みんなのおすすめオブザイヤー2021 #2

松田：みんなに何も教えてもらってへんっていう不満があるので、この一年で知ったことの中で、これは松田も知っとけよっていうのを教えてほしいねん。買ったものでも行った場所でもいいよ。

この日は忘年会でした

ちさと：えー、何も考えてきてない。おすすめみたいな感じ？

松田：そうそう。おれもおれで今年のおすすめリストを持って来てるから、教えてくれたらその中のひとつをお返しに教えてあげる。

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ちさと

ユニクロUの名作トレンチコートが結構似合ってる。欲しいけどちさとが着てるから買えないみたいなとこあるので、捨てるときは売ってください。

ちさと：もうちょっと前に言ってよ。

松田：ちゃうねん、そこは瞬発力やで。

ちさと：えー…

松田：じゃあ言いやすいように、おれのおすすめを先に教えてあげるね。セブンイレブンでチョコチップクッキー売ってんの分かる？

ちさと：あ、美味しいよなあれ。

はい解散

松田：…そうやんな、美味しいよな。

ちさと：笑

７カフェ　チョコチップクッキー – セブン-イレブン

松田：でもちゃうねん。あれが美味しかったから、世の中に存在するあの見た目のクッキーは全部美味しいんじゃないかと思っていろいろ試したの。でもスターバックスの似たやつはなんか砂みたいやったし…つまりあの見た目のクッキーは、セブンイレブンのが一番美味しいねん。たぶんやけど。

ちさと：あー、なるほどね。

右下のやつ、これはまだ食べたことない

ピザスライス表参道 PIZZA SLICE2 – Uber Eats

松田：だから、セブンのあれはみんなで大事にしていこう。あれが常に手に入るってことは豊かなことなのよ。日々買ってディスコンにならへんようにしよう。

ちさと：なるほど。じゃあ…最近毎日エスプレッソトニックを飲んでて。エスプレッソトニックって分かる？

松田：うん、分かるよ。

はい解散

ちさと：なんかエスプレッソトニックってあんまカフェとかで頼まないやん。ちょっと高いし。

松田：まあせやな。なんかプロスタバみたいなとこで見たことあるわ。

国内最高峰のスタバがミッドタウンに誕生、世界初のメニューも展開 – FASHIONSNAP.COM

ちさと：笑まあスタバにあるかは知らんけど、トニックにエスプレッソを入れるのってめちゃくちゃ美味しいから飲んでみて。あとストロー挿すときにめちゃくちゃあふれるから気を付けて。

松田：え、なんであふれんの？

ちさと：分からん。なんかだいたいのお店は二層に分けて入れてくれるねんけど、下のトニックウォーターがめっちゃ上がってくんの。でも美味しい。

松田：なるほど、じゃあまた飲んどくわ。

ちさと：やさしいな笑あとはなんやろな…

松田：いいよエスプレッソトニックで。だっておれ普段飲んだりしないもん。

ちさと：あ、ほんと？よかった。

藪内

いっつもヒューマンメイド着てる。「え、これ？なんか分からんけどもらったから着けてる」みたいな感じがうまい。

藪内：おれ井の頭公園で5年くらい働いててさ、『井の頭公園いきもの図鑑』っていう本を、子供達に何を聞かれても「それは〇〇だよ」って言えるくらいマスターしててんけど…

松田：はいはい笑

c 髙野丈（2017）『井の頭公園いきもの図鑑』ぶんしん出版

藪内：それでおれも夜中に散歩するのが趣味やねんけど、このあいだその散歩中にもぐら塚を発見してん。

松田：へー。

藪内：井の頭公園にはもぐら塚が何個もあるので、探せばもぐらもいます。

今は知らんけど、15年くらい前のBE-PALって言ったらそれは素晴らしい雑誌だったんですよ

大人もハマる！都会で虫やモグラ塚を探してみよう – BE-PAL

松田：なるほどね。じゃあそんな藪内には…目黒駅から歩いてすぐのところにある、国立科学博物館附属自然教育園を教えてあげる。

藪内：ほうほう。

附属自然教育園

松田：320円とかで入れるねんけど、自然の植生をそのままにしておくみたいなコンセプトらしく、ド都心の限られた範囲の公園やのにまじで遭難しそうな気持ちになるほど鬱蒼としてるねん。

藪内：へー。

松田：これはほんまにやばいよ。ちゃんと地図見ながら歩いてるから正しいとは分かってるねんけど、それでも遭難しそうな気持ちになる。

藪内：まじで？

松田：そう。でも公園に沿う形で首都高が走ってるから、そこからの車の音が微かに聞こえるおかげで、なんとか気力を失わずに済む。

藪内：へー笑

匿名

「彼には彼の見ている世界があり、それには相応の妥当性があるのだ」って感じ。

松田：匿名のおすすめは？

匿名：まじでなんでもいいの？

松田：なんでもいいよ。

匿名：有斐閣って出版社あるじゃん？あそこが出してるニューリベラルアーツセレクションっていうのが良くてさ。表紙見たらすぐ分かるんだけど。

松田：へー、有斐閣ってそういうイージーな本も出してんねんな。

匿名：なんか大学生のための真面目な教科書みたいなやつなんだけどね。それが良い。

松田：はいはい。

無藤隆・森敏昭・遠藤由美・玉瀬耕治（2018）『心理学』有斐閣

匿名：どこが良いかって、各章の冒頭にキーワードみたいなのがついてて。そういうのがないと、ああいう本ってなかなか読みにくいじゃん。

松田：うん、それは確かにそうやわ。

匿名：キーワードがあると、とりあえずそのキーワードの定義を押さえていけばいいから。

松田：何に焦点を当てとけばええのかはっきりするのはええね。

匿名：だから一回目はそうやって読んで、二回目はもうちょっとちゃんと読んでいって…っていう、それがだいぶいい気がして。

松田：そのシリーズの中でどれがよかったとかある？

匿名：おれが読んだのは社会学と心理学だったけど、どっちも良かったよ。Amazonのレビューがだいたい4.5以上のシリーズではあるから、別にどれでもいいとは思う。

松田：あ、そうなんや。

匿名：マクロ経済とか政治とかもあった。人文系の真面目な学部生だったら読み通しててもおかしくないくらいの感じかな。

New Liberal Arts Selection – 有斐閣

松田：へー、なんかいい感じやね。ちょっと適当なの選んで読んでみるわ。

匿名：すごくいいよ。おれもまだ最後まで読んではないんだけど、心理学に関しては、ヒルガードを除いたら有斐閣と東大出版が二大巨頭みたいな感じにはなってて。それで最初は東大の方を買ったんだけど、そっちは読みづらかった。

ヒルガードの心理学 – Wikipedia

松田：なんかめっちゃいいこと教えてもらったわ。まじありがとう。

匿名：うん。

松田：じゃあそんな匿名には…おれが今着てるこのセーター、これは今までも何回か言及してるねんけど、ハリウッドランチマーケットのメリノカシミヤってやつで。

匿名：はいはい。

ハリウッドランチマーケットメリノカシミヤ — Image: HOLLYWOOD RANCH MARKET

CREW NECK SWEATER – HOLLYWOOD RANCH MARKET

松田：まあメリノとカシミヤやから肌触りは当然よくて、その上で洗濯乾燥しても一切縮まへんねん。

匿名：あー。

松田：だからセーターのわりには、かなりイージーに扱える。あとはリブのとこ、普通のセーターってもっとリブが太くて、なんかキュッとなってるやん？

匿名：はいはい。

松田：そういうのがないからTシャツみたいな気持ちで着れるねん。あとは首周りも切りっぱなしみたいな感じやし。

匿名：確かにほんとだ。

松田：ロンTみたいな気持ちで着て洗えるセーター、かなり心穏やかに付き合えるで。

チーム強迫

匿名：うん、いいね。それで…おいくらですか？

松田：笑でも一万数千円とかやから全然よ。

匿名：あ、よかった。5万円とか言われると思った笑

中垣

commmon の部屋の内装を一手に引き受ける。持ち出しが過ぎてNISAを全額引き出すはめになった。

中垣：…むずいよ。良いものは良いって、松田にはもう言ってるもん。その余りを出すとかはちゃうやん。

松田：いいよなんでも。

中垣：でもこれ、行動変容につながらないのなら言っても意味無いやん。

判断を導かない情報に意味は無く、行動を導かない判断に意味は無く、結果を導かない行動に意味は無い、そうですよね。

松田：ちゃうねん。おれはそうかもしれんけど、記事の向こうにいる読者の気持ちを考えるねん。そしたらもうちょっとなんかあるやろ。

中垣：あー…なるほどね、そういうことね。

松田：おれの背後に月間ピー人のユーザーを見出して。GUのそのパーカーはあかんの？

中垣：これはタカに教えてもらったやつやしな…やっぱIKEAのトロードフリじゃないですか？

松田：あ、やっぱそうなん？

藪内：おれの家もそれになりました、今すごく便利です。

松田：笑

中垣：トロードフリもそうやし…やっぱりIKEAやね。IKEAは良いよ。

松田：IKEAってニトリとは何が違うん？何かの廉価版なんじゃないかっていう疑問は、個人的にも未だ拭いきれていないねん。

中垣：これ、カジュアルに答えると十分でない説明になりそうで、ほんまは記事一本上げられるくらいちゃんと話せる内容な気はするねんけど…

松田：はいはい笑

中垣：すごく簡潔に言うと、なんか形態は機能に従うみたいなさ、そういうバウハウス的な話ってあるわけじゃないですか。

松田：うんうん。

バウハウス – Wikipedia

中垣：いわゆる機能美的な話もそうだと思うんだけど…でもじゃあさ、エンジンを見ながら車をデザインすればいいのかと言うと、それはそうじゃないわけやん。

松田：うんうん。

中垣：しかし一方で、機能からは全く切り離されたがわだけを作り込んだ軽薄さっていうのも人に伝わるから…そこでモダニズムの人達がやっていたことって、実はすごく意匠的なわけやん。

松田：はいはい。

中垣：…っていうところをきっちりやっているのがIKEAだというか、一見すると安くて合理的な大量生産品に見えるんだけど、やっぱり説明書とか部材を見るにつけ、全てが必要十分かつ、それにピッタリと一致したデザインに乗っかっていて。

松田：うんうん。

中垣：しかもそれは商品に限らず、店舗とかレストランとかストックとかにまで全て徹底されていて、全てがIKEAやねん。

松田：おれらからすると、一番分かりやすいのは梱包を開けた瞬間やんな。

フラットパックのアイデアが生まれたいきさつ
通信販売でのかさばる家具の流通は困難なうえに、コストがかかりました。また、家具の破損が頻繁に発生しました。1956年にイケアは、LÖVET/ローヴェットテーブルから脚を取り外すというアイデアを思い付きました。それがさらに、組み立て式とフラットパックのアイデアにつながりました。
現在、LÖVET/ローヴェットは、LÖVBACKEN/ローヴバッケンという新しい名前でイケアに再登場しています。これは、偉大なアイデアに貢献した小さなテーブルです。
Source: IKEA

イケアの伝統 – IKEA

中垣：そう、そうそう。だからニトリとの違いは…ニトリは別に美しくはないからね。

松田：まあ確かに、IKEAにはプリンシプルがある感じはあるね。

中垣：人をだめにするソファが無印でヒットしたら、ニトリは似たようなのを出すけどIKEAは出さないのよ。仮に出すとしたら、IKEAなりにできることをしてから出すわけ。

松田：うんうん。

中垣：つまり、例えば誰がおしゃれかって言ったら、理想はファッションのコンテクストに精通している人にも、何も知らない普通に人にもおしゃれだと思われる人がそうだと思うのね。

松田：はいはい。

中垣：例えばAppleの製品ってそういう部分があると思うんだけど、IKEAもそういうものやと思うねん。なんて言うのかな…どれだけお金を持っていても、やっぱりIKEAを選ぶ積極的な理由はあると思うねん。

松田：なるほどね。

IKEA

中垣：あるいは建築家でもインテリアデザイナーでも、IKEAを選ぶ理由はあるねん。そんなIKEAのトロードフリが僕のおすすめです。

松田：はい笑じゃあ…そう言えばさ、魚のカレンダーがめっちゃええって話したっけ？