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みんなに食べてほしいチョコレート2022

8 months

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2月14日は遠く過ぎにけり。来年は2月の頭くらいまでには公開します。

松田:去年の今頃にチョコレートの話したやん?

中垣岩の味するやつやろ、おれあれ買ったよ。

松田:カカオの出自を丸ごと食ってるって感じ。前に食事の話をしたときに中垣が言ってた、落合陽一は鮎を通して大地の複雑性を食ってるって話、あれの意味が分かったよ。ほんまにそういう気持ちになる。

みなと:笑

松田:というか、そういうスタンスじゃないと肯定できないよ。確かに稀有な体験ではあるよ。味覚を通して眼前にサバナが広がる非常にスペクタクルな体験なんだけど、“““ゴディバのチョコレート”””みたいな価値観からすると、ただただ不味いだけやで。

みなと:そうだよね笑

松田:でもね、それでもぜひ試してほしい。というか可能であれば、今日ここに買って来ようと思ってたくらいやもん。おれが買って来てでもぜひ試してほしいくらい、ちょっとすごかった。

Source: commmon

c みんなに食べてほしいチョコレート

松田:買ったんや、やっぱ美味しかったやろ?

中垣美味しかった…というか、言ってた通り岩の味がしたよ。ただね、みなとと松田ほどは感じ取れていないと思う。

Beatsみたいな舌してます

松田:あー…そっか。でもそんな中垣におすすめのチョコレートあるよ。今年もデパートの催事行ってきたもん。

中垣:はいはい。

三越伊勢丹のバレンタイン 2022

松田:この時期はどこのデパートもチョコレートの催事をやってて、普段なら全国に一店舗しかないようなブランドもたくさん出店してんの。今年も二万円分くらい買ったわ。

中垣:やば。

松田:でも実際楽しいから行ってみるといいで。まず何がいいかって…ショコラティエって全員死ぬほどナルシストやと思うねん

中垣:あー…言っちゃってんねや。

松田:そうそう、なんかみんな世界観あるねん。一番すごかったやつは自分のブランドのパンフレットの表紙で、「ベルギーチョコレートじゃない。マレーン・クーチャンスだ。」って言うてもうてたからね。

太郎:笑

マレーン・クーチャンス
Image: Marijin Coertjens

Marijin Coertjens

松田:もうやってんなって感じやろ。しかも別に彼に限らず、ポートレート写真はみんなきめちゃってんのよ。でもこれが悪くなくて、言うたらホストクラブみたいな感じやねんな。

太郎:笑

中垣:そうやんね。

松田:みんなが「おれが一番だ」って思ってて、まあ嫌いじゃない。むしろそういう感じやから選びやすくて、キラキラした気持ちで素敵やと思ったやつ買えばええねん。どうせ食わな味分からんし。

中垣:うんうん。

言いましたけど、場数踏んだら見た目と説明書きで美味しいチョコかそうじゃないか、おおよそ検討つくようになるよ。

松田:今はコロナで試食もないし、なおのことね。ほんで去年はナカムラチョコレートとカカオサンパカを紹介したけど、今年はまた2つ紹介したい。

ナカムラチョコレート
Image: Nakamura Chocolate

Nakamura Chocolate

カカオサンパカ カカオの旅
Image: CACAO SAMPAKA

カカオの旅9ヶ国コレクション – CACAO SAMPAKA

中垣:うん。

松田:まずひとつ目、これが中垣におすすめしたいやつやねんけど、ミッシェル・ブランってとこのボタニカル系のやつ。食う香水って感じやねん。

中垣:はいはい。

松田:ほんでその前に、おれが「これはテクいな」と思うチョコレートって、なんとかをベースになんとかと合わせました系の「それとそれを組み合わせるんか…てかどっちもあんま知らん食材やん」みたいな、複層的でワールド展開してるようなやつやねんな

中垣:このカカオ豆とあのカカオ豆を、みたいな?

松田:あー…いや、むしろなんとかのシロップとなんとかのスパイスを、みたいな感じかな。

中垣:あー、なるほどね。

松田:やねんけど、ミッシェルブランのチョコレートはストレートやねん。これはすみれのチョコレートです、これはネロリです、みたいな。

中垣:はいはい。

下のリンクにある中やと、メリッサ・ネロリー・ラベンダー・ローザ・チコリあたりがええね

Chocola – Michel Belin

松田:これが香水で言うところの…おれが前に使ってたエルメスの赤いやつあったやん? ああいう感じやねん。

中垣:瓶がいい感じのやつやんね。

エルメス オーデコロン
Image: Hermès

《オー ドゥ ルバーブ エカルラット》 オーデコロン – Hermès

松田:そうそう。あれはルバーブの香りのコロンやってんけど、どちらかと言うと「トップが〜ミドルが〜ラストが〜」って感じじゃないやん。かなり分かりやすくルバーブで、でもそれが多面的に表現されているというか

中垣:はいはい。

松田:ミッシェルブランのチョコレートもそんな感じで、すみれならすみれを、あくまで一様にではなく表現してるねん。

中垣:いろんな香りがするんや。

松田:うん…まあせやな。単色ではない、ライブ感のある華やかな味わいって感じ。特にボタニカル系のやつはそんな感じで、そういう意味では分かりやすいとは思う。どこまで複雑でもソースはひとつやから。

中垣:あー、うんうん。

松田:その辺がエルメスのコロンとちょっと似てるかな。あとは粒が小さくて見た目がシンプルなんもええよ。

ミッシェルブラン フロリレージュ
Image: Michel Belin

フロリレージュ – Michel Belin

中垣:あー、確かにね。ちょっと買ってみよ。ミッシェルブランの何シリーズとかあんの?

松田:いや、特にないと思う。チョコの中から草とか花系のを選べばええんちゃうかな

中垣:ただおれね、そもそもチョコレートがそんなに…別にキットカットでもなんでもいいねんけど、あれを食べて美味しいと感じる味覚をあんま持ってなくて。

松田:あ、そうなん笑

中垣:食べても別に幸せじゃないねん。むしろ好きなのはナッツとかオレンジピールとか、ああいうのが入ったピュピュッとしたようなやつなんよね。その線でなんかいいのないすか?

松田:その線は…ちょっと分からん。

中垣:まあちょっと邪道なんやろうなとは思うねん。

松田:チョコに塗れたオレンジピールみたいなの、結構いろんなところが出してるよ。だからまあ…

中垣ちょっとEDM路線なんや

松田:うん、そういうこと。

中垣:なるほどね。

アボカドと一緒

松田:まあミッシェルブランはそんな感じで…ほんでもうひとつ、これは全然美味しくなかったからディスり倒すねんけど、ペニンシュラはあかんね

太郎:へー。

中垣:好みとかじゃなくて?

松田:うん、もう全然だめ。まずもって…そら箱は立派やったよ、一番立派やったと思う。でも仕上げが雑過ぎるのよ。

中垣:バリが多いみたいなそういう話?

松田:そう。例えば光沢のある仕上げにしたいところで、光沢が固まらないうちに何かが触れてテクスチャが乱れてるとか。

中垣:あ、そういうレベル? もう意図してることができてない感じなんや

松田:そうそう。それに加えてチョコ自体にクラックが入ってたりもしてる

中垣:もうあかんやん。

ペニンシュラ チョコレート
Image: ザ・ペニンシュラ東京

バレンタイン&ホワイトデー限定チョコレート – ザ・ペニンシュラ東京

松田:あかんのよ。しかも食べても全然美味しくなくて、例えば「キャラメルとお酒が入ってる〜」って説明に書いてるようなチョコやと、まじでそれだけやねん。

中垣:キャラメルとお酒の味がするんや笑

松田:チョコの説明ってさ、渾身の一粒の解説を限られた文字数でせなあかんから、うんうん考えた結果どうしても詩的になっちゃって、「おいおいほんまに見せてくれんのか」って思って食ったらそれを大きく上回ってきて「…言葉が追いつかねぇ」みたいなというか…おれにとって楽しく美味しいチョコレートっていうのはそういうもんやねん。

中垣:うんうん。

松田:でもペニンシュラはあかんね、食って初めて分かる何かがないもん。30粒入って3,000円のモロゾフみたいな、そういう世界観でならまあ美味しいと言ってもよかったけど。

中垣:ピースごとに楽しむものとしては全然あかんって感じなんや。

松田:ほんま全然あかんかった。まあそもそもペニンシュラは名前だけで、生産はどこぞのメーカーにOEMみたいなやつやったから…

中垣:バーバリーってことやね。

松田:そうそう笑 だからやむを得ない部分はあるんかもしれんけど、にしても全然美味しくなかったな。

中垣:てか食う香水で思い出してんけど、生のバジルって食ったことある?

松田:生のバジル…いや、あると思うで。

レタスとキャベツ以上の解像度、サラダに持ってません

中垣:普通にどっかで食ったことはあると思うけど、もっぺんスーパーで買って食ってみてほしい。まじで食う香水やから。

松田:あーいや、食ったことあるわ。大学生になって二週間だけ自炊してたけどそのときに買ったわ。ポテトサラダに乗せてん、ほんだらちょっと添えただけのつもりやったのに、主役張ってきよったの覚えてる。

太郎:笑

中垣:主役張ってくるよな、あれはまじで食べる香水。

松田:あとあれや、去年チョコの話したとき、Big-Eさんが京都のドゥーブルセットがええて連絡くれたやん。

中垣:あー、言うてはったね。

ドゥーブルセット 京都
Image: Chocolatier Double Sept

ショコラティエ ドゥーブルセット

松田:あれから何回か食べたから、それについても言葉にしときたかってん。

中垣:うんうん。

松田:まあここも例に漏れずというか、ナルシストというのではないにしても、「うちのチョコレート、美味しいでしょ?」「しかも安い、サイズも大きい」「僕は自分のが一番やと思って作ってますけどね」みたいな、調子のええことずっと喋ってるような人がやっとって。

中垣:はいはい。

松田:ほんでBig-Eさんはスパイスのチョコレートが美味しいて言うてはったからひとしきり食べて、確かにいろんなスパイスがあって美味しいねん。それこそガラムマサラとか…

まじでほぼ全部いただきました

中垣:あー、結構そういう感じなんや。

松田:そうそう。あとは紅茶を葉っぱのまんま入れたやつとかね

中垣:うんうん。

松田:ただその辺は確かに美味しいねんけど、おれがチョコレートに期待している味覚のフロンティア開拓してくれる感じというよりかは、六角形のレーダーチャートを想定してたところに七角形で乗り込んできて、しかも七角目が飛び出てるみたいな味やったから…

中垣:なるほどなるほど。

松田:まあちょっとやりにくさというか、おれが今までやってたのとはまた別の競技やなという感じはあった。ただね、その中でもライムのチョコレートがめちゃめちゃ美味しかってん

中垣:ライムか…あんま合わなそうやけどね。

松田:いや、ライム自体はチョコレートのフレーバーとしてはむしろよくある。ただその中でも特にドラマティックな風味やった気がするねん。

中垣:はいはい。

松田:まず食べた瞬間にスプラッシュ感のある酸味が広がるわけね。ほんで直後にその酸味が、口の中で溶けたチョコレートの甘みとベターっとした食感と合わさって、ヨーグルトを食べているときみたいな感じになるねん

中垣:いや、そうなるよね。それっていいことなん?

(王将の餃子より美味しいん?)

松田:うん、おれには結構おもしろかったよ。最初のスプラッシュ感からの振れ幅が大きいし、言うても美味しいヨーグルトを食べたときみたいな感じやから、別に「あー、こういう混ざり方しちゃったか」みたいなそれではなくて、むしろそれが楽しかったかな。まあおれがヨーグルト好きって話はあるけど。

中垣:あー、そうなんや。

松田ほんでその風味がスーッと引いた後に、わずかな苦味を感じさせながらライムがかすんでいく感じ。あのドラマティックさはすごい好きやった。メールで教えてもらったその日に通販で買って、その後京都に行ったときは買ってホテルで食べて、美味しかったから次の日もまた買いに行ったもん。

中垣:はいはい。

松田:そんなとこかな…でも困ったな。バレンタインに合わせてcommmonにチョコレートでも買って行こうかと思っててんけど、カカオサンパカは中垣も食うたんやね。

中垣:そう、もう食べちゃったね。しかも思ったより高くてびっくりしたね。めっちゃ高かった。

松田:笑

中垣:余裕で買うぜくらいの気持ちで行ったけど「あっ…はい、買います」ってなったもんね。

2022年2月6日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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アルノーラエール
HeaderImage: ARNAUD LARHER

ブルターニュ出身のシェフ、アルノー・ラエールが25歳で開業したパティスリー。東京の広尾に1店舗を展開している。
本文では紹介し損ねましたが、今回食べたチョコレートの中ではここも美味しかったです。フレッシュなフレーバーがためらいなく鮮やかに突っ込んでくる感じ、チョコレート界のギャルと言っていいでしょう。

ARNAUD LARHER