中垣:なんかさ、
松田:はいはい。
中垣:今からの話は勝手な自問自答やねんけど…
松田:あー。
中垣:まあなんでもいいねんけどさ、例えばおれは昔は人前で大声を出すっていうのをしてたけど、今はもうやめた。
松田:うんうん。
中垣:でもそう言うと、例えばうちの彼女はそういうふうに言うことが多いねんけど、
松田:うんうん。
中垣:でもそれは違うと。意味が無いことをやるのも楽しいのであれば、それはその限りにおいては意味があるんだと。
松田:そうやんな。
中垣:つまり、おれは
松田:うんうん。
中垣:それに、意味が無いって結構きつい言葉やし、
松田:はいはい。今の話を聞いて思ったのは、まずごく個人的な判断を一般化して「意味が無い」って言っちゃうことに既に危うさがあるし、さらに言えば、個人的で複雑なコンテクスト込みのあくまで便宜的な言語化として「意味が無い」と言うような、
一文が長過ぎる
中垣:そうそう。
松田:だからこそ「意味が無いことも楽しい」みたいなチグハグな話になっちゃうよね。
中垣:しかもさらに言うと、
松田:うんうん。すごくこう、
中垣:そうね、そうやね。なんか、誰かめっちゃ賢い人が、そういう危なっかしいフレーズ集を作ってくれへんもんかな。
松田:そうやんな。
自分で作ろうと思わんあたりですよね
松田:まあね、おれらでもできる気はするけどな。
中垣:それこそ
ほんしつ‐てき【本質的】
物事の本質にかかわるさま。性質や様子がそのものに本来備わっていること。「―な問題」
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
「イスラムを本質的に述べてはいけません」と言っていた大学の先生、あなたには「本質的」という言葉の使い方を学びました
松田:そうやんな。そう言えばおれ、最近むっちゃ広辞苑引くようにしてるで。
中垣:あー。
松田:バイブスで使いがちな述語があれば全部引くようにしてるな。その表現に本当に過不足がないのか確認したいときとか。
中垣:はいはい。なんか前にさ、
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松田:
free‧dom /ˈfriːdəm/ ●●● S3 W2 noun
1 [countable, uncountable] the right to do what you want without being controlled or restricted by anyone
Source: LONGMAN
lib‧er‧ty /ˈlɪbəti $ -ər-/ ●●○ noun (plural liberties)
1 FREEDOM [uncountable] the freedom and the right to do whatever you want without asking permission or being afraid of authority
Source: LONGMAN
中垣:あー…なんかハンナ・アーレントの解説書でも同じようなことが書いててんな。
仲正昌樹(2009)『今こそアーレントを読み直す』講談社現代新書
松田:はいはい。
中垣:で、ハンナ・アーレントとしては、アメリカ民主主義的なlibertyの自由をよりよいものとしてるって。
松田:へー。まあ言われてみればそうっぽくはあるな。
中垣:
松田:ほー。でもなんか、libertytとfreedomの違いについては高校のときに英語の中西先生も言ってた気がするわ。
中垣:あ、そうなんや。さすがにえらいな。
松田:あとは何やろう、違いはどこでしょう系で言うと…
中垣:はいはい。
松田:
prob‧a‧bil‧i‧ty /ˌprɒbəˈbɪləti $ ˌprɑː-/ ●●○ noun
1 [countable, uncountable] how likely something is, sometimes calculated in a mathematical way SYN likelihood, chance
Source: LONGMAN
程度が主題
pos‧si‧bil‧i‧ty /ˌpɒsəˈbɪləti $ ˌpɑː-/ ●●● S2 W2 noun (plural possibilities)
1 [countable, uncountable] if there is a possibility that something is true or that something will happen, it might be true or it might happen
Source: LONGMAN
つまりmay
中垣:あー…
松田:蓋然性っていうと客観的で、事象の確からしさって感じやけど、可能性っていうと客観性の低い見込みというか、ぽんっと浮いて出てくる感じがあるよな。
辞書の編纂者って偉いなと思いました
中垣:うんうん。
がいぜん‐せい【蓋然性】
(probability)
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
①ある事が実際に起こるか否かの確実さの度合。
②確率。
高い/低い
かのう‐せい【可能性】
(possibility)
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
①できる見込み。
②〔哲〕
㋐論理的に矛盾が含まれていないという意味で、考えうること、ありうること。
㋑あることが実現される条件がそれを妨げる条件よりも優勢であると確認されていること。
有る/無い
松田:蓋然性は事態の盤石性が主題になっているというか…
中垣:あー、うんうん。それこそ人生における蓋然性と人生における可能性っていうと、全然違うよね。
c 人生の蓋然性
松田:そうそう。可能性やと、何が起こるか分からん中で
中垣:そうやね。起こる何かというよりも、起こること自体というか…まあ確からしさって感じやね。
松田:ていうか人生の可能性ってやばいな笑
中垣:ね笑
全てのことが起こり得る状況において可能性を論じることは矛盾しています。
松田:あとは最近やと何を引いたやろう…
中垣:あー…なんとなく使い分けはするけど、説明しろと言われると難しいな。
にん‐ち【認知】
①事象について知ること、ないし知識をもつこと。広義には知覚を含めるが、狭義には感性に頼らずに推理・思考などに基づいて事象の高次の性質を知る過程。
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
②〔法〕嫡出でない子と父または母との間に法律上の親子関係を成立させること。普通は父が戸籍上の届出をして認知するが、子の訴えにより裁判所が判決で認知することもある。なお、母との間では出生の事実により当然に法律上の親子関係が成立する。
にん‐しき【認識】
①〔哲〕(cognition イギリス・Erkenntnis ドイツ)人間が物事を知る働きおよびその内容。知識とほぼ同じ意味。知識が主として知りえた成果を指すのに対して、認識は知る作用および成果の両者を指すことが多い。
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
②物事を見定め、その意味を理解すること。「時局を―する」「―が足りない」
松田:たぶんやねんけど、認識の方が手前の段階やと思うねんな。
中垣:なるほどね。
松田:
認識行動療法って全然効果無さそう
中垣:そういうことね。
中垣:これはまだ簡単やけど、
松田:確かに、その辺もなあなあで乗り切っちゃいがちやな。
し‐や【視野】
①眼を動かさずに知覚できる周辺視の範囲。正確に測るには視野計を用い、視線と視野周辺のなす角度で視野の大きさを表す。「―に入らぬ」
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
②顕微鏡・望遠鏡などの接眼鏡で見得る範囲。
③思慮や知識の及ぶ範囲。「―の広い人物」
し‐ざ【視座】
物事を見る立場。視点。
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
し‐てん【視点】
①視線の注がれるところ。また、ものを見る立場。観点。「―が定まらない」「―を変えて論ずる」
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
②消点に同じ。
中垣:視座って英語でなんて言うん? 視野はperspectiveやん。
松田:view pointやろ、そのままやん。視点は?
中垣:フォーカス。
松田:笑
point of view
松田:
中垣:そうやんな、だから議論が平行線になるんやんな。
松田:なんか、視座とか言っちゃうとその瞬間コミュニケーションの可能性が死にそうやんな笑
中垣:そうね、
松田:そうそう。
中垣:あと、いつも思想書とかでバカうけしてるのが
しゃ‐てい【射程】
①銃砲口や発射地点から弾着点までの水平距離。弾丸やミサイルの届きうる最大距離。
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
②力の及ぶ範囲。
松田:あー、はいはい。確かに。
中垣:解説書とかによく出てくるねん。便利っちゃ便利やねんけどさ…
松田:あー、そうや。おれ
中垣:笑
松田:ほんまによく言っててん。指摘される前から自分でも分かってたくらい言ってた。でもそれもね、まあ確かにというか。
中垣:内輪ならいいけどね。
松田:そうそう。「意味が無い」もそうやけど、
中垣:そうやね。ホリエモンはその辺が雑いねん。意味無いとかすぐ言っちゃうから。
松田:あー、そうなんや。
中垣:逆に銀髪先生はその辺うまいよな。
宮田先生、な
松田:なるほどなるほど。
2020年8月21日
Aux Bacchanales 紀尾井町