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エルメスのブレスレットの買い方

フリマアプリ、オークション、大手の実店舗…多様な選択肢がある中で、どこで購入すればいいのかについて考えてみます。

3 years

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松田:今回はね、「僕もエルメスのブレスレット欲しい!」ってなったとき、どうやって手に入れるべきかについて伝授していきたいねんけど…

中垣:笑

松田:まあ今のところね、大手というか…分かりやすいお店で買おうと思ったら選択肢は2つあるねん。まずは 某大手 がやってる ピー っていうお店が新宿にあるよね

中垣:はいはい。

松田:置いている種類はなんだかんだ言うても多いと思うし、それなりに珍しいモデルも置いてるね。ただここがすごいのが…前に見に行ったら、おれがヤフオクでリリースしたやつが5〜6本あったっていう

酒井:へー笑

松田:「久しぶり~」って感じやね。

中垣:笑 それはどうやって分かったん?

松田:そもそもかなり珍しいモデルばかりなのと…あとおれ、自分の持っていたやつは見れば分かるねん。打痕の感じとか刻印の打たれ方とかで、他人の顔を見分けられるくらいの感じで分かるよ。

中垣:あ、そうなんや。

松田:しかもこの ピー 、仕入れ方がなかなかアレなのに加えて、ディレクターの言うてることがむっちゃ頭悪そうやねん。インスタのポストのテキストとか、ほんまに何言ってんのか分からへん。

誇り高きモノへの憧れ。
特に男性なら一度は本能的にそれを感じた経験があると思う。

さらには”砂漠の戦士”と呼ばれる神秘的なワードに引き込まれる人も少なくないのでは。

【L’Africa】と称して1997年に発表されたメゾンのテーマから一気に世に知れ渡った彼等の存在こそが”トゥアレグ”と呼ばれる誇り高き民族。

アイデンティティと共に北アフリカサハラの遊牧で暮らしながらもメゾンに見初められたジュエリー達。

古くから文化を継承しながら時を経て、メゾンと共に世界中から脚光を浴びる存在になったのは言うまでもない。

メイクセンスしない

中垣:情緒っぽいこと言おうとして失敗してる感じか。

c アホの書く文章

松田:で、さらにおもろい話があるねんけど…ヴァンドームっていうモデルがあるやん?

中垣:あれやんな、太くてぼこぼこで…隙間に垢溜まってそうなやつやんな?

超音波洗浄機にかけたらめちゃめちゃ汚れ浮いてきた

松田:そうそう。あれをおれがヤフオクに出品したときの商品説明、これがほんまに完璧やってんけど、その後いろんなところでわけ分からん改変をされながら、コピペされて使い回されてるねんな

酒井:へー。

松田:あのブレスレットはGeorges L’Enfantが製作したやつやってんけど、おれが出品したときにアルファベットで、しかもスペルを誤って「George L’Enfant」って書いたのね。そうしたらそのままのアルファベット表記でコピペされ続けてるっていう…

このページの公開後、ほとんどのシルバーのヴァンドームはGeorges L’Enfantの製作ではないようだということを確認しました。誤解を招く記述があったことをお詫びいたします。
そのため、お手元にヴァンドームをお持ちで製作元が気になる方は、ホールマークから確実にご確認なさるようにおすすめいたします。「え、エルメスじゃないの? Georges L’Enfantの製作ってどういうこと?」という方は一から勉強し直してください。

中垣:笑 やばいなぁ。

松田:それを ピー のブログかディレクターのインスタかでも前に目にしてんな。「Les Grand Cinqのジュエリーを製作してきたGeorge L’Enfantによる~」みたいな、その辺の説明も丸ごとコピペで。

中垣:それと似たような話が音楽でもあってさ、おれの好きなミュージシャンでBurialって人がいるねんな。「bury(埋葬する)」の名詞形でBurialやねんけど…

bur‧i‧al /ˈberiəl/ ●●○ noun [countable, uncountable]

1 the act or ceremony of putting a dead body into a grave
2 the act of burying something in the ground
burial of

Source: LONGMAN

burial – LONGMAN

松田:あー、はいはい笑

中垣:で、日本で最初に訳したやつが「ブリアル」って言ったみたいで、それ以降全部「ブリアル」やねん

松田:いやー、それもひどいな。

中垣:「絶対にベリアルやろ…」と思っててんけど、この前彼が紹介されてる動画を見たらやっぱり「ˈberiəl」って言ってて。

松田:笑

中垣:だからアホは死ねやねん。

伝家の宝刀「アホは死ね」

酒井:笑

松田:で、おれは ピー に行ったとき、「ケースの中を見せてもらってもいいですか?」って言っていくつか出してもらってんな。これはまあね、おれも大概なところはあるねんけど…

すまん

酒井:笑

松田:で、おれがかつてヤフオクでリリースしたブレスレットについてそれがどういうモデルなのかを聞いても、「希少なヴィンテージです」としか言わないっていう

中垣:わらう。

松田:せめておれがヤフオクの商品説明欄に書いたことくらいは覚えとけよって感じやん。それこそ中にはすごい分かりやすいモデルもあってん。ジョージジェンセンをはじめとするブランドでデザインをしていたアンドレアス・ミケルセンっていうデザイナーがTiffanyのためにデザインしたブレスレットで、彼の刻印である「A.Mik.」に加えて「Tiffany」の刻印があって、さらに「DENMARK」って書いてる、すごーく説明可能性の高いモデルでさえ「希少なヴィンテージ」やで

この 某大手 がやってる別店舗では、全てのジュエリーのタグにvintageって書いているんだな

中垣:まあそりゃね、もうしゃあない。

松田:だからまあ諸々めんどくさかったら ピー で買ってもいいとは思うけど、特に物に詳しいわけでも安いわけでもないから、安い分ヤフオクの方がよくない?ってところかな。この 某大手 がやってる別店舗では、現行のシェーヌダンクルを308,000円で売ってるくらいやしね。

中垣:うお…えげつないな。

ここで超優良コレクターのアカウント教えてあげます

snaple5877さんの出品リスト – ヤフオク!

シャトン99 – ラクマ

松田:で、次が中目黒の 某ディーラー 、これはもうすごいよ。

中垣:笑

松田:今はどうなんか知らんけど、以前はヤフオクでもeBayでもVestiaireでも仕入れてたからね。ポップアップ前の時期とかはもう、ヤフオクでリングじゃんじゃん買ってたもん

酒井:へー。

松田:そもそもなんでおれがこんなこと知ってるかって、 ピー

中垣:あー…なるほど。

松田:ほんで ピー っていう…

酒井:笑

松田:それでこの 某ディーラー に関しては、アクロバットについてぜひ話しておきたいね。このアクロバットっていうのは、今の相場は70万円くらいのとても希少とされているブレスレットやねんけど…

酒井:はいはい。

エルメス アクロバット
Image: doo-bop

Vol.3627【Vintage HERMES】 – doo-bop

松田:で、これを最初に扱ったのは実際にこの 某ディーラー やねん。それまで国内では全然目にすることはなかった。

中垣:そうやんね。まあレアいモデルは見つけてくるよね。

松田:それはそうよ。それに当時海外では10万円もあれば買えたモデルを、相場をぐいぐい上げて今の価格に固定し続けてるのはすごいと思うよ。インスタのポストでチラチラ見せながら期待を煽っていったっていうのは結構すごい。

中垣:そうよね。

松田:しかしえぐいのが、さっきヤフオクのアカウントを存じ上げてるって言ったやん? で、この前アクロバットのGMがヤフオクで80万円で落札されてんけど、買ったのがまさにそのアカウントやったっていう…

エルメス アクロバット
Image: ヤフオク!

◆HERMES エルメス アクロバットGM ブレスレット (19コマ)◆AG925/silver /シルバー/廃盤/メンズ/レディース/アクセサリー/KI1004 – ヤフオク!

中垣:うお…

松田:ウェイティングがあるのか、相場を買い支えたいのか…何しかえぐいマッチポンプやんな。

酒井:すごいな笑

中垣:まあ…とは言えね、どこまでいっても古着ってそういうもんやから。結局は見つけられへんやつが悪い

松田:いやそれはそう。買うやつがいる以上それはそれやし、買ったやつが舞台裏を知ってモヤるんだとしたら、それは何も考えんと買ったそいつが悪い

松田:実際そうやねん、なんぼ言うても転売とは違うわけでさ。

中垣:そうそう。

松田:ヨドバシカメラにあるはずのSwitchがメルカリにあればこれは転売やけど、普通の人は名前も知らん、どこで買えるかも分からん物を売ってるわけやから。

Source: commmon

c エルメスのTintamarreと転売の是非

中垣:そこは断じてそうやね。

松田:だからちゃんとした店で買うんならそこのプレミアは素直に受け入れるべきやし、それがでけへんのならヤフオクでよう分からん出品者から買えばいいんじゃない?って話やね。

中垣:でもそうなると必要なのはさ、商品に対する知識と待つ忍耐なわけやんか。

松田:うんうん。

中垣:知識についてはcommmonでもある程度話してるけど、待つ忍耐ってなると…例えば珍しいモデルになるとさ、出てくること自体があんまないわけやん?

松田:いや…まあどうやろう。今エルメスのブレスレットを買ってる人って転売目的の人が圧倒的に多いから、言うても大体のモデルはオクで買えると思う

中垣:あー、そうなんや。

松田:ただ、例えばGeorges L’Enfantの18Kのシェーヌダンクルとか、そういう海外での人気が高くて単価も高いモデルになると、体力と顧客を抱えてる大手が仕入れるしか日本に入ってくる理由がないから、その辺は店で買うのが丸いかもね。

Hermès, Gold bracelet, ‘Chaîne d’ancre’, circa 1950 – Sotheby’s

中垣:はいはい。あとはまああれちゃう? 全く同じものでも店が一回仕入れたものを買うことで、それは確実に”本物”になるわけやん

松田:まあそうね笑

世間ではエルメスのアフターサポートに出すことで真贋を鑑定するのが流行っているみたいですが、エルメスが過去に販売した全てのモデルのゴム型もしくは実寸のデータを保管していない限り、あるいはシルバーの割り金に特殊な金属を使用していない限り、参照するマスターのないシルバージュエリーなんてなんぼでも偽造できると思うので、アフターサポートから返ってくることは真贋判定の十分条件にはならないというのが個人的見解です。

中垣:そこの安心感のために店で買うのも、まあ悪くはないよね。

松田:まあそうね、結局そういうもんやしな。それにそういうややこしいことを言うんなら、初めからプロパーで買えよっていう話もあるで

中垣:はいはい。

松田:シェーヌダンクルの定価については既に話した通りやし、どんなレアモデルも頼んで待ったら手には入るよ。

シェーヌダンクルの定価
TGM 192,500円
GM 171,600円
MM 165,000円

c シェーヌダンクルについて学ぼう

中垣:うんうん。

松田:まあプロパーで買えるのは現行モデルだけやけど、そもそもの部分でおれはヴィンテージみたいな価値観があまり好きではないので、ここではそういうやつの気持ちは慮らない。

酒井:笑

松田:あ、そう言えば日本のエルメスのオンラインって在庫が全然ないねんけど、USのオンラインならほんまに何でも売ってるねんやんか。

The official Hermès online store – Hermès USA

酒井:へー。USのオンラインでは買えないんですか?

松田:それがね、無理なんすよ。前にUSのオンラインで買ってフォワーダーの住所に送ろうとしてんけど、そしたら「住所がアレなんで電話で詳細聞かせて?」っていうメールがきて、電話なら負けると思ったから「メールじゃあかん?」って返信してんけど「電話じゃないとダメ」って返ってきて、えぐいなぁ…とか思ってたら半日後に一方的にキャンセルメールが送られてきた

酒井:へー笑

松田:でも偉いよね。ベトナムでエルメスに行ったときも日本との価格差はほとんどなかったし、その辺のガバナンスはしっかり効いてる気がする。

中垣:じゃあもう酒井がアメリカに引っ越してや。

松田:あー、ええやん。

酒井:現地で買って松田さんに送る係か…しんど笑

2021年1月1日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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エルメス シェーヌダンクル ゴールド
HeaderImage: Sotheby’s

1950年代に製作されたエルメスのブレスレット。製作元のGeorges L’EnfantはCartierやHermès、Van Cleef & Arpelsなどにジュエリーを提供した、ミッドセンチュリーを代表するジュエラー。特にCartierではマスタージュエラーとして活躍した。

Hermès, Gold bracelet, ‘Chaîne d’ancre’, circa 1950 – Sotheby’s