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外国のこと

イラン旅行記 #2

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松田:イランではほんまにみんなが優しかったで。最後の夜なんて、声かけてくれたイラン人青年の車でドライブしたもん。ほんで謎の露天に連れてってくれて、美味しいイランフードを食わせてくれた。それも彼らが全部出してくれたし。

イラン ビーツ 露店
Image: culture trip

これ食った

10 Local Street Food Dishes to Try in Tehran

植竹:へー。

中垣:おれが行った中ではブラジルがすごい優しかったな。南米は結構どこも優しかった。でもペルーだけは全員顔死んでた

松田:笑

中垣:南米って言っても様々でさ、ブラジルは一番ごちゃごちゃなわけ。いろんな人種がおるねん。で、アルゼンチンはほぼ白人。ほんでペルーはほぼ原住民やねんな。

松田:あー。

酒井格差があると民度って下がりません? イランって格差が無い感じなんですかね。

松田:格差はね、無いってことはなかった。でも程度においてはそこまで…つまり、どうしようもない貧困層とかはあんま見なかったし、みんながある程度以上のラインにおる感じではあってん

酒井:はいはい。

松田:でも住んでるとことか、どこで何を買うかとか、そういう違いはあったというか…格差はそこまでひどくはないけど、特権的富裕層とそうでない人との間の行動様式の違いというか、そこの断絶は大きそうやと思ったな

植竹:ほー。

松田富裕層はヨーロッパから輸入されてきたメルセデスやポルシェに乗れるねんけど、庶民は20年前のボロボロのプジョーに乗ってるみたいな感じ。で、庶民サイドと喋ってると、妬ましいって感じじゃないねんけど、ある種の諦めをもって「あの辺りにはお金持ちが住んでるよ」とか「どこどこに行けばメルセデスやポルシェも走ってるよ」みたいなことを言ってたな。

イランは古いフランス車が多い

中垣:でもそれ別に日本の田舎もそういう感じじゃない? 「東京は〜」みたいなさ。

松田:うーん、体感としてはもうちょっと違ったな。庶民は制裁下で不便を強いられてるけど、富裕層はそれを免れてるというか…富裕層は特権階級って感じがすごくあったな。単純に経済水準が違うって感じではなかった。

中垣:あー。

松田:庶民サイドも、富裕層に対する物理的な近さは感じてると思うねん。テヘランって人口が1,200万人おって、人口密度は東京の1.6倍やねんやんか。それくらい狭いエリアに住んでいながら、でも致命的に手が届かないみたいな、そう考えてる感じがあった。イランにおける特権的富裕層って、たぶんなろうと思ってなれるもんではないねん。自分もそうなり得るとは考えられていない点で、東京と田舎との関係とは異なると思う。

中垣:なるほど。

松田:彼らと話してると「おれらは日本になんて行けないよ」って言うねんな。物価が高いっていうのはもちろんあると思うねんけど、そもそもビザが取れないしさ。

中垣:はいはい。

松田:そういう、不本意な環境を強いられていることに対する諦めみたいなんはあって、それにともなうモヤモヤを誰しもが内側に抱えている感じがあった。まあ言うてもイランの一部しか見てへんから、あまり積極的に一般化したくはないけど。

植竹:なるほどな。

松田:だってさ、彼らはおれらと何も違わないねんで。ドライブに連れてってくれた彼にしたって、修士出てるって言ってたから学もあるんやろうけど、それでも仕事が無いって言ってたし。だからおれらの優位性って、別におれら自身の努力によるものじゃなくて、ただただ運がよかっただけなんじゃね?って。仮におれが彼らの立場やったら、同じく人生に対する効力感を失って沈んでいきそうやもん。

中垣:あー。

酒井:海外行くとそれめっちゃ思いますよね。

中垣:なるほど…つまりステレオタイプな、裕福な国の人はより勉強もできて労働意欲も高くて、貧しい国はそうじゃない、っていうのではないってことやんな

松田:そうやねん、全然そうじゃないねん。彼らは文化的にも成熟しているし学もあるねんけど、ただそこにおるから不便を強いられてるねん。

中垣:うーん。

松田:その辺が結構しんどかったな。

酒井:テヘラン以外はどこ行ったんですか?

松田:イスファハーンとタブリーズに行ったな。特にイスファハーンはまじですごかったよ。

タブリーズの感想は…イランの工業ザコ過ぎ、ですかね

中垣:あ、ほんまに?

松田:いや、ほんまにすごかった。「イスファハーンは世界の半分」はほんまやで笑

c 【シリーズ イラン】イスファハーンのモスクに見る「質より量」

中垣:へー。

松田:ほんまに、モスクとかが半端じゃないねんって。アッラーおるかもしれんって思ったもん

酒井:それ聞くと行きたくなるなぁ。

松田:行くならアメリカに経済制裁されてるうちやで。解除されたらドルの価値は三分の一になるから。

中垣英語は通じるの?

松田:ほぼ通じる。これまた偉いのがさ、老人で通じるのはだいたい昔のインテリやねんけど、今の若いやつはみんな独学って言ってた。若い人はほとんど話せるで

軍の獣医を定年退職後カーペット屋をしているおじさんは、本当に英語がペラペラで、途中「お前おれの言ってること本当に分かってる?」とまで言われました。実際あんま分かってなかったです

植竹:そうなん?

中垣:独学なん?

松田:英語が分からんと外の情報が手に入らんからちゃうかな。みんないつかはイランの外に出たいと思ってるっぽいねん

中垣:はいはい。

松田:そのためにドラマとかで勉強するって言ってた。学校では一切教わらんらしいねん。

中垣:すご。

松田:えらいよな。「日本ではみんな学校で習うけど誰も喋られないよ」って言っといた笑

中垣:笑

植竹:確かに、すごいなそれ。

松田:あと彼らと喋ってておもしろかったのは、「シーラーズには行ったかい?」「ペルセポリスの遺跡は2,500年前のものなんだぜ」って言われてんな。「2,500年前なんて日本には何もないよ」って言ったら、今は逆だねって言ってた笑

中垣:笑

松田:あとさ、イランってシーシャが有名で、ほんまにみんなやってるねんな。それで「グリオンは試したか?」って聞かれて、最初は何のことか分からんかってんけど、ジェスチャーしてくれたからシーシャって分かってん。ほんで「あー、シーシャね」って言ったら「おれらはシーシャとは言わないんだよ」って。「シーシャって言ったらクリスタルのことになっちゃう」らしい笑

覚醒剤

中垣:へー。

松田:あとはね…みんなイランの政権が嫌いって言ってたね。ただそれを言うときは露骨に声を潜めるから、あんまり公言すると都合悪い感じやった

酒井:そうなんだ。

中垣:それは中国でもあるらしいで。

習近平 プーさん
Image: Newsweek

中国が「くまのプーさん」を検閲で禁じたもう1つの理由 – Newsweek

植竹:都合悪いんだ。日本って都合悪いのかな?

中垣:いや全然悪くない。

植竹:みんな言う気が無いってだけ?

中垣:というかシンプルに、それを言ったことがきっかけで、何かに何かが重なって拘束される可能性がある国って全然あるから

植竹:なるほど。

松田:あとはイラン、お酒があかん国やけど、実際は全然流通してるって言ってた。プッシャーみたいなんがおって、そいつに電話したら持ってきてくれるらしい

中垣:でもやっぱそういう感じではあるんや。街中で飲んでたらアウト?

松田:それはもうアウトよ。でもなんか、富裕層の住んでるジョーダンっていうエリアがテヘランの北部にあるねんけど、だいたいのお店が早くに閉まる中、そこにあるスーパーは当局とズブズブらしくて、夜遅くまでやってるしお酒も買えるらしい…ってネットに書いてた

中垣:はいはい。

松田:なんしか富裕層はわりとなんでもありって感じがあったな。

現地のマッチングアプリのチャットで「本当のテヘランを見せてあげる」って言ってたギャル、やっぱ会っておけばよかった

中垣:なるほどな。

松田:ただそういう感じではあるねんけど、ドライブに連れてってくれた彼がお酒のボトル一本を持ってて捕まったときは一晩 in jail で済んだらしい。だからまあ、わりとある話ではありそう。

中垣:なるほどな。

2019年11月22日
DEAN & DELUCA CAFE 六本木

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イラン イスファハーン イマーム広場
HeaderImage: commmon

1598年、サファビー朝がイスファハーンに遷都した際の大規模な都市計画の中核となったイマームの広場。南北512m、東西159mの広大な長方形をしている。広場を囲む上下二層構造のアーケードは下層部分が店舗となっており、カーペットをはじめとする伝統工芸品を扱う店が軒を連ねる。
高島屋の担当者の名刺を見せて、流暢な日本語で「日本とも取引してるよ」と言っていたカーペット屋さんへ。発音は「タカシヤマ」じゃなくて「タカシマヤ」ですよ。