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社会主義を感じよう、チェコスロバキアのマグカップ

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松田持ち手のこのポッチはよくある意匠なん?

なつき:いや、それはあんまないと思う。

松田:そうなんや。でもこれ結構ええよな、マグカップって中身入ってたら斜めに回転してく感じあるやん。持ち手がクルッと滑っちゃうというか。

なつき:あー、分かる。そうだよね。

松田:あとこれさ、口のところがラッパみたいに広がってるから、中身入れて運ぶときにこぼれやすい気がするねんな。

なつき:なるほど…まあでもどうなんだろうね。内側に模様が入ってるから、その下くらいまで入れるのがちょうどいいんじゃないのかな?

松田:…そういうことか、てか絶対そうやん。

インスタントのポタージュスープ、2袋一単位で飲みます

なつき:笑

松田:そもそも青の単色っていうのはチェコマグのあるあるなん?

なつき:それはそうだね。元がそういうものというか…いわゆるブルーオニオンっていうジャンルなんだよね

松田:こいつがオニオン?

なつき:そうそう、有名どころだとマイセンとかも作ってるモチーフだね。まあ日本でもそういうのってあると思うんだけど、クリスマスとかお祝い事でしか使わないような飾り皿を持つっていうのがちょっとしたステータスじゃないけど…まあ豊かな生活の証明になるみたいな? そういうのってあるじゃん。

松田:あ、じゃあこれもそういうやつなん?

なつき:おそらくそうなんじゃないかな。

ブルーオニオン
Image: Wikipedia

1739年にマイセンの J.D.クレッチマーが下絵付用の青色の着色材を発明し、中国のザクロ文様をデザインした絵付けを発表したことに始まる。この時代ザクロはスペインを除くヨーロッパではまだ知名度が低かったため、ザクロを知らないドイツの人々により、ザクロの絵柄を青いたまねぎと間違えたことからその呼び名がついたと伝えられている。

Source: Wikipedia

ブルーオニオン – Wikipedia

松田:じゃあ日々これで紅茶を飲んだら、エブリデイがホリデイってことか。ええやん。

なつき:まあそうなのかな笑

安易に同意するな、どう考えてもちゃうやろ

松田:ほんで…これはチェコスロバキアで作られたっていうことなんやんね。

なつき:そうそう。チェコにブルーオニオンで有名なカールスバードっていうブランドがあるんだけど、このマグはそこのものだね。マイセンとフッチェンロイターと合わせて、3大ブルーオニオンなんて呼ばれてたりするね。

松田:なるほどね。

なつき:マイセンとフッチェンロイターはドイツで、カールスバードはチェコなんだけど、3つとも国境を隔ててわりと近いエリアに本拠地があって、そのあたりは白磁の材料が採れるエリアで窯業が発展したみたい。

松田:このDマークがメーカーを表していて、ソ連時代にはその工場が国営化されてたってこと? まあなんしか旧ソ連製なんやんね、これは

なつき:うーん…というかチェコスロバキアはソ連ではなく、社会主義陣営としてソ連と関係が深かったって感じだと思うけど、まあ社会主義時代の製品ではある。今の国名はチェコだから、チェコスロバキアって書いてあると当時の物だって分かるよね。

松田:あー、なるほどね。

NoritakeのOCCUPIED JAPANと同じバイブスを感じような。松田はちゃんと勉強してください

noritake occupied japan – eBay

なつき:ちなみに このDマークは現行のカールスバードの陶器にも刻印されてて、このブランドをやってるチェスキー・ポルツェラン社のドゥビー工場のDだってどっかで読んだ 。だからたぶん、このマグのDもドゥビーのことなんじゃないかな?

松田:はいはい。ほんで…こっちは? 

なつき:これも同じところのやつ。

松田:ほんまや同じマークやん、なんか55って書いてるけど。これはブルーオニオンではないん? この工場が作ってるこういうデザイン?

なつき:うん。これはブルーオニオンではなくて…前に年代を調べてみたら、1950年代のとからしい。

年代はもう気分でやろうな。実は1970年代でしたとかでも返品は受け付けん

松田:はいはい。

なつき:確かこれはチェコのブルノって街のアンティークショップで見つけたやつだね。ブルノはチェコ第二の都市なんだけど、大学が多くて学園都市って感じかな。ちなみにさっきのブルーオニオンは、オロモウツって街で見つけたやつ。

松田:はいはい。

なつき:オロモウツはチェコの中では大きい街だけど、気持ちとして茨城に行く感じかな

松田:そもそもなつきはチェコで何してたん?

なつき:高校のときにチェコに留学してて、大学に入ってからも毎年行ったりしてたのね。これを買ったときはホストシスターの結婚式でチェコに行ったんだけど、もう観光地は行き尽くしてたから、アンティークショップ巡りをしておもしろいもの見つけるのをライフワークにしてた。

松田:なるほどね。

なつき:そうやって持ち帰ってきたものを、バイト先のスペースを借りて売って、旅費に充てたりして。ちなみに新品の食器の輸入は食品衛生法とかでいろんな検査をしてその証明がいるらしいんだけど、中古の食器は観賞用として輸入すれば証明なしで大丈夫なんだって

その手のライフハック実践し過ぎ

松田:そのキットにはどういう注意書きがあるんやったっけ?

なつき:「本マニュアルを5倍に希釈して使ってください。日本国内では1%以上のアルコールの醸造は禁止されています」みたいな感じなんだけどね。

松田:じゃあ希釈せんかったら5%のビールができあがるわけやね。

なつき:ただ何を5倍に希釈するのかは書いていないんだよね。

中垣:やばいなぁ笑

松田:令和東京のアル・カポネやね。

Source: commmon

c 自家醸造・脱アルコールビール・sober qurious

松田:あれやろ、ケロリンでお酒飲む店がTikTokで話題やけど、実はあれあかんみたいな話と一緒やろ。

ケロリン桶は食品衛生法上の食器ではないため、各種規格適合、溶出試験を行っておらず、 食器として利用する際の安全性が担保できません。
(食品衛生法第15、16条より)

利用されている店舗様、企業様におかれましては、速やかに食品衛生法上の食器に差し替えていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

Source: 富山めぐみ製薬

弊社「ケロリン」桶の不適切な利用に対する注意喚起 – 富山めぐみ製薬

なつき:まあそれはさておきチェコでアンティークショップ巡りをするんなら、「antique shop」って検索するのに加えて、「antikvariát」「bazar」「zlevněnka」をグーグルマップで探すといいよ。antikvariát は古本がメインだけど、食器とかアクセサリーを置いてたりもする。bazar と zlevněnka はリサイクルショップって感じのローカル向けのお店で、ハードオフとかオフハウス的な品揃えかな。

松田:笑

みんな大好きオフハウス

なつき:それで確かこの形が…言ったらTシャツのボディみたいな感じで、この会社は同じ形をずっと作ってるんだよね

松田:はいはい。

なつき:で、この形はどうやら今でもあるらしい。これと同じ形で、違う絵柄で作ってるっぽいね。

松田:なるほどね。

なつき:前に送ったLEOってあったじゃん? チェコ語でライオンって意味なんだけど、これはそういう名前らしいよ。モデル名とか品番みたいなのが書かれた当時の紙もついてる。

松田:あ、この形に名前がついてんのか。でもまあ…確かにこの波の部分がね、ポン・デ・ライオンに見えてくる気もしなくはないか。

なつき:笑 でもそう、その部分がたてがみなんじゃないかなとは思ってる。

松田:あとすごい疑問やねんけどさ、これコーヒー飲むにはちょっと大き過ぎひん?

なつき:あー、そうなんだよね。だからそれ、コーヒーのためというよりは紅茶のためのものなんじゃないかなと思ってて。

松田:なるほどね。まあ紅茶にしてもちょっと大きい気はするっけど…まあスープとか入れたらちょうど良さそう。

なつき:でもね、これと同じ柄のポットは存在するんだよ。だからやっぱり紅茶なのかなって

松田:なるほどね。

なつき:あとは形に関してだと、どっちも口が広がっていくにつれて段々薄くなってるんだよね。その辺の作りも結構しっかりしているなとは思ってる。

松田:確かに。

なつきいかにも今っぽい大量生産の品と比べると、それなりに味わいがあるのかなって

松田:そうやんね。バックグラウンドの特殊さとかデザインとか…あとは高過ぎないっていうのも含め、ちょうどいい感じはすごくあるね。

なつき:LEOの方に関しては同じ形で違う柄のやつがかなりたくさんあるから、集める楽しさもあるしね。

松田:てかこれ、それぞれペアでなんぼで売る?

なつき:あー…いくらがいいかな。ペアで3,000円?

松田:それは安いよ。その値段で売るなら、commmon のオンラインに並ぶ前におれが全部買って持って帰っちゃうよ。

なつき:笑

2021年11月19日
commmonの部屋


チェコ ブルーオニオン
HeaderImage: commmon

チェスキー・ポルツェラン社のドゥビー工場で生産されたカールスバードのブルーオニオン。社会主義体制時代のもので、底面には当時の国名であるチェコスロバキアがプリントされています。