松田:
中垣:うん。
松田:
中垣:…ここにおらんってこと?
松田:いや、おるにはおるねん。
中垣:結構えぐいとこにおるってことやんな…
松田:そう。あのパツキンのギャルみたいな店員さんおるやん、彼女が連れて来た犬。
中垣:なんなんそれ笑
松田:なんか朝来て、そこに犬繋いで、そのまま店内に入って店員さんの服に着替えて出てきた。
中垣:やば。
松田:
中垣:なんか…徹底してパリやな。
松田:やってるよな。
まあパリ知らんけど
中垣:でも最近女性の店員さん増えたよね。
松田:ドトールの意向で男女のバランスを改善することになったんかもしれん。
中垣:それで
松田:カフェ業界のメッセンジャーやね。
丸の内のオフィスビルで見かけるメッセンジャーには、全く過不足のない仕事ぶりと、いかなる批判にも不可侵な自由なスタイルの、その両方を感じることができるのです。
Kenji Toma(2000)『Messengers Style』Assouline
中垣:海外資本の店やとさ、店員もそれ系のノリでやってるところってあるやん。まあここ海外資本でさえないけど。
松田:はいはい。
中垣:それこそシェイクシャックとか、アメリカ系のそれはわりとあるけど、フランスのこれはなかなかないよね。
松田:確かにね。それで言うとエルメスも、そのノリがある気はせんでもないけどな。
中垣:あ、ほんまに。あんまエルメス体験がなかったから…
松田:前に言うたやん、ベルトの穴あけを真面目にやらん話。まああれはフランス人の職人やからってのもあるとは思うけど。
中垣:あー、なんか言うてたね。
松田:
それとは別件で、刃こぼれしまくったポンチで追加の穴を開けやがった東急本店のエルメスの店員、あいつは絶対に許さん
中垣:なんか…東急ハンズの店員さんって何聞いても結構丁寧に教えてくれるやんか? それで前に行ったときにおった店員さんは、日本人のお客さんに対してはですます調やってんけど、
松田:あー、はいはい。
中垣:いやおれもそっちの方がいいねんけど?とか思って。
松田:笑
中垣:実際さ、日本語が流暢じゃない人に対してですます調で言っても仕方がないし、
松田:うんうん。
commmon の公用語タメ語にしよかな…
中垣:要は、敬語は使いませんっていうコンセンサスが取れてたらいいわけやん。
敬語は、Googleのリキャプチャやレストランでのドレスコードと同じく、その資格がある人にとっては相対的に低いコストを、それでも大概めんどくさいくらいにはかけさせることで信用を担保する、マジクソファックな仕組みです。
中垣:それって例えば
松田:いやー、確かにね。なんかこれ前に白濱さんと話してるときに言ってた、バグったライングループみたいな話に近いと思うねんな。
中垣:あー、言ってたね。
赤ちゃん、ギャル文字を使うギャル、中華フォントでたどたどしい日本語の留学生、全部ボイスメモで送ってくるやつ、一週間に一回しかライン開かんやつ、などなどからなるグループ…
松田:あとはまた別のところで話したけど、伊勢丹の階段でインバン客が座り込んでるのを見ても、日本人がそれをするのと比べると「まあね、一応あかんことにはなってるからね」くらいにしか思わへんやん。
中垣:うんうん。
松田:これはひとつの説明でしかありませんけど、異質なものが周囲をモヤモヤさせるのって、その実態がどうというよりはそれが何かが分からない、それを何物として認識するべきかが定まらないことに由来すると思うんです。
白濱:うんうん。
松田:だから例えば、日本人的には奇妙なことでも外国人がしていたらあまり違和感を持たないってあるじゃないですか。
白濱:はいはい。
松田:あれは、そもそもが foreign だから foreign なことをしていても違和感が無いという話だと思うんです。「分かんないけどあれはああいうものなのかな」というふうに、別に認識の輪郭がブレることはないわけですよ。
白濱:なるほどね。
Source: commmon
松田:ああいう、
中垣:
松田:うんうん。
中垣:もちろん十分条件ではあると思うねんで。だからみんながみんなマニュアル通りにやることで、誰も不快に思わない店なり街を生み出すことはできるとは思うねんけど、今度逆にその土台を崩しても、店なり街は別に綺麗に保たれ得ると思うのね。
松田:うん、そうやんな。
十分条件をあてて問題をなかったことにする解決方法、ほんまアホっぽくて嫌い
c 不誠実な中流根性
中垣:だからどこまでルールを壊していけるかっていうのが次のアクションやんね。起爆剤は例えば、外国人留学生とか海外から就労してる人やと思うねんけど…
松田:阿佐谷って外国人が結構多いねんけど、みんな普通に日本人的なマナーの良さがあるねんな。もっと電車の中で大声で話したりしたらいいのに。
地下鉄御堂筋線かな?
中垣:なんか前にさ、
松田:え、何それ知らん。
中垣:なんかそういうのがあってん。認知症が社会的に受容されるようになればみたいな文脈やってんけど、認知症やから注文を間違えるねん。それで
松田:え、それはむっちゃええな。
中垣:全体的に「あれ、なんだったっけ」って感じやねんけど、でも
松田:うんうん。
commmonでもね、ボラ高め人材の派遣サービスやりますね
中垣:逆にSupremeの店員はそれをやろうとして失敗してるねん。どこまでいってもメンタリティが日本人のそれやから「アメリカの店員みたいに振る舞うおれかっこいい」ってなっちゃうねん。
松田:うんうん。
中垣:必要なのは排他的なノリでは決してないからね。だからその辺のいい感じの塩梅をね…
松田:確かに笑
中垣:安いし質も悪いけど、雰囲気が良いからええねん。あれはそういうコンセンサスが取れてるからいいねん。
汚い無印用品だと思ってます、はい
中垣:あとは…全体的にフニャッとしてるけど、例えばコールセンターみたいなカスタマーサポートがきっちりしてるからクリティカルな問題は起きないみたいな、そういう形でもいいやんね。
松田:はいはい。
中垣:その辺がコストの削減に貢献して、きっちり黒字に繋がるるんであればなお美しい。
松田:うんうん。
中垣:もちろんさ、マニュアルが徹底されてることが効いている店ってあるやん。UAとかってそうやし。でも
松田:間違いない。
中垣:特にレショップなんかもう、どっちをやりたいんか分からんやん。
松田:毎回「…あ、今日はそっちのスタンスの接客なんすね」って感じあるもんな。
東京らしさで斬り合う消耗戦、ほんまもうやめにせん?
中垣:そういう…研修プログラムとかはどう? マニュアルを守らないでも失礼にはあたらないラインが分かるようになる研修。
松田:「みなさんは今までこうやってきましたけど…どこまでが本質的な部分でしょう、一度切り分けてみてください」みたいなね。
中垣:そうそう笑
松田:おれは今のバイトで勝手にそれやってるで。
中垣:笑 でもそういう感じやんな。
松田:喜平ネックレスが首元から飛び出ないかも毎回ヒヤヒヤしてる。
中垣:あと
松田:はいはい。
中垣:それでいわゆる古典的なホテルの接客ならちょっと萎えるけど…でも、そうではない線でのラグジュアリーが出せてたら素敵やんね。
ポーターとドアマンほんま嫌い
松田:いやそうやで。ここでね、ラグジュアリーという言葉の本来の意味が効いてくるねんて。
中垣:それ昔言ってたね。
松田:そう、ラグジュアリーっていうのは単にエクスペンシブなことではないねん。そうではなくて、
中垣:うんうん。
松田:
中垣:うんうん。だから、電話したら一発でハイヤーを呼んでくれるとかじゃなくて、フロントで「え、今から食事? この辺だとここが美味しいよ」みたいな、そういう感じやんね。
松田:そうそう。
中垣:「さっきの店員は全然違うこと言ってたけどな…」とかね。
松田:そうやねん。てことを考えたら…まあプエブコはさ、シンプルに安い上にその安さをインドに頼ってる点があれやけど、やっぱオーバカナルみたいな感じはええよね。そんな高いわけでもなく、っていう。
マキアートしか飲まない君は知らないでしょうけど、客単価は結構高いんですよ
中垣:なんか…例えば外国に行くってそういうところあるやん。
松田:うんうん。
中垣:それでさ、こないだ福岡かどっかのホテルでブチギレてる客の動画が炎上しててんな。「おれはここのオーナーと知り合いなんだぞ」みたいな感じで、自分の荷物を持たへんかったかなんかでキレてたのね。
松田:うーん、いかついな。
中垣:でもさ、海外でそれを言い出すやつって…まあおるかもしれへんけど、それはもうよほどやん。
松田:うんうん。
中垣:つまり場所が変わるとか値段が変わるとかがひとつのきっかけになると思うねんけど、
松田:うんうん。てか『ゲンロン戦記』でも言ってたよ、有料やからか炎上することが少ないって。これが無料やとね、最大公約数的なものを視聴者が権利として要求するから、ときに炎上してまうんやろうけど。
中垣:うんうん。
東浩紀(2020)『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』中公新書ラクレ
松田:だから…まあ数百万人も見てるわけじゃないっていうのはあるやろうけど、commmon は比較的炎上しにくいよね。
数百万人も見てるわけじゃないからですね
中垣:もちろんお金を払うことによってフィルタリングが効いてるっていうのもあるねんけど、むしろそっちより、
松田:いやほんまに。
中垣:つまりは「失礼します…」ってことやと思うし、commmonで言うと、noteとかTwitterでやってないっていうのがそれにあたると思うねん。わざわざサイトにアクセスするっていうのは靴を脱いで上がるってことやし、その上でわざわざ文句を言うのは普通に頭おかしい。
松田:しかも
中垣:記者会見なんて完全にそれでさ…で、中居くんのジャニーズ退所の記者会見がほんまにすごかってん。
松田:はいはい。
中垣:完全に中居ワールドをやっててん。ほんますごかった。記者会見っていう一般性の高い場にいらした皆様じゃなくて、お前らが中居の記者会見に来たんだよねって感じになっててん。
松田:なるほどね。
中垣:あとはヤクザの取材とかもね、事務所に呼びつけて「ほな始めよか」みたいな感じやん。
松田:笑
中垣:そういう感じが必要やと思うねんな。
2021年10月24日
Aux Bacchanales 紀尾井町
1999年にシアトルで設立され、ポートランドなど主に米国でホテルを運営するホテルチェーン、エースホテル。写真のエースホテル京都は、日本への初出店として2020年に烏丸御池の新風館に開業した。
クリエイティブクラスに訴求する洗練されたコンセプトは、五つ星ホテルが上位互換としてチラつくせいで居心地の悪い思いをしてきた数万円までのシティホテルに取って代わる、いかにも21世紀的なオルタナティブである。
エースホテル京都がついにプレオープン!気になるレストラン情報も公開 – The Fashion Post