前言語的確信に言語によって漸近するというスタイルなので、その場の雰囲気で口にしている部分も多々あります。「ここはこうなんじゃね」「いまいち言ってることが分からんぞ」とかがあれば、ぜひ次回以降に参加して指摘してください。
中垣:太郎が来るまで、
太郎:はいはい。
中垣:そのときに何が問題になるかやねんけど、
太郎:そうだね。
中垣:言うたら整形と一緒なわけ。もちろん、おれが明日からいきなり高橋になったら不便やねんけど、それは別に明日からいきなり二重になるのもそうなわけ。
松田:まあそうやんな笑
中垣:って考えたとき、
結婚して妻の姓を選んで信用情報を清算した「愛沢」が出てきます
太郎:はいはい。
中垣:おれと会う約束をしていたのに
太郎:はいはい。
中垣:それが政府の発行するIDとそれに紐付けられた詳細な行動履歴なのか何なのかは知らんが、とにかくそこで登場する保険として、
水商売周りでなら今すぐにでも始められそう
太郎:それはどうなんだろう、
松田:いや、まあそうやとは思うで。だからあくまで、
太郎:あー、なるほど。
中垣:おれの代わりにめっちゃ美人が来るとかね。
何を期待されていると思っているのか
松田:だから、例えばおれが中垣と茶をしばくことを約束したとして、
太郎:あー。
松田:その実現にどれだけのリソースがいるのかは知らんが、
太郎:なるほどね。ちょっと話がずれるかもしれないんだけど、外出して職場に通うことができないような障害を抱えている人が、ロボット経由で接客するみたいなことをやってるカフェが渋谷にあって…
松田:はいはい。
太郎:何が言いたかったって、今の松田の話って全然ナンセンスではないなと思って。
中垣:はいはい。
人格というマスターデータがあれば、それが寝たきりであれ、機械を媒介して現実世界に影響力を行使することができるのです。
さらにそのマスターデータが今ここにいるフィジカルな「私」が保持する限りのものではなくなった場合、どういうことが起こるのでしょうか。話は続きます。
松田:もちろん今は、人間が普段している通りに世界を認識してそれを再現することは機械にとって非常に難しそうではあるねんけど、いずれそうではなくなるわけやん。それこそ今おれが触ってるこのテーブルの天板も、
中垣:はいはい。
松田:そういう全てを人間以上に知り得るのであれば、
中垣:そういう意味で、人が来なくてもその効用を担保できるようになるっていうのは確かにあり得るよね。
太郎:うーん…
中垣:「おれの性感帯はここやったんか…」みたいな、
松田:まあたぶんそういうことやな笑
太郎:…で、そういう世界では名前が失われるってこと?
松田:じゃないかな?って。そもそもなんで名前が大事かって話やねんけど、
太郎:原本?
松田:名前を根拠とする一貫性のある人格という原本がないと、ある人が昨日も今日も明日も一ヶ月後も同じその人であるっていうことを確信できなくなってしまうわけやん。でも仮に中垣が明日から高橋になって、人格の点でも具体的な行動の点でもそれまでとは非連続的な人生を歩み出したとしても、
太郎:あー…
中垣:今はいない中垣ってやつが過去に借金をしてたとしても、同じIDの人に請求すればいいもんね。
太郎:人間の知覚の解像度を超えたマスターの話と名前の話がどうつながるのかが、いまいち分かってない。
松田:今中垣が言ったようなやつなら別にできると思うねん。つまり
中垣:うんうん。
松田:というより、さっき言ったような理想的な未来では、
中垣:あ、IDカードとの紐付けもなくしちゃうってこと? 「僕は中垣じゃないし、このIDも知りません」って言ってもいいってこと?
松田:実際、名前とか顔を変えることの理想ってそれやん?
中垣:うんうん。
松田:で、もし中垣の一挙手一投足が限りなく理想的にマスターデータに反映されていたら、中垣というフィジカルな実体が責任を負わんでも、さっき言ったような理屈でなんとかなりそうやん。
中垣:あー、はいはい。なるほどそういうことね。
松田:もはや中垣なり高橋がバックれても大丈夫やねん。
中垣:うわー、そういうことか…でもそれって確かにあり得そう。
松田:で、ここでインスタグラムの話をしたいねんけど、おれはインスタグラムのアカウントとかGoogleのアカウントとかを結構な頻度で作り直すねんな。これがなんでかって、
中垣:うんうん。
松田:なんでそうなるかって、アカウントに反映できる「私」の情報があまりに少な過ぎるからやねん。
中垣:そういうことやんな笑
太郎:あー、うんうん。
松田:だからいつでも「やーめっぴ」って言って、すぐに新しい試みを始められるようになるねん。
中垣:し、人間の価値は今ここにこそあるという価値観からすると、そっちの方がよりいいやんね。
松田:そう、その辺の
中垣:Google Earthって日時を指定して閲覧することができるやん。そういう感じで、
完璧なストリートビューがあれば世界は何度でも再建設できる説っていうのが commmon ではあってですね…
松田:まあそんな感じやと思う。だからフィジカルの中垣にとっては、ほんまのほんまに今ここのみが問題になるようになる。
中垣:そうやんね。
松田:しかもその線で言うと
中垣:うんうん、そうやんね。
松田:そうそう。
中垣:やばいな。しかもそこで生まれるカルチャーってなると、これはもう分からんよね。TikTokどころの騒ぎじゃなさそうやもん。
中垣:しかも、次何かが流行るとしたらそいつはTikTokを乗り越えてくるわけやろ、これはもうやばいよ。
松田:それはすごいね。
中垣:もうあれやんね、5段階くらい先に禅が来てもおかしくないくらいに加速してるよね。
Source: commmon
松田:
中垣:理想論やけど、でもそんな気がするな。
太郎:なんかあれだな、
もっと言ってやってください
中垣:モラルなんてね、豊かさが十分に蓄積される途上の産物やからね。
太郎:いやまあ、言ってることは分かるけどね笑
松田:もちろんエクスキューズさせてもらえるのなら、別におれだって、今言ったことの周辺で何が起こるかについてはまだまだ考えは及んでいないよ笑 ただ、
今もないぞ
中垣:あとはまあ…現にじゃないけど、
松田:あー、確かに。
太郎:なるほどな。
中垣:しかもそうなってこそさ、
松田:確かに。
藤原ヒロシのインスタアカウント、新しいポストのたびに直前のポストのこと忘れてそうな見た目してて好き
中垣:そうそう。それは最後まで、どうしても否めないもんね。
2020年12月25日
Aux Bacchanales 紀尾井町