ちさと：六本木ヒルズのあれ、teamLabだったね。

松田：teamLab滅びろ問題な。

黒沼：それはなぜ。

松田：綺麗であることは「よい」ことの十分条件にはならないと思うねん。そこからの感覚的インプットが心地よいものであるならそれには即ち価値がある、という態度があの展示やそれを消費する人達にはある気がしていて、おれはそれはダメやと思うねん。つまり、感覚的に心地よいインプットが得られるなら良いという態度なら、アヘン窟が蔓延するみたいな世界を原理的には否定できないやん。

黒沼：あー、そうするとエンタメ全般がもうダメってこと？

松田：人を喜ばせることを第一義の目的にしたものは好きじゃないかな。誰かが独善的に作ったものが結果として人に喜ばれるのならええんやけど。

黒沼：でもそれ、デザイナー側としては結構辛いですよね。綺麗とか美しさみたいなものを信じて、それだけで十分に価値があるということをモチベーションにやっている人もある程度いるし。僕はそこまでではなくて、綺麗はマナーだ、くらいにしか思っていませんけれど。

ちさと：teamLabの展示を手放しで褒めてる人っていんのかな。あんま聞いたことない。

黒沼：あれは…なんだろう、ギャルと遊ぶときに行くとこ…？

松田：なんかteamLabのインスタレーションの中で自撮りしたら綺麗に写るらしいで。みんなそれ知って行ってんじゃない？

2019年8月23日
東京ミッドタウン