西川:「社会人」って言葉についてなんだけどさ、
松田:ね。
西川:今まで当たり前のように言ってたの。
松田:いやほんまに。ちゃんちゃらおかしいよね。
西川:それ何人?って思って。
松田:うん。
西川:それで私、松田と中垣さんの会話を読んだの。
松田:「一億二千万分の一の自分と、一分の一の自分」ですね。
西川:あ、そうそう。
中垣:おー。
西川:おもしろいなって思って読んでたんだけど、あれを読んで思ったのが、
松田:あー、確かにね。あの文脈で言うと確かに、社会人っていうのは一億二千万分の一の自分ってことやんな。
問題は一億二千万分の一の自分になるために、ほとんどの人が一分の一の自分を捨ててしまうことなんだよ
中垣:まあみんな気分で言ってるよな。そんな言葉は全部無視したらいい。
人間の知性の本質が言語にある以上、自分の行使する言語に誠実さと厳密さを徹底することなくしては、現実を正しく認識し、それに有効にはたらきかけることはできません。
西川:
松田:おれは知らん。
西川:海外ではあんま言わないイメージがある。
海外っていうとリビアとかアフガニスタンとかも含まれるんだぞ
中垣:でもめっちゃ適当やけどさ、
松田:一億二千万分の一の自分を早い段階で意識してそうやんな。
河東:あれは?
西川:あー、なんだったっけ。なんとか教育ってやつですよね。
でしょうね
河東:年齢関係なくギュッとしてぶち込んで、上級生が教えていくみたいなやつ。
松田:あれでしょ、ジェフ・ベゾスも、みたいなやつでしょ。なんやったっけな、シュタイナー教育の仲間みたいな…
西川:あ、
河東:それやそれ。やっぱ
松田:笑
河東:「ミスが出てしまったのは…実力だと思います」って。テレビに写っていい人じゃないよ。
中垣:
河東:かっこ良過ぎるよ。
松田:モンテッソーリ教育ははっきり言ってあんま知らんねんけど、シュタイナー教育のシュタイナーはね、かなり強いよ。
中垣:そうなんや。
西川:『ニーチェ みずからの時代と闘う者』、これ?
後半はシュタイナーのスピリチュアルワールドが爆発しているので、前半だけ読めばいい。また内容もさることながら、人が他人の思想に共鳴し、それを理解するだけでなく、自身のものとして確信を持ってみずからの口で主張する様には、いかなる知的更新もこのようにあるべきだと思わされる。
すぐに「あ、その本読んだことあるよ」とか言うやついるじゃん。大事なのはそこじゃなくて、その結果あなたがどのように考えられるようになったかなんですよ。
ルドルフ・シュタイナー(2016)『ニーチェ みずからの時代と闘う者』岩波文庫
松田:あー、そうそう。それがむっちゃいい。
松田:ただシュタイナーの問題はね、
中垣:笑
松田:あとシュタイナーは健康に生きることについても言いたいことは多いみたいで、「じゃがいもは食うな」「アーモンドめっちゃ食え」みたいなことを延々と説いてる。
河東:笑
松田:そういう危うさはあるねんけど、まあエッセンスさえ抽出すればなかなかええこと言うてると思うよ。
中垣:松田、親が結構そっち系やんね。
西川:
松田:
松田:そらね、そういうオルタネティブ教育からも、
中垣:笑
松田:
patagoniaは製品しかいいところがない
河東:おれこの前、patagoniaのエシカルなスタンスにはすごい共感するし製品も好きやけども、けつを拭くトイレットペーパーの消費を減らすことはできない
西川:笑
河東:おれが使うトイレットペーパーの量をpatagoniaの人が見たらドン引きすると思うねんけど、それでもpatagoniaが好きって言わしてほしい。
中垣:別に紙使うぶんにはpatagonia的にもいいんちゃう? 木やし。
あとダム
ダムネーション:石木ダム建設阻止活動をご支援ください – patagonia
松田:patagoniaな…服は最高やのに店員むっちゃきしょいもんな。patagoniaの店員のおばちゃんみたいなやつほんま嫌い。臭そうやし。
中垣:笑
松田:
河東:むっちゃオーガニックなはずやのになぜか臭い。オーガニックは臭い説はあるよな。
松田:でも待って、それはほんまにあるねん。なんか母親が家族ぐるみで仲良くしてた一家がおってんけど…
河東:うんうん。
松田:彼らはもうガチ勢なの。結構しっかり山の奥のほうに暮らしてて、田舎の広い敷地で認可の降りてない保育園みたいなんをやっててんな。
中垣:コミューンやん。
西川:笑
松田:でもね、
中垣:…そうなんや。
松田:まじで。
中垣:それ結構強烈やな…
西川:笑 まあね、そこまでやるんならいいと思うけどね。
ほんとそれだぞpatagonia店員。葉山はなんの落としどころでもないからな
中垣:でもさ、山奥に住むんなら人間である必要がないよね。
松田:ほんま、ほんまそれやねん。ああいう豊かさを志向しない感じがおれはすごい嫌いやねん。
中垣:「猿にでも生まれたかった」って言うんなら、まあええねんけど。
河東:
中垣:そうそう。
2020年7月10日
Aux Bacchanales 紀尾井町