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ファッション 人生

子供をおしゃれに育てるには

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中垣:服に関してこのあいだ思ったことがあって、それこそトライアルが大事って話でさ、恥ずかしいとか関係なく、そのとき着たいと思ったものを着てみましょうって。

松田:はいはい。

中垣:で、またスケープゴートにしちゃうねんけど、そのときに思い浮かんだのが植竹やねん。

松田:うんうん。

植竹ごめん

中垣:あいつも別に「変かなと思ったけど着てみた」とか言ってはいるけど、基本的にはPOPEYEをやってるわけですよ

『ポパイの読書案内。』(POPEYE 880)マガジンハウス
Image: Amazon.co.jp

『ポパイの読書案内。』(POPEYE 2020年 8月号)マガジンハウス

松田:あー、なるほど。

中垣:それこそあれやん、Vネックの記事に貼ってた「東京のストリートファッションの歴史」みたいなリンク。あれの「2013年 シティボーイ」っていうのを見て「うわぁ…」とか思ってん。あれはダサいなと。

シティーボーイ
Screenshot: Google Arts & Culture

シティーボーイ – Google Arts & Culture

松田:うんうん。

中垣しかもまだこの格好してるやつおるな?とか思って。

松田:確かにね。

中垣それって植竹やな?って。

植竹ごめんって

松田:笑

中垣:でもやっぱり、ファッションではほんまにバグった失敗せんとおしゃれになれないよ

松田:うんうん。

中垣:それで永田のことを思ってん。あいつは高校生のときからメンノンに載ってる正解をやろうとしてたから、別に特別おしゃれにはならなかったし。変な格好しないと似合うもんなんて分からへんやんやん

A.P.C.のジーンズにマーカウェアのトップスにFIDELITYのPコートの同級生がいたんです

松田:確かになぁ。

中垣:し、それってたぶん、おしゃれになりたいやつなら絶対することやん。

松田:うんうん。

中垣:これって別に、「おしゃれになるためには変な格好も一度は通らないと…」とかじゃないわけやん

松田:そうやな、それはちゃうな。

気付いたらやらかしてるのです

中垣:だから、おしゃれになるやつとならへんやつっていうのはそこで決まってるねん。最短ルートでいけばいいみたいなもんじゃないねん。

松田:おれのイメージとしてはさ、まずおしゃれの本流みたいなのがあって、でも自分とそれとは若干ベクトルが違うから、自分なりのやり方でやってるうちにだんだん乖離がでかくなってきて、それが許容される振れ幅から出てしまうと「アレ?」ってなって、改めて方向を修正していくって感じやねんな

中垣:うんうん。

松田:で、そういう説明の仕方やとさ、永田はどういう感じやったと言えるんやろう。やっぱバジェットがあったから本流が十分に再現可能やったってこと?

中垣:やろうね。それにスタイルもいいから、雑誌通りやってみたけどあんまりしっくりこなかった、とかもないやろうし

松田:まあそうか。やっぱり本流を完コピできてまうと事故ることもないんか。

中垣:まあ予算の話も大きいよね。今から考えるとお金がなくてビブレで服探してた感じは逆によかったなって

ビブレ
Image: Wikipedia

郊外ティーンのDSMG

松田:うんうん。服に関してはそうやんな。とすると、やっぱり何かしらの制限があった方がいいって話になるねんけどさ、具体的にはどうしたらいいんかな?

中垣子供には欲しいもんはいくらでも買い与えた方がいいっていうのはたぶんそうやけど、でも制限があった方がゲームとしてはおもしろいわけやんな。むずいね。

松田:そう、ただ無限にバジェットがあるだけなら、雑誌かなんかを完コピして終わりになっちゃうと思うねん。しかもモデルほどスタイルがいいわけでもないから、ちんちくりんに仕上がって終わり。

中垣:そう言えばおれ子供の頃、ビーダマン欲しかったからレゴで作ったもん。欲しいもんは全部レゴで作ってた

松田:はいはい。

中垣:それとかはめっちゃよかってん。たぶんビーダマンが欲しくてビーダマン買ってもらってたら、それはなんか違うかったと思う。

松田:やっぱそうやんな…だからさ、服を無限に買い与えはするけど、その代わり服装に文句言いまくるのは? 「それダサない?」とか。

絶対服嫌いになるでしょ

中垣:はいはい。

松田:「それこのあいだ〇〇くんがインスタにあげてたやつの真似でしょ?」って。

中垣:あー。

松田:ほんでひとしきりディスった上で、中田商店で下位互換なんか上位互換なんか分からんやつを買ってきて、絶対にこっちの方がいいって言ってリビングに転がしとく

visvim 笛
Image: Digital Mountain

これより、

中田商店 笛
Screenshot: 中田商店

これ

中垣:あー、まあ確かにね。

松田:そういうふうに刺激を与え続ける。これでええんちゃうかな?

中垣まあ刺激があればなんでもいいんやろうね。だっておれ、あのときビーダマン買ってもらってたら絶対つまんなかったもん。一瞬で飽きてたと思う。

松田:おもちゃってそうやんな。おもちゃ…これはゲームもそうやけど、何が悲惨って拡張性がゼロやねんな

5,000円のゲームソフトを買い与えるより、5,000円のVictorinoxを買い与えましょう

ビクトリノックス エクスプローラー
Image: VICTORINOX

ビクトリノックス エクスプローラー

中垣:そうやんな。

松田:まあ親がちゃんと服をエンジョイしてたら、子供もそうなるとは思うけどな。

中垣:でもさ、親が服好きやから子供が服好きとは限らんくない。

松田:そうなん?

中垣:それこそなんか、有名なショップのマネージャーとかスタイリストの子供とかでも、全然服に興味無さそうやったりするで

松田:へー。

中垣:どうしよう、子供が服に興味無かったら。

松田:まあそれならそれでいいんちゃう?

中垣:まあね。でもロバート・キャンベル的な話をするとさ、そりゃ服に興味はあってしかるべきでしょうって話やん

つまり彼の姿は、自分の身の回りのことに誠実な好奇心を四六時中向けている人間が大成したらどうなるかっていう、ひとつの理想形として一般化できると思うねん。

Source: サラリーマンの矜恃なんかより大事なこと – commmon

c サラリーマンの矜恃なんかより大事なこと

松田:まあ確かに。服に興味が無いなんて、そんなこと人としてあり得る?って気持ちはあるよな

2020年7月24日
Aux Bacchanales 紀尾井町