中垣:エコとかサステナビリティとかSDGsとかって、社会課題系でよくあるトピックだと思うんですよね。
ステラ マッカートニーはベジタリアンブランドとして、レザー、ファー、羽毛を一切使用しません。このような立場を取ることで、すべてのものにとって、つまり、動物、人間、環境のいずれにとっても優しい、美しい高級製品の製造が可能であることを証明しています。
Source: Stella McCartney
明石:ヴィーガンレザーとかね。なんかもう、クラッときちゃう言葉ですよね笑
太郎:笑
中垣:ただハイブラのそれは、さっき話したような課題解決の文脈とは違うやり方を取るような気もしていて。さっきの話では、これまでは
明石:例えばですけどここ2〜3年、女性取締役がいないスタートアップは出資を受けられない、というような流れが急に出てきたんですよ。いずれ近いうちに、女性取締役を入れておかないといい感じに上場ができない、みたいな状況になるだろうとは僕自身ひしひしと感じていて。
中垣:はいはい。
明石:そうなったときに、じゃあ企業としてはフェミニズムないしジェンダーにまつわる様々な問題について関心が強いから女性取締役を増やしているかと言うと必ずしもそうではなくて、そうしないと投資が受けられないというディスインセンティブのもとにそうしているわけですよね。
中垣:いや、そうですよね。
明石:これはフェミニストや問題の当事者からすると不本意なことかもしれないけれど、やはり割合としては後者の方が多いはずなんですよ。だから結果として当初の想いのようなものは失われて経済のゲームに組み込まれてしまっているんだけど、でもそのやり方がジェンダーギャップの理解や課題解決に最も貢献するということのジレンマですね。
Source: commmon
太郎:そうだね。
中垣:それがファッションの世界だと、例えばシャネルが本革を廃止するって言った場合、それを正論として突き付けるのではなくて、
いまんとこ毛皮とエキゾチックレザーが対象みたい
「シャネル」がエキゾチックレザーや毛皮の使用を廃止 – WWD JAPAN
明石:あー、はいはい。
中垣:それは結構参考になるなというか、平和な気がしてるんよね。そのやり方やったら戦争は起きないやん?
太郎:フェミについても「フェミってクールじゃね?」っていうブランディングをしないと、なんかモヤモヤが残るよね。
中垣:そうそう、
Followers…
中垣:で、おれは直接見てなくて友達から聞いた話やねんけど、年始にやってた逃げ恥スペシャルが今の世相をすごく反映してたらしくて。
太郎:あー、おれも聞いたわ。
中垣:子供の名前をつけるときに「将来女の子になるかもしれないから…」みたいな。しかもそれがかなり自然だったって。
明石:
中垣:ちょっと待ってくださいよ笑
明石:いや僕も見たんですけど…なんだろうな、すごく直接的でしたよ。別にクールとかそういう感じではなく。
中垣:あー。
明石:ただ、そういうことがないと世の中のムードは変わらないから…っていうさっきの話の意味では、もちろん肯定的な立場ではあるんですが。
太郎:はいはい。
明石:それと中垣さんの言った「エコレザーはクールだ」って話で僕が感じるのは、
中垣:個人的には僕もそうっすけどね。
自分どっちやねんな
明石:それを標榜されると冷めちゃう問題。
中垣:あー…でも、それはたぶん僕らが年寄りだからですよ。そこまで価値観が仕上がってないティーンエイジャーとかだと、案外そこはコロッと変わるんじゃないかって。
中垣:だってそれで言ったら、本革こそがクールなんて誰が決めたんだって話で。
エコレザーのクラックに情緒を見出せるのか、我々は試されています
明石:かつて
明石:製造の過程で出た端材を編み込んで靴の形に仕上げるというのがコンセプトで、当時としてはかなり先進的な試みだったんですが、ティーンだった僕はそのコンセプトは知らず、
中垣:はいはい。
明石:だから、
太郎:確かに。
明石:もしかしたら当時とは時代が変わって、きちんと表明しないと売れないようになったのかもしれないですけど。
中垣:うーん、でもそれは今でもそうあるべきだと思いますよ。正しさを説明する前にクールである必要があるというか…
commmon もそうありたいとは思っています
明石:やっぱり
中垣:うん、絶対そうです。
まさにその通りで「エコレザーはクール」だと“““エコレザー”””という記号が先行しています。本当に目指すべきは、クールだなと思って製品表示タグを見たらエコレザーだった、つまりStone Islandでよく経験するアレです。
中垣:でも、それこそハイブランドならそれができそうじゃないですか?
明石:なるほどね、どうなんだろう…
中垣:まあとりあえず、
ごめんなさい各位
明石:あー、そう。Allbirdsはおれも…ほんとに履けない笑
ごめんなさい各位
中垣:でも界隈だと多いんじゃないですか?
明石:多いっすよ。それにフラットに考えたら、Allbirds履けないって言ってるおれの方が悪人ですよね。
中垣:まあ別にね、そんなことはどうだっていいっすけどね。
明石:あと言いつつなんですけど、そもそも僕レザーの服着ないんですよね、
自分どっちやねんな
中垣:動画の世界でも、似たような話とかないんですか?
明石:
パラサイト 半地下の家族(字幕版) – Prime Video
中垣:映画に限らず、クリエイティブ畑ってそういうイメージはありますね。
あれ? 汐留方面から何か聞こえてくるゾ…
明石:例えば黒澤明とかって、いい作品はたくさんあるんですけど現場はブラックオブブラック、
太郎:笑
超低反射塗料で塗られたBMW、絶対に公道に出るなよ
漆黒の怪物:地上で最も黒い黒、 『VANTA BLACK』のBMW。 – BMW
明石:そういう世界だったところを『パラサイト』の撮影では子役の体調にもめっちゃ配慮したりで、
中垣:そうですね。
明石:また一方で、そういう背景を後から知ったときにふと思うのが、
中垣:もっと良いのが撮れたんじゃないかと。
明石:そうなんですよ。
中垣:いやー、ほんとそうっすよねぇ。
明石:そうそう。それで言うと、
中垣:はいはい。
明石:これは日本だと、マツコさんならいろいろ言っても許されるみたいな話と同じで、
中垣:うんうん。
明石:ところがそのアジズ・アンサリが、#MeTooの中で叩かれたんです。これに対しては世論も分かれたんですが、結局彼は一度休業したというか、表舞台から姿を消したんです。
明石:その後復帰はしたんですが、
アジズ・アンサリ: マディソン・スクエア・ガーデン・ライブ – Netflix
明石:大変申し訳ないけど、やっぱり休業前の方がおもしろい。復帰後は明らかに、何かに遠慮しながら、あるいは怯えながらコメディをやっていて。
こないだ徳井さんにも同じこと思った
中垣:以前に似たような話をしたときは、
太郎:うんうん。
中垣:公衆の電波では、本当に味気ない、言ってしまえば放送大学みたいなものしか流れない。だからみんな
太郎:それって
明石:あー、確かに。
中垣:パーラーって何?
ちゃんとニュース見ような
太郎:トランプ支持者が、大手SNSだと取り締まりを受けるから我々だけのソーシャルメディアを作ろうって言って作った、フェイクニュースばっかり流れるメディアがあって。この前サービスが停止されたんだけど笑
Launched in 2018, Parler has proved particularly popular among supporters of US President Donald Trump and right-wing conservatives. Such groups have frequently accused Twitter and Facebook of unfairly censoring their views.
Source: BBC
Google suspends ‘free speech’ app Parler – BBC
中垣:ディストピアっぽいな。
明石:パーラーのユーザーは言論の自由を掲げているけど、
中垣:うーん、たしかに。
2021年1月17日
Aux Bacchanales 紀尾井町
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2000年に誕生したナイキのスニーカー、エア ウーブン。現在のFlyknitシューズの先行モデルにあたる。エラスティックとポリエステルのリボンを手で織った構造のアッパーは伸縮性が高く、またミッドソールにはAirクッショニングを内蔵している。