中垣:
大森:おれは絶対中学受験させる。
中垣:あ、なるほど。大森さんは中学受験組ですよね?
大森:そうそう。
中垣:あー…僕ら二人は高校受験組なんですけど、こっちの言い分としては、むしろ公立中学校に行っててすごいよかったなと思ってて。
大森:あー、そうなんだ。
松田:勝手におれを巻き込むなよ笑
中垣:まあ高校も公立に行った人ほどとは言えないにしても、地元のヤンチャな人がいたりとか、共学の…モテなかったにはしても文化祭のあの感じとか、そういう
大森:よく言うのは、私立だと同質化された友達同士の中で過ごすことになるから、公立のややカオスな中で、社会にはいろんな人がいるんだなということを知っておいた方がいい、みたいな話はあるけど…
中垣:そうですそうです。
大森:確かに自分はあんまりその辺知らないっていう自覚はあるんだけど、
進学校には中学受験で入学するのがいいのか高校受験で入学するのがいいのか問題は、当事者の経験がアイデンティティの形成の時期と重なることもあり、個人の経験を前判断的に抽象化し理論化するのが難しいテーマです。
具体的には、高校から入学した人は中学から入学した人に対して、同性しかいない環境で純粋培養された偏狭な社会性を見出して「きっしょ」と感じますが、それと対照して自身のアイデンティティを強化するため、公立中学校における多様性を過度に評価する傾向があります。
一方中学から入学した人は進学校に始まるエリートコースの上では最適化された選択をしているため、それにより不自由を感じる機会はほぼなく、自身の選択を社会全体に一般化する動機がそもそも生じ得ません。
まああれです、結局全員インキャってことですね。 異論ない? もういい?
松田:まあね、その経験の有無は、必ずしも公立私立の違いにのみ依るものではないしね。
中垣:確かに。
大森:一方でなんか、小六ってそこまでやりたいことないけど、中三って例えばめっちゃサッカーしたいとか、
そんなにか…?と思ったけれども、そもそも自分は中三のときは勉強していたので、中三より小六のときの方が勉強以外のしたいことをしていたなと思うのは当然だし、逆もまた然りである。
中垣:あー。
大森:なんならそこで取り組んだことがそいつの将来を規定することもあるわけで、それなのに中三だから勉強してくださいっていうのはちょっとな…って。
中垣:確かにそれはあるかも。
松田:
大森:あ、そうなんだ。
中垣:それは同じ理由?
松田:うーん、まあそうやな。
中垣:それは確かに言われるとそうかもな。それこそ Tehu みたいな例って…まあ彼がいい例かは知らんが、
大森:はいはい。
中垣:要は「6年間好きなことをやっていいよ」っていう前提のもとで、初めてできることがあるっていう。
大森:受験みたいなものから距離を置けるっていうね。
受験に失敗する経験も想定もない、強者の理論感は否めない
中垣:それでちょっと思うのは、
大森:確かにね。
中垣:なんて言うか…変な受験マインドみたいなのってあるじゃないですか。
大森:ずっと附属でいく…でもそれって慶應幼稚舎一択になっちゃうよね。それで成城とか成蹊って「いや、それはそれでいいのか…?」みたいなさ。
こらこら
松田:笑
大森:つまり、周りのレベルも一方で大事だとは思っていて。
中垣:うんうん。
松田:おれの考えているのは、
大森:
松田:笑
中垣:大森さんは子供に中学受験はさせると。
大森:うん、大学は関与しない。その年になるともうね、
中垣:そうですよね、そこで個人であると自覚できる高三にはなってほしいですよね。
大森:あー、そうだね。よくありがちなのは、たとえ開成とかでも高校から入ってくるやつは入学したらすぐに次の受験があるわけで、勉強のことしか考えてないってなるじゃん。
中垣:うーん、そうですよね。
大森:それは退屈だなって。結局、高校から開成に入って東大受けないやつってあんまりいないと思うんだよね。
松田:うんうん。
中垣:あー、確かに。
大森:高校受験で進学校に行くことは、ある意味で人生を限定しちゃうとは言えると思う。
中垣:それはそうですね。
大森:だから
中垣:なるほど。
大森:あとおれがまだよく分かんないのはさ、
中垣:あー、ハマ・オカモトとかか。あれ公立ですか?
大森:あれは私立だよ。
松田:ふーん。
大森:まあ著名人の子息が通いがちな学校だから、学校以前に家庭環境が特殊っていう話はあるんだろうけど。
中垣:はいはい。あとこれはどうですか?
大森:笑
松田:僕は子供が大学生にもなったら、家族カードを渡すから勝手にやってもらいたいですね。
まずはてめーの今の生活をなんとかしろ
大森:えー、でもおれは内容を審査すると思うな。
中垣:プレゼンさせます?
大森:うん。でも逆に言うと、プレゼンの内容次第ではどこまででもいいよ。
松田:吉原でも?
中垣:笑
大森:金額の上限を設けないってことね笑
だからそういう成長にあまり意味はなくて、やっぱりゾーンに入ることを目標にするしかないと思う。それをいかに体験するかやと思う。それができさえすれば、そのときにやっていることが将来何にアプライできるかなんて考えなくていいねん。それそのものが価値なんだから。
Source: commmon
高給取りのエリートで、おしゃれで音楽も詳しい先輩に何と言われようが、やはりこう思いたいのである
中垣:でもそれ、大森少年はできるんですけど中垣少年はできないんですよ。プレゼンしろって言われたらヒヨって「やっぱいいや…」ってなっちゃうと思うんですよね。
大森:いや、
中垣:あー。
大森:ギター欲しいって言われたら「じゃあなんなら教室も通う?」みたいな、それくらいの感じ。
中垣:はいはい。
大森:要は買って3日で飽きるとかはやめてね、って。
松田:あー、
大森:3日で飽き得るんならいったん安いやつから始めようよ、とか。
松田:へー。
大森:でもそういうコミュニケーション自体がわりと大事なんじゃない? 家族カード渡しちゃうとコミュニケーションが発生しないじゃん。
松田:あー、まあまあ。
中垣:それはそれでおもしろい人に育ちそうですけどね。
家族カードで勝手に1,000万円の車を買った某製薬会社会長の孫を思い出しました
松田:おれはその辺も込み込みでポイって本人に丸投げしたいな。それでスポイルされるなら、それは本人の責任って感じやし。
中垣:笑
大森:でもそれギャンブルだよね。それがいいっていうか、ただの賭けじゃない?
松田:あー、だからそこですよね。
大森:でもそれさ、子供持ったことないから結局分かんなくない?
松田:それは今ここにいる全員がそうですよ笑
中垣:笑
大森:なんだかんだ干渉したくなる気がおれはしてんの。自分の親は結構小うるさかったから、ああはなりたくないみたいな気持ちはありつつも、
中垣:あー。
大森:あと最近、ちょい上の世代が子供を持って溺愛してる様子とか見てるから、
大森:サンクコストバイアスじゃないけど、そこまで溺愛した相手に「はい、あとは勝手にやってね」って、そんなこと言える?って。
中垣:あー。
大森:「こんなに手塩にかけて育てたんだから思い通りに育ってくれよ」って、
病院から帰宅する車中の「やっぱりそういうことか…」のシーン、こうはなりたくないなと思いました
中垣:まあそうですよね。
松田:おれは頑張りきりたいな。
大森:まあ自分がどこまで冷静でいられるかは分からんよね。
2020年9月10日
Aux Bacchanales 紀尾井町
1874年に設立された、日本で最も古い私立小学校のひとつである慶應義塾幼稚舎。6年間クラス替えがなく、さらに6年間を通じて同じ担任が持ち上がる仕組みをとっている。
幼稚舎に入ると慶應大学までエスカレーターで進学できることなどから人気が高く、一学年144人の定員に対して10倍以上の志願があり、ペーパーテストではなく「体操テスト」「行動観察テスト」「絵画・製作テスト」によって合否が判断される。