太郎:なまじ勉強をしちゃうと、
松田:そう、そうやねんな。
太郎:藤原帰一っていたじゃん? 東大教授で国際政治学者の。
みなと:うん。
太郎:なんか彼も授業では、「リアリズム」とか「外交」とか、まあなんでもいいんだけれど、
松田:うーん。
太郎:なんかあれよな、そのジャンルを深く知っている人ほど説明がまどろっこしくなって、結局何も伝わらないっていう…
松田:「言葉の意味とは笑笑」って感じやね。
c 言葉の意味
みなと:笑
太郎:でもこれは政治家と官僚との間でもよく起こっている現象で、所管の事項を説明すると「もうちょっと簡潔に言えないのか」ってなるんだけど、
松田:しかもいろんな人が、本当にいろいろいるっていうね。
みなと:難しいね。コンテクストが近い人と話すときにはあまり気にしないで言葉を使えるけど。
エコーチェンバーには気を付けような
太郎:
松田:うんうん。
太郎:でもいったんそうやってインプットしてからじゃないと、何も骨が組み立てられないというか。高校同期で塾講師をやってるハタも言ってたんだけど…
みなと:あー、ハタね。
太郎:今の小学校での歴史の教え方は間違ってるんじゃないかって言う有識者は多いけど、とは言え
松田:うん、それはそうやんね。
太郎:そこはジレンマだよね。
松田:でも超思うわ。それこそ、その線でもおれは鈴木大拙まじリスペクトやねんけど…つまり、言語を超えたところにあるものたる禅を説明するにあたっても、彼は割と言い切るというか、エクスキューズがあまりないのよね。
c 禅がよく分からん
太郎:あー。
松田:
太郎:はいはい。
松田:ああいう態度はすごくいいと思うねんな。その方向に何かがあることは少なくとも示せるというか…
太郎:そうだよな、最終的にはてめえでやれよだよな。
みなと:確かにな。そう思うと小学校で教えられる歴史の話もさ、その内容への批判としては妥当なのかもしれないけど、教え方の問題として捉えるとじゃあ代替案ってどうなるのかって話もあるし…でも一方で学習は自分でするものだっていう前提がないと、そういうのも難しいよね。
太郎:うん。
松田:おれあれが好きやった、
太郎:あー、はいはい。
松田:でも学習を進めるにつれ、今までは否定されていた用法がどんどん出てきて…最終的には、あらゆるシーンで用いられ得ると明らかになるっていう。
みなと:笑
松田:あの感じはすごく好きやったね。
太郎:そうねぇ。
松田:あとさっきの鈴木大拙に戻るとさ、彼は全く真逆のことを言ったりもするねん。それはまあ、AとĀの対立を超えたところにある禅の性質からして仕方のないことではあるんだけど、さっきはああ言っていたのにすぐに手のひらを返してこう言っているみたいなのそれも同じことというか、
太郎:なんか
松田:うんうん。
太郎:なんなら
松田:うん、そうやね。てか読み手に甘えてるってね、それは逆に読み手を何やと想定しているのかというか…
みなと:笑
TikTokじゃねえんだよって話です
松田:USBを挿してデータを読み込もうっていうんじゃないねんからさ。読み出す側にも積極的な姿勢は必要なのであって…
みなと:分かるわぁ。
太郎:そうだね。ただ、おれとかは結構割り切りが苦手なタイプだからさ、そういう割り切りができる人を参考にしていきたいなと思いつつ、喋り進めながらも「ここはこういう意味ではないんだけどね」みたいなことが自然に口をついて出てきてしまうところがあって。
松田:うんうん。
太郎:これはどう対処したらいいのかというか…
中垣と足して2で割ってくれ
みなと:読むにしても聞くにしても主体的な態度が必要だって話さ、
松田:うんうん。
みなと:初めて会社に入ってきた子達の頭の中に、自分から学び取ってそれらを体系化していくというイメージが全くないように感じられることがあるというか…
松田:はいはい。
みなと:それはやっぱり、大学まででの物事への取り組み方と会社でのそれが大きく違うせいだというか…会社だと、ルーティーンでやっているのはこれこれで、例外はそれはそれとして対処しましょうみたいな、
松田:うんうん。
太郎:それは例えば大学であれば「民法Iの範囲はこういう体系になっているのでインプットしてきてください。あとでアウトプットしてもらいます」みたいな、そういうのに慣れてきたのに、いざ会社では「今まであった工場がなくなるんだけど…これからどうしましょうか」みたいな、わけのわからない状況に向き合わなければいけないってことだよね。
みなと:そうそう。
松田:うんうん。
みなと:それにあたって役に立つ知恵を持っている人がいる可能性はあるから、人に聞くのは当然いいと思うんだけど、
松田:「ここまだ習ってないんですけど…」じゃないもんね。なんしかやらなあかんもんはやらなあかんもんね。
みなと:そうそう。
松田:いやー、でもそうやんな。
みなと:うんうん。
松田:一方で会社の仕事って具体中の具体から始まるわけで…まあでもね、結局大学での勉強の意味って、ひとつには物事を体系的に理解すること自体を学ぶことにあるわけやん。
太郎:うんうん。
松田:語学なんてまさにそういうところあるし。だから、会社でやっていることが大学までの環境で経験してきたことと本質的に異なっているからって、それは言い訳には足りないだろうがとも思うけど。
みなと:そうなんだよな笑
松田:まあね、働いてもないのに偉そうなこと言うてすみません。
太郎:でもおれも、大学のときから体系的に学ぶこと自体に気持ち良さを見出してたから、
松田:うん、分かるわぁ。
今は装身具用チェーンと金具に詳しい期です、なんでも聞いてください
太郎:
松田:笑
みなと:それで言うと、僕は会社に入って結構良かったなと思ってるわ。対処しなければいけない個別具体的な事象が目の前にいっぱいあるっていうのは、自分には合っていると思う。
太郎:あー…なんだろう、別に嫌いではないんだけど、やるほどに「本質的に合っていないんだな」っていうのをどこかで感じてるんだよな。
松田:へー。
みなと:僕はそれがおもしろいんだよね。平たい言葉で言うと実務が合ってるんだと思う。
松田:まあ
太郎:「えいや」ねぇ。
松田:なんか今さ、超有能なCADソフトは持ってるねんけど、5万円くらいのゴミみたいな3Dプリンターしか持ってへんみたいな状況な気がするねんなぁ…
太郎:笑
松田:
みなと:笑 解像度がそもそも違うみたいなね。
松田:そうそう。ほんまはね、CADソフトのレベルが一段上がるたびに3Dプリンターのレベルも一段上げるべきだったんだけれど、CADソフトの方だけレベルを上げ過ぎちゃったよね。
太郎:笑
松田:しかもゴミみたいな3Dプリンターでも、10回同じことをやれば1回くらいはギリギリ許容できるアウトプットができることもあるって話があって…
太郎:別に買い換えんでもいいか、っていう?
松田:うん…まあそうやな。
みなと:笑
松田:まあなんやろう、そういう意味では今くらいがちょうど幸せと思えるところも全然あるな。ただもちろん一方で、それではあかんなという課題感もあり…
太郎:それかもうね、寿命を削って落合陽一スタイルになるしかないっていう。
松田:そうやんな。彼はなんなんやろう、
2021年4月24日
Aux Bacchanales 紀尾井町
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