松田:
セレブリティとは言えあいつ呼ばわりはよくない
中垣:
松田:
倉留:解説は分かりやすいん?
松田:まあ分かりやすいよ。でもちょっと聞いたのが、彼の解き方はやや特殊でどんな文章でも貫ける矛みたいな感じやってんけど、
倉留:そうなんや。
中垣:ハックされたんや。
中垣:東進やったら
松田:へー。
中垣:なんか「素朴な素粒子論」みたいなことをめっちゃ言うねん。「物体の振る舞いっていうのは~」みたいな。
やたらと精緻で難しい授業をするせいで、同じ業界内ではアンチも多いらしい
松田:笑
中垣:だから例えば、
松田:そらまあな。
倉留:笑
中垣:他にも、苑田さんに聞いて覚えてることはちょいちょいあるねん。前言った、
中垣:他の人との関係において、
自分は一人の個人で相手もまた一人の個人だって考えるのか、自分の世界があってその中にいろんな人がいるって考えるのかの違いは結構あると思う 。おれは結構後者の見方で、彼女もたぶん後者の見方なんやと思う。松田:うん、それはほんまそう。彼女はきっと、主体的に決定をする個人が二人いるっていう世界観では生きていなくて。
彼女の見ている世界は彼女の世界で、その中のひとつのパラメーターとしておれがいると思うな 。中垣:うんうん。でもこれって地動説と天動説の関係と同じやねん。
実際は地動説が正しいわけやん、でも別に天動説でも宇宙の体系は説明できるねん。ただ複雑にはなんねんけどな 。太陽を中心にした方がシンプルな数式で表せるねんけど、別に地球を中心にして複数の円を考えれば天動説でも説明はできるわけ。中垣:今の話も同じで、主体的に決定する個人が複数いるっていう説明が一番シンプルなんだけど、
Source: 他人に「してほしい」人達 – commmon自分を中心として天動説的な見方をした場合でも、おれは揉めごとを起こさないようには制御できるわけ 。どこまでも自分本位で語ろうと思えばできて、おれは今も実際にそうやねん。相手がどうだからこうしようとかはないし。
松田:あー言ってたな。
中垣:ただ、
倉留:へー。
中垣:あとはなんやったけな、
粗めの近似っていうのは、空気の抵抗を無視するとか、摩擦を無視するとか
松田:うんうん。
中垣:当時はあんまピンときてなかったけど。
松田:そうやんな。今ある理論は現時点でのベストなだけで、解像度を上げていくには理論をアップデートしてかなあかんって話やんな。
倉留:はいはい。
松田:何の本やったっけな、
たぶんこの本。まあ仮にこの本じゃなかったとしても、理論の絶え間ない更新でもって認識のリーチを無限に伸ばしていこうって内容ではある。
デイヴィッド・ドイッチュ(2013)『無限の始まり ひとはなぜ限りない可能性をもつのか』インターシフト
中垣:そうなんや。あとあれ、
松田:へー。
中垣:あとあれや、
倉留:笑
松田:おー、なるほどね。振り子みたいになるってことね。
中垣:そうそう。そういう、物理のミラクルをいろいろ教えてくれたよ。
2020年6月26日
Aux Bacchanales 紀尾井町
東京大学法学部卒業、東進ハイスクール、東進衛星予備校の現代文講師の林修。「いつやるか? 今でしょ!」で有名。卒業後就職した銀行を半年で退職、ギャンブルによる多額の借金、起業の失敗などのエピソードや、「正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない」という発言など、自分を見極めた上で最大の努力をするというスタンスには村上隆にも通ずる凄みがある。
12歳年下の奥さんがいる。すごくかわいい。