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一人暮らしを始めます

4 years

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植竹:一人暮らしを始めるにあたってさ、今まで思い描いていた理想の一人暮らし像みたいなのがあるわけだけど、一方でこれからも在宅ワークが結構続きそうで…

中垣:そうやんね。

植竹:その在宅ワークの要素をどう部屋に取り入れたらいいのかが分からなくて

松田:あー。

中垣:なるほどね。

植竹:ある程度は環境を整えないと仕事にならないんだけど、でもちょっとでも仕事の要素が空間の中に入ってくると、部屋の雰囲気が根本的に変わっちゃう気がして

中垣:はいはい。

植竹:どう考えてもおしゃれな一人暮らしと仕事の共存ができない。

松田:しかもさ、まさに今引っ越したタイミングやからさ、今までよろしくやってた部屋に無理やり仕事を導入するとかじゃなくて、新しく家具買うにしても全部込みで考えないとあかんもんな

中垣:確かにね。

松田:スタンスがとりにくいよね。

植竹:うちの近所、ヴィンテージ家具屋さんとかめちゃめちゃあるじゃん。アーケストラとか…

代々木上原 アーケストラ
Image: ARKESTRA

ARKESTRA

中垣:あ、アーケストラは河東も大好き。

植竹:おれもなんか、たまたま最初に入ったんだけど、この一週間で3回くらい行っててさ。すげーいいなと思うんだけど、あそこに置いてるものはリモートワークなんて1ミリも考えられていなくてさ

そらそうやろ

中垣:そうね。

松田:でも別にリモートワークって言ったって、明確に何かしらの要件があるわけではないし、あくまでスタンスの話やんな

中垣:うん。おれは別に何も変えてない。最初から700mmの高さのテーブルと椅子があったから、そこで仕事してるだけ。

植竹:はいはい。

中垣:朝とか、会議があるときだけそこで仕事して、それ以外は近所の茶店に行ったりしてる

植竹:へー、そうなんだ。家ではやんないの?

中垣:いや、半々くらいかな。一日のうち3時間くらいは茶店でやって、残り3~4時間は家でやるって感じ。

植竹:はいはい。

中垣:やっぱね、ずっと家おったら集中できなくなるから、そのタイミングで茶店に行く

植竹:おれ会社のパソコン持って外に出たくないんだよな。

中垣:まあね、パクられたら言い訳きかんしね。

植竹:で、リモートワークをどう部屋に溶け込ませるかを考えた結果、唯一の抗いとして70cmから110cmまで天板を上下できる机の脚だけを買った

松田:あー、スタンディングで使えるやつ?

植竹:そう。それを買って、天板は一枚板にして、ずっと欲しかったカウンターチェアを買って、それと普通の椅子も買って、なんとか集中力を切らさず、おしゃれな感じでリモートワークができるようにしている。

ピエール・ジャンヌレ ラウンド・ハイスツール
Source: (2018)『Casa BRUTUS特別編集 名作椅子と暮らす。』マガジンハウス

「流行ってたんで買いましたけど、あんなんただの汚い家具ですわ」って言うため以外に買ってる人っていんの?

松田:それ、その机買った時点でミスってへん?笑

植竹:まあそうだよね。「ウィーン」とかいって上下するし

スタンディングデスク トレッドミル
Image: Novo Supply

なんやこの地獄は…

松田:だからさ、思いっきり好きな部屋にして、そこで仕事とプライベートをすぐ切り替えられる人になるっていうスタンスの方がよくない?

中垣:そうやんな。

植竹:なるほど、自分を変えるしかない…でも自分を変えるのは辛いんだよな

松田:なんしかその机は絶対捨てた方がいいって。

植竹:でも家にカウンターチェア置けるっていうのが楽しいからさ。

カウンターチェアは外せない

松田:じゃあさ、4畳半のロフトを仕事部屋にしたらいいやん

植竹:それはあるんだよ。

中垣:おれもそれでいいと思うけどね。

植竹:でもすぐそばに布団があるっていうのがね。

中垣:布団は下の部屋に下げちゃったらいいやん。

植竹でも寝るっていうのを下の部屋に持ち込みたくないんだよね。キッチンがせり出した作りになってるし。

中垣:あー。

松田:あれでいいやん、おれが引っ越すときに中垣に聞いたら教えてくれたソファベッド。100万円のやつ。

無理寄りの無理。高過ぎ

植竹:笑

松田:何言ってんのって話やんな。

中垣:あれか、なんかデザイナーズのやつやんね笑

松田:そうそう。あれを下の部屋に置いておいて、寝るときはそれをベッドにしたらいい。

植竹:笑 でも確かにな、ロフトを仕事場にするっていうのは結構完璧なんだよな。

中垣:そうやんね。まあベッドが上っていうのも、それはそれでいいけどな

植竹一人暮らしのワンルームって、まず絶対にベッドがあって、その前にコーヒーテーブルがあって、そこに腰掛けて飯食うみたいになっちゃうじゃん。部屋が狭かったらさ。

松田:うんうん。

もっと狭い部屋で、床で寝袋で寝ている人の同意

植竹:それがどうしても嫌、そこでいろんな行動が完結するのが嫌で

c ワンルームはほぼベッド問題

松田:はいはい。

植竹:だから、場所が2つあればその2つは明確に分けたい、っていうのはある。それもあってロフトでは寝るもんって思ってたけど。

中垣:でもそれもいいと思うよ。だからさ、高さ70cmのテーブル買って、座り心地と見た目の気にいる椅子買って…でよくない? それでいいやん。

カウンターチェアは外せないって言ってんじゃん

松田:それでさ、仕事始めるときに毎回決まったお香たけばいいやん。それかオフるときにたくか、まあどっちでもいいけど。

c いろんなルームフレグランス

中垣:そうやね。

2020年6月28日
渋谷 Cafe BOHEMIA


ピエール・ジャンヌレ スツール
Image: P!GALERIE

ピエール・ジャンヌレによってインドのチャンディガールの都市計画のためにデザインされた、一連の家具のひとつであるスツール。実際の制作はインドの現地の職人による手作業だったため、個体ごとのばらつきが大きいことが特徴。ファッションブランドならvisvim、インディアンジュエリーならアーニーリスターにも通じる、「綺麗過ぎない」魅力がある。
90年代初頭までは価値を見出されず、劣化したものがチャンディガールの施設の内外に廃棄されていたが、2010年のGalerie 54、2014年のGalerie Patrick Seguinによる写真集を通じて人気に火がついた。