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【図解】おとなの四象限

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kotohayokozawa ロゴ

横澤琴葉
ファッションデザイナー

中垣が大学時代にインターンでお世話になったブランド「kotohayokozawa」のデザイナー。
かつては手を動かして物を作ることが大好きだったのに、頭でっかちになり過ぎたせいで何も作れなくなってしまった中垣や松田にとって、多くを学ぶべき相手なのである。

kotohayokozawa.com

kotohayokozawa – Instagram

kotohayokozawa – Twitter

中垣:一口に大人って言っても、精神的に成熟してることと、社会に適応してることってちょっと違うと思うんですよ。

コトハ:そうなの?

中垣前者は他人から何を言われても気にならないとか、マウンティングをしないとかそういうもので、後者はルールを守れることを指していて

コトハ:あー、なるほどね。

前者なら任せろ

c 人間的な豊さに目を向けるには

中垣:それで、その2つの軸で切ったときの4象限をそれぞれ見ていきたいんですけど。

コトハ:じゃあ、めっちゃ落ち着きのある赤ちゃんとかもいるってことね

中垣:まああれですよ、あくまで年齢的に大人とされる人に限っての話です笑

松田:笑

中垣:まず右上の人、つまり精神的に成熟しているし社会にも適応している人、これが本当の意味での大人ですよね。社会の良心というか、この人達がいないと世の中が回らない

おとなの四象限
Image: commmon

c 公共が主題になる人と、自分が主題になる人

コトハ:うんうん。

中垣:逆に左下の人をみると、これは精神年齢が低いから扱いが大変なんだけど、社会に適応していないからこそできる発想みたいなのも持ってるわけですよね。まあつまり子供なんですけど。

おとなの四象限
Image: commmon

コトハ:そうだね笑

中垣:さっきの話で言うと破天荒なだけの人ってここなのかな、と。

コトハ結果を顧みずにバチーンって突き抜けちゃう人ね

コトハ:もちろん偶然は受け入れつつ、それを感覚だけじゃなく知識に照らしながら賢くやっていける人が本当にすごい人なんだとは思うんだけどね。本当に感覚だけでバチーンっていっちゃうと、結局前回と今回を比べることができなくて、本当に破天荒なだけのやつみたいになっちゃうから、それはそれで響かないんだよね。

松田:うんうん。

コトハ:そういう感覚も大事にしつつ、基本的な知識とかはちゃんと持っていて、地に足着いてるって感じじゃないとね。

松田:破天荒なだけの人って、きちんと想定をすることもなしに勢いだけで変な方向に行っちゃって、でも当初の想定がないから反省もできなくて、それはそれだけで終わっちゃうって感じですよね。

コトハ:うんうん。

Source: commmon

あらゆる創造に当てはまる原則について話した、個人的に大好きな回

c 頭で考えるだけじゃ作れないもの

中垣:次に右下をみるとこれは最悪で、ルールには従うけど感情ベースでものを言う人、僕と彼女はこれをババアって呼んでるんですけど…

おとなの四象限
Image: commmon

コトハ:だめだ、めっちゃおもろい笑

中垣:まぁ言ってみれば老害みたいな感じですかね。ルールを守らない人に対してブチギレる人はここなのかなと思ってます。

c 路上喫煙の注意の仕方

松田:はいはい。

中垣:で、本当に理想的なのは左上の人達で、これは少年とか少女っぽいエネルギーがありながらも、他人の気持ちは分かる人ですね。

おとなの四象限
Image: commmon

松田:最初はパッションドリブンでいくけど、後からきちんと顧みるひとね。

中垣:そうそう。例えば洋服のデザイナーだと…これに当てはまる人って誰なんですかね?

コトハ:それこそ、一昨日ぐらいに石岡瑛子展に行ったのね

中垣:…初めて名前聞きました。

コトハ:『ザ・セル』とか『落下の王国』なんかの、ゴリゴリの衣装デザインを手掛けている人。

中垣:へー。

落下の王国
Image: 東京都現代美術館

石岡瑛子(いしおかえいこ) 
1938年東京都生まれ。アートディレクター、デザイナー。東京藝術大学美術学部を卒業後、資生堂に入社。社会現象となったサマー・キャンペーン(1966)を手がけ頭角を現す。独立後もパルコ、角川書店などの数々の歴史的な広告を手がける。1980年代初頭に拠点をニューヨークに移し、映画、オペラ、サーカス、演劇、ミュージック・ビデオなど、多岐にわたる分野で活躍。マイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケットデザインでグラミー賞受賞(1987)、映画『ドラキュラ』の衣装でアカデミー賞衣装デザイン賞受賞(1993)。2008年北京オリンピック開会式では衣装デザインを担当した。2012年逝去。

Source: 東京都現代美術館

石岡瑛子 – 東京都現代美術館

コトハ:ずっと衣装デザイナーをやっている人だと思ってたんだけど、資生堂に新卒で入って、当初はグラフィックデザイナーをやってたらしい。新卒って言っても疎開を経験してるくらいだから、キャリアはめっちゃ長いんだけどね。その資生堂時代からキャリア終盤までの作品が、一挙に清澄白河の現美で展示されてて

もう終わっちゃいました。終盤は激混みだったみたいですね

松田:はいはい。

コトハ:それで印象的だったのが、衣装自体は自己が確立されててギャンギャンな感じなのに、そのデザイン画は学生が描くようなとてもピュアな絵に見えたのね。これは、もしかしたらひねくれた見方なのかもしれないけど。

Phrase of the Day
自己が確立されててギャンギャンな感じ

中垣:あー、なるほど。

コトハ:それを見て、芯の強さと同時にセンシティブな心を持ち合わせてる人だったんだなと思って。もう亡くなってるし、実際のところ確かめようはないんだけどね。

中垣:うんうん。

コトハ:それに80年も生きてると、初期の作品なんて遠い昔なわけじゃん。それをインタビューで思い出しながら「われながらよくやったなと思うわ」みたいなこと言ってて、それってめっちゃかっこいいじゃん。

松田:はいはい。

コトハ:あとはかっこいいとか綺麗みたいな、そういうツルツルしたものはつまらんみたいなことも言ってた。やっぱそういう人はいいよなと思うよね。

Phrase of the Day
ツルツルしたものはつまらん

松田たぶん岡本太郎もそんな感じなんですよね。「いやな感じ!」って言って展覧会を去って行ったご婦人を見てガッツポーズした、みたいなことを本の中で書いてて。

 「あら、いいわね」
 「しゃれてるじゃない」
 「まことに結構なお作品」
 なんて言われたら、がっかりだ。こちらは自分の生きているアカシをつき出している。人間の、ほんとうに燃えている生命が、物として、対象になって目の前にあらわれてくれば、それは決して単にほほ笑ましいものではない。心地よく、いい感じであるはずはない。
 むしろ、いやな感じ。いやったらしく、ぐんと迫ってくるものなのだ。そうでなくてはならないとぼくは思っている。

Source: 岡本太郎(2017)『自分の中に毒を持て』青春文庫

何回でも言うけど全員買えよ

c 岡本太郎(2017)『自分の中に毒を持て』青春文庫

コトハ:まさにそうだよね。

松田:でも彼らってどれなん? その4象限が想定できていないバケモン感があるやん

中垣:微妙やけど…大人っぽさと子供っぽさのバランスで言えば左上っぽい気はするけどな。

コトハ:他の例だと川久保玲もそれに近いかなって思ってる

中垣:僕も、大人だけど少女ってのは川久保玲をイメージしてました。

コトハ:彼女ももう高齢だからいつまで作品を見られるか分からんみたいな話は聞くけど、今でも年々ぶっ飛んできてるのね。モビルスーツみたいな服出したりさ。

中垣:はいはい笑

コトハ:でもその反面、めっちゃ可愛くもなってるの。めっちゃガーリーなの、少女なの

💞💞💞

松田:うんうん。

コトハ:彼女って会社員からいきなりデザイナーになったわけじゃなくて、最初はコムデギャルソンっていう名前のセレクトショップを表参道あたりに開いたとこから始まったのね。そのときのテイストは今と全然違くて、めっちゃガーリーで、カントリーっぽい感じなの。

最初の店舗がセレショであることのソースがちょっと見つからんかったですすまん

中垣:へー。

コムデギャルソン 初期
Image: magnif_zinebocho/Instagram

マグニフ magnif – Instagram

コトハ:森ガール先駆け、みたいな感じだよね笑

松田:笑

コトハ:それでなんかのインタビューで、そのお店のオーナーの川久保玲さんですみたいな感じで撮られてる、ちょこんと座ってる写真があるんだけど…

中垣:あー、それ見たことあります。まだちょっとOLっぽさが残ってるやつですよね

コトハ:そうそう。やがて世間が求めるイメージもあって今みたいな強い感じになっていくんだろうけど、根っこには当時の少女っぽさがあるんだろうなって思うんだよね。

川久保玲
Image: THE NEW YORKER

Unsettling Vision of Rei Kawakubo – THE NEW YORKER

松田:うんうん。

コトハそれこそコムコムとかってそうじゃん

中垣:丸襟のシャツとか、まさにそうですよね。

松田:うん、めっちゃ分かるな。

COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS – FASHION PRESS

コトハ:そうそう。よくお年寄りと赤ちゃんは一緒とか言うけど、死が近づくにつれあどけなくなるというか、そういうのってグッときちゃうよね。

おとなの四象限
Image: commmon

今日のまとめ

2021年1月23日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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