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おもしろ小ネタ 人生

子供を育てられる気がせん

3 years

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山本

中垣の大学の友達。「身近で似た境遇の人間、かつ結婚している」というザル過ぎる理由で、金曜日の仕事終わりに愛知から東京に呼び出された。
結婚を信じられない面々が、別に信じて結婚をしたわけではない先人に教えを請う回です。

松田結婚してからの方が人生楽しい? もし楽しいのならおれも結婚したい。

山本:え、楽しいか…でも何だろうな、別にそんなに変わらないんだよな

松田:半同棲のときと比べるとどうなん?

山本:でも、それも全部気持ちの問題なんじゃないかなとは思う

人徳者

松田:はいはい、確かに。

山本:僕は別に…何だろう、人生楽しいと言えばずっと楽しいんだけど、結婚の前後で本質的に何か変わったかと言えば別にそうでもない気はするかな。

松田:はいはい。

山本まあでも子供ができたときはすごく変わったかもね。それと比べると結婚は、言っても付き合っている延長だし、契約が違うだけというか。

松田:うんうん。

山本:でも子供が生まれたのはすごい楽しいというか、おもしろいなと思ってて。

松田:へー。

山本だってなんか不思議だよね、ひとつの生命体が生まれるわけでさ

素直

松田:てかそうか。よく考えたらさ、子供が産まれて3ヶ月ってことは実際に子供ができたのはもっと前で、二人の間で子供がいるっていう認識が生まれてからはもうずいぶん経つわけやんな。

太郎:確かにね。

山本:そうそう。何て言えばいいのかな…うまく整理できてはいないんだけど。

松田:いやいやそんな。ただ個人的には結婚にはダルさしかない派やから、できれば今日は結婚に対するポジティブな認識を少しでも得て帰りたいと思ってるねん

山本:でもやっぱり子供ができるのは嬉しいような気がするよ。僕は7歳下の弟がいるんだけど、弟が産まれたときも嬉しかったんだよね

松田:あー、結構な差やね。

山本:そう。で、その弟が育つのも楽しかったから、それがもう一回だと思うとそれは嬉しかったよね

中垣:当事者意識…

山本:笑 僕には何に関しても当事者意識が抜けている節があるんだよね。

松田:うん、そういう話し方をするなとは思って聞いてるよ。

中垣:笑

松田:まあでもさ、親がそれくらい他人事でおる方が子供はすくすく育つ説もあるよな。その方が、子供が多少道を外れても落ち着いていられそうやん。

中垣:まあ確かにね。変に「自分は親だから〜」みたいなのがない方がね

河合隼雄(2013)『子どもと悪』岩波現代文庫
Image: Amazon.co.jp

河合隼雄(2013)『子どもと悪』岩波現代文庫

山本:それに、なんだかんだ弟とも産まれてこの方ずっと仲良いし、それを考えると子供と遊ぶのとかすごい楽しみだなと思う。

松田:はいはい。

山本:やっぱり人にものを教えるのが好きだから、まだ答えを分かっていない人と一緒に何かについて考えるっていうのは楽しめることだと思う

中垣:あ、一緒に考える方が好き?

答えを押しつける派

山本:そう、だから小さい子と遊ぶのは昔から好きだった。

c 他人のガキなんて嫌いに決まってるやん

中垣:あー…なんかさ、先週サーフィンに行ってんけど、隣でバーベキューしてる家族がおってんな。お父さんお母さんとお兄ちゃんと妹がの4人やってんけど…

太郎:うんうん。

中垣:で、子供が「これ取ってきた!」とか言ってお母さんに見せるねんけど、お母さんはお母さんで忙しいから、毎回毎回は見てられなくて「…あーすごいねー」って感じになってんのね

松田:はいはい。

中垣:それを見て、おれなら絶対に無視しちゃうなって思った

松田:笑 手が塞がってなくても?

中垣:だってスマホで「この服ばりいいやん」って思って見てるときとかやろ、そんなん絶対邪魔されたくないやん

松田:そのシチュエーションでスマホを手に取るなよ笑

山本:笑

中垣:いやいや、全然手に取り得るよ。子供は二人で遊んでて、たまに戻ってきて「パパ、これ取ってきた!」とか言うだけやねんで?

松田:いやでもどうなんやろ、子供が勝手に遊んでるのを見てるだけでも楽しいとは思うで

中垣:絶対にそんなことない。バーベキューの一家を見て確信したよ。

山本:笑

中垣:そらね、子供を通して見る世界に感動することだってあるやろうけど、そんなん最初だけやで

松田:いや、でも子供だって成長するやん。

中垣:その成長も3ヶ月に一回とかでしょ、知らんけど。だからその頻度でだけ楽しいタイミングはあるけど、ほぼほぼ「はいはい分かった分かった、お前は青色が好きなんやろ知ってる」って感じやで

子供の成長3ヶ月に一回説

松田:シンプルに付き合いきれないって感じ?

中垣:だっておれの人生はおれの人生やん、お前はお前で勝手にしてくれって感じやで

松田:まあまあ。

中垣:子育てなんて楽しいことだけじゃなくて、いろいろと大変やねんって。

松田:まあ一般論としてはそうやろうけどさ…

中垣:いやー、おれはあの光景を見て結構無理やと思ったで。だってさ、遊戯王カード一緒にしようって言われても絶対にしたくなくない?

松田:いや、全然できるで。

オクで強いカード買って絶対に勝つ

山本:僕もできるな笑

中垣:まじで言ってる? ばりおもしろい本がめっちゃいいところまで読みかけで置いてあるとしても? 「これめっちゃおもろいやん早く読み進めたい」ってなってても?

松田:なんでそこまで状況を限定せなあかんねん笑

太郎:笑

山本:でもそれは子供にちょっと待ってもらったらいいんじゃない? 区切りがいいとこまで読んでから付き合えばいいと思うけど

きゅー:でも子供は待てなさそうだよね。

中垣:そうやで、それでまた泣いたりするねんで?

山本:それは待つもんだって学ぶものなんじゃないの?

中垣:じゃあおれにはおれの人生があるということを子供には学んでほしいね

松田:笑

山本:まあそれもそれでいいんじゃないの、分かんないけど。

きゅー:それはだいぶフラットに付き合ってると思うけどな…

中垣:だって今3ヶ月でしょ、大変なことだってあるでしょ?

山本:まあ今は一緒に住んでないからね。子供は義実家にいて2週間に一回帰ってる。

中垣:なんやじゃあ分からんやん。絶対わけ分からんタイミングでクソしたりするねんで

太郎:笑

山本:でもおむつ替えるのは全然苦じゃないよ。いつも金曜日に愛知で仕事が終わってからずっと遠くの義実家まで帰るんだけど、それでも子供の相手はできるよ。うんちひとつとっても「今日はこういう体調なんだな」っていう興味が持てるし

中垣:でも毎日じゃないでしょ? もちろんそういう楽しみは絶対に見出せるねんけど、それでも一週間ずっとはできないよ

山岡:でも一週間経ったら、子供はまた次のフェーズに入るんだよ?

子供の成長一週間に一回説

中垣:絶対違うって。そんなになんでもかんでもおもしろいもんじゃないって。

きゅー:でも私も、子供にそんな関心を持てる気はしないな。

中垣:彼女とかだってそうやん。最初こそ「この人はこういうときにこう言うんだな」とかって思えるけど、だんだん「お前はそういう感じやんな」ってなってくるやん

山岡:でも友達とは10年だって付き合うじゃん。なんで女とか子供だとダメなの?

中垣:友達とは一緒に住まへんやん。おれは相手には責任を持てないねん

松田:でもおれは「彼女はこういうときにこういうことを言うねんな」って、基本的には毎回楽しめてるよ。

中垣:まじで言ってる?

松田:毎回わりと素直に楽しめるし、その度に、子育てもこんな感じなら絶対余裕やわって思ってるで

中垣:あー…まあでも松田はできそうかもな。

松田:もちろん、それ以外のところで彼女に厳しさを感じることは山ほどあるけどね。

中垣:それはあれやろ、松田が強迫的に綺麗好きで、子供とか以前に他人と一緒に住めないっていう話やろ?

松田:そうそう。

じゃあいずれにしろダメじゃん

中垣:じゃあきゅーちゃんは? 子供と遊戯王なんてできないでしょ?

きゅー:笑 不安はあるね。そもそも子供に関心が無いからダルくなってくる気がする

山本:関心が無いっていうのもすごいけどね笑

きゅー:中垣のスタンスがいいとは思わないけど、でも自分もそうなってしまうのが容易に想像できる。

2020年11月20日
新宿 ゴールデン街

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