中垣:なんか…最近モヤってることとか悩みとか、気になることとかないの?
匿名:
松田:笑
中垣:聞くで。
他人の悩みを食って命をつなぐタイプの妖怪
匿名:東京から離れて今の職場で1年働いてみたんだけど、
松田:そんなん最初から分かってたやろ笑
匿名:そもそもなんで今の職場にしたかって話なんだけど…
みなと:それ聞きたいわ。僕ももう東京離れて工場勤務になるんだよね。
中垣:みなとは製鉄やから、同じくドクラシック製造業やで。
匿名:僕はそもそも工場にすごく興味があって、
【労働疎外】
人間の労働は本来,自己の主体的・創造的エネルギーを発揮して自然に働きかけ,その工夫と努力が対象化された生産物の他人による享受を通して,人間が共同的な存在であることを確証する営みである。しかし賃労働を基礎とする資本主義の下では,生産手段と生産物は資本家の所有に属しているため,労働の成果は労働者を支配する新たな資本の蓄積に寄与し,労働の過程は物的資本としての機械に強制された苦役となる。
Source: コトバンク
みなと:なるほどね笑
中垣:これから、業界全体が沈んでいくのならそれを見たいし、復活を果たすのならそれはそれで見たいしね。
匿名:そうそう。
松田:はいはい。
匿名:あとは車が好きだったっていうのもあるしね。それで1年間やってみたんだけど、やりがいを見出そうと思えば見出せるし、一生やっていこうと思えば全然できるだろうなとは思うんだけど、
中垣:そうやんね。
匿名:そう考えると時流に遅れているなという気持ちにはなるというか、
松田:うんうん。
匿名:もともとは結構雑な感じで考えていて、合わなかったら辞めればいいし楽しかったら続ければいいじゃんって思ってたんだけど、今そこが微妙なところなんだよね。
みなと:なるほどね。
匿名:別にこのままでもいいんだけど、でも決め打つにはちょっと早い気もして、東京に戻って働いていけるならそうしてもいいようにも思うし…
c 選択とその排他性
中垣:今はどういう部署で働いてるん?
匿名:半分は生産管理をしながら、
中垣:おもろそうやな。
みなと:うちの会社でも一番おもしろいとこだよ。
匿名:その辺りのやりがいはある。あと
中垣:同じラインって…
匿名:そう。去年までは 某高級セダン しか作ってなかったラインで、今は 某コンパクトカー とか 某ミニバン とかの生産もしてる。
中垣:そんなことできるんや。
松田:すごいな。
フォードもびっくり!
匿名:もちろん莫大な設備投資はしてるんだけどね。そういうことの検討とかもしてる。新しく出た 某セダン が全然売れてないから、ラインでの生産の割合を減らすとかね。
松田:絶対楽しいやん。
匿名:ただ…確かにおもしろいんだけど、最近きついなと思っているのが、原価を安くするためには人を抜けばいいっていう発想は一般的にあると思うんだけど、その発想が現場レベルにまですごく落ちていて、
松田:あー、はいはい。
匿名:それを見ているのがちょっときついというか、人を抜くっていうことが目標になってるのもどうなのかなっていう。
みなと:うんうん。
匿名:もちろん
松田:うんうん。
匿名:それなのに人を抜くための創意工夫を現場でしてるっていうのが「うーん…」というか、
みなと:なるほど。
中垣:でも普通に考えたらさ、現場の人的にはそれが目標にはなり得ないやん。何がインセンティブでそういう感じになってるん?
匿名:それはね、
もうカイジじゃん
松田:へー。
中垣:確かに、持続可能性は高くないね。
匿名:まあ僕が違和感を覚えているだけと言えばそうなんだけど、それにしてもサイコチックだなというか。
中垣:会社のそういうスタンスが嫌ってこと?
匿名:うーん、どうなんだろう…まあただのちょっとした違和感なんだけど、
松田:なるほどね。
匿名:それに原価下げるって言ったって、例えば 某高級セダン なんてもうモデル末期で改善しろがほとんど残ってないんだけど、それでも上から目標は打ち出されるから、
松田:へー。
匿名:まあ
みなと:なるほどね。
中垣:そこを飲み込んじゃうと…って感じか。
匿名:まあそうだね。
松田:なんかディストピアっぽいよね。その思想って、
匿名:そうそう。現場の人だって一人一人生きた人間なのに、それを交換可能な機械みたいに捉えていて、それに誰も自覚的でないっていう。
中垣:でもまあ
匿名:それはそうだね。生産性を上げるのも、同じ人数で今の2倍の生産をするようになるんであれば前向きなんだけど、
中垣:「もっといい車を作って売ろう」っていう30年前とはちょっと違うってことやんね。
匿名:やっぱりEVの波っていうのは厳しいよね。誰にでも作れちゃうから。
アシュリー・バンス(2015)『イーロン・マスク 未来を創る男』講談社
松田:
『その時歴史が動いた』の豊田喜一郎の話、あれは感動したね
匿名:そうそう。あとはハイブリッド車も難しい技術ではあるから、まだ日本のメーカーに強みがあるんだけどね。
中垣:
トヨタチーフエンジニアが語る、燃料電池自動車の価値–EV時代にみる水素のメリット – CNET Japan
匿名:まあ希望はあるけど、でも市場が小さいからね。
松田:うーん。
2021年2月某日
某所
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