで?

松田:だって作るの大変やん。

うーん、ケチ

中垣:あ、そうか笑

松田コマが小さい分、仕上げる手間も仕上げるコマの数も多いやん。最後に繋ぐ数も多くなるし。

中垣:なるほどね、確かに笑 でもさ、それならPMとかはどうなん?

松田:これはまだちょっと確信持ててないねんけど…少なくともTPMは、もしかするとPMも、あのコマはキャストじゃない気がしてるねんな。

中垣:あ、そうなんや。

松田:コマに歪さがあるねん。あのコマは丸線を手で曲げて作ってるような気がするで。

中垣:そうやって作るとどんな感じになるん?

松田:なんかね、Rの感じがコマごとにブレてる気がするねんな。あとはコマの真ん中の棒が本体と繋がるT字の部分、特にTPMとかはここのフラットさがないねん。この面一感はキャストじゃないとなかなか出ないと思う。

中垣:あー、確かにここフラットやもんな。

エルメス シェーヌダンクル スタンプ刻印
Image: commmon

松田:あとはそれこそMMがお得じゃないけど、TPMのコマを全部キャストで作ると死ぬほど手間がかかるし、精度が出せなそうやん。

中垣:なるほどな。まあでもちょっと…あれやんな、このコマがチェーン状になるために手間がかかってるのであって、それって別にどっちでもいいよね笑

松田:というと?

中垣これのコマが全部バラバラのままでいいのなら、もっと安く作れるってことやろ?

松田:そらそうやな笑

中垣:それを綺麗に繋ぐのにわざわざ手間をかけてると考えると、まあ道楽っぽいよなとは思うで。

エルメス スキッパー
Image: SOLIFESTYLE

これがちょうどいいってことで

Hermes Skipper Bracelet – SOLIFESTYLE

松田:まあ確かにね笑 なんしかその人は、ほんまにまじまじと見てたわ。

次郎:どう繋げるのかが気になる人にとっては、なんかめちゃ楽しそうではあるね。

中垣:でも3Dプリンターならね…

松田:そうやんな、繋がったままの状態で出力できるもんな

中垣:金属が出力できる3Dプリンターはあるけど、シルバーはどうなんやろう。でも密度とかがあれか…

Metal X System – Markforged

松田:まあなんて言うんやろうな、その人の目の付け方がおもしろかったというか…企業秘密を暴いてやるみたいな勢いで見てるのね。

次郎:笑

松田:で、少なくとも新品のときから製作方法をうかがわせるような特徴はなかったですよって言ったら、「そりゃね、そんなんあったら真似されちゃいますもんね」って。いや、別にエルメスの製品をそのまま真似するところなんかないやろ…とは思ったけど。

次郎:笑

松田:まあチェーンひとつ作るにしたっていろいろとシークレットはあるというか…そのメーカーの工場の人へのインタビューみたいなのを読んだこともあるねんけど、工場の機械の写真はNGって書いてたもん。なんかそういう感じやねんなって。

中垣:はいはい。そう言えばさ、うちの実家にあるねんけど、象牙かなんかで…

松田:あー、多層球?

以心伝心☺️

中垣:そうそう、なんか入れ子になってるやつ。あれって職人とかがルーターで作ってんのかな?

松田:そもそもあれめっちゃ歴史あるくない?  なんか故宮博物館とかにもあるやん。

中垣:あ、そうなんや。

故宮博物館 象牙多層球
Image: 國立故宮博物院

皇帝的玩具箱 – 國立故宮博物院

展示のフロアの名前がもうね…

松田:あれはきっと全部手作業やんな。

中垣:シルバーであれを作ろうと思ったら…ほぼ無理やんね?

松田:まあシルバーはそもそも素材が柔らかいからね、あんな綺麗な仕上がりにならない気がするけど。

中垣:あー、そうか。

松田:しかし象牙多層球ってね、なんか…中国怖いわぁとか思うよな。

次郎:笑

中垣:まじでこれどうやって作るんやろう。やば過ぎるよね。

松田:だからやっぱさ、皇帝がおる国じゃないと作れないよね。作らんかったら殺されるっていう条件で初めて発展するカルチャーでしょ

中垣:そうやんな。

次郎:笑

2021年5月2日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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