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生きづらさ

愛の対象をめぐる問題

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河東:前提としておれは、恋愛を言語化するとか理屈付けるみたいなことは信じたくないというか、どちらかというと運命を感じなさい型なのね。

その類型化知らねぇ…

松田:はいはい。

河東:普通に出会ってそれが運命だった、みたいなものがあると思ってる側やから、今から言うような話はあんまりしたくないねんけど…

松田:はい笑

河東:で、別に何の結論も出てないし、何を問いたいのかもあんまり分かってないねんけど、おれは昨日『花束みたいな恋をした』っていう映画を観たのね。

中垣:あー、はいはい。あれはどういう映画なん?

河東:これがめちゃくちゃええねん。菅田将暉と有村架純が終電を逃して偶然一緒になるとこから始まるねんけど…なんかね、好きな小説家とか音楽とか、二人のサブカルの趣味が見事に全部一致すんのね。「ガスタンクが好き」みたいな、そういうのまで一致するねん。

松田:あー、はいはい。

中垣:え、何? ガスタンク?

河東:なんか菅田将暉は一時期ガスタンクにはまってて…

中垣:あー、そういうね。「暗渠が好き」みたいなやつね

松田:笑

c 散歩の楽しみ方

河東:ほんまにかなりニッチな線でも一致するねん。「音楽はLとRがあるんだから、イヤホンで片耳ずつ聴いてるカップル、あれは何の意味もないんだよ」とか。

中垣:それはまあ確かに笑 たまにめっちゃ振れてるやつとかあるもんな。

河東:そうやって、しつこいくらいに全部一致するねんけど、途中から菅田将暉が就職して社会に飲まれていく感じになって、徐々にすれ違うようになって結局別れちゃうって話なのね

中垣:はいはい。

河東:それでやねんけど、おれ、前の彼女と別れてからペアーズを始めたのね。これは別に彼女が欲しいとかじゃないねんけど、おれはベースとして、なんか女の子のことが好きやねんな

中垣:え、なんなんそれ。そんなんみんなそうやろ笑 どういうことやねん…

松田:笑

ペアーズ
Image: Apple

河東:恋愛体質…なんかな。なんしかそういうところがあるねん。

中垣:あー、でも確かに。だいたいずっと彼女いるもんね。

河東:そうやねん、別れるくせにおるねん。だから別に彼女が欲しいわけではないねんけど、このご時世やから人に会うことがないし、知らん人とメッセージのやりとりするのもおもろいしでやってるねんな。

中垣:はいはい。

河東:で、ペアーズにはコミュニティっていうのがあって、「バスケが好き」「海が好き」みたいな感じやねんけど、所属してるコミュニティの一致を元にマッチング率みたいなんが出るねん。

中垣:うんうん。

河東:もちろんおれも適当に選んだコミュニティに入ってはいるねんけど、そのコミュニティーがあまりにたくさんあるのね。それでなんか…一致してるコミュニティーが多い人に魅力を感じると思っててんけど、それが逆に枷になることもあってさ

松田:あー、はいはい。

「同じ」と「違う」をめぐる問題ですね

井筒俊彦(1991)『意識と本質』岩波文庫
Image: Amazon.co.jp

井筒俊彦(1991)『意識と本質』岩波文庫

河東:例えばマッチング率が90%とかやと、いろんな趣味が合ってるはずやねんけど、今度はそれに縛られて、どのタイミングでそのことを話そうとか、どれくらいのガチさで話そうとかってなって…

中垣:あー。

河東:あとはマッチング率が30%とかでも、それはそれで別にいいんじゃないかとも思うし…

松田:はいはい。

河東:それで聞きたかったのは、今言ったような文脈での commmon の恋愛観というか…

中垣:そんなんここで聞いたら絶対あかんやろ笑

松田:まじで勘弁してくれ笑

全員童貞です

河東:まあまあ。でもさ、何かしら言語化し得ることはないのかというか…おれはもうね、分からへんのが辛いねん。体力も使うし、しんどいし、もうこれ以上適当なノリで付き合ったりしたくないのよね。

みなと:笑

河東:前に松田にも言ったみたいに、今後彼女ができても普通に付き合える気はしないねんけど、とは言え彼女が欲しいという生来の気持ちもあって…ってなったとき、何を条件に付き合うゴーサインを出したらええんかなって

松田:あー、はいはい。そういうことね。

河東:自分の「この子ちょっと素敵やな」みたいな感覚が信用できないことはもう分かってるねん。だから、言われたこと全てを盲目的に信じきるわけではないねんけど、誰とどう付き合うべきかに関して、何かしら言語化できることがあればそれを後ろ盾にしたいというか…

これが今日の主題

中垣:うーん…

河東:松田とかはその辺どうなん? 全然まとまらへんまま聞くのもあれやねんけどさ。

松田:うーん…まあ話を聞いて思ったことではないけど、今の彼女との関係を松田はどう説明しますか?ということなら言い得るよ。

河東:うんうん。

松田:おれの場合、今の彼女と付き合うことにしたまさにそのことに関しては、経緯の上で偶然そうなったとしか思っていないのね。

みなと:まあそうだよな。

松田:「こういう相手と付き合いたい」とか「こういう条件で付き合いたい」というのがあって、それに基づいて関係を始めたのではないわけ。

河東:うんうん。

松田:むしろ自分にとって意味のあるのは付き合い出してから先やと思ってて、付き合い続けていることに関しては、まさにJust Do Itだという認識でいるよ。

河東:はいはい。

松田:それはつまり、最初から特定の条件のもと、それにかなう相手を選んで付き合い出したわけでは決してないし、相手が一人の人間である以上そんなことはそもそも不可能なんだから、「彼女のここが嫌」って言い出すのは間違ってるのね。

中垣:分かる分かる。

エーリッヒ・フロム(2020)『愛するということ』紀伊國屋書店
Image: Amazon.co.jp

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松田:それを言い出すっていうのは、すなわち「次はこういう人と付き合いたい」っていう主張に等しいんだけど、そもそも条件にかなう相手から選んで付き合い出したわけじゃないしそんなことは不可能なんだから、そういう理由で別れちゃうともう二度と他人と付き合うなんてできなくなる気がするというか…

河東:あー、はいはい。

松田:そういう、愛は対象の問題ではなく行為の問題であるという信念があるから、それをなんとか実践してるという感じやね。

みなと:うん、うんうん。

河東:あー、なるほどね。みなともそんな感じなん?

みなと:僕は、今の彼女とは高校生のときに本当に偶然知り合って、嫌だと思ったら別れればいいとは一応思ってるけど、今は大切に思えているし、その限りにおいてはまあ付き合っていようかなと思ってる

誠実なはずなのに不誠実っぽく聞こえる

河東:あー、まあ確かにな。

松田:ただあれやな、今の彼女とはTinderで会ってんけど、メッセージのやりとりをしてるときから「これは付き合うことになるな」みたいな直観はあったわ。

中垣:それ言ってたね。

松田:それで初めて待ち合わせたとき、まさかのバックレかまされてんけど、別にそのことで直観が損なわれることもなかったから、「どうせ付き合うことになってるしリスケするかぁ」って感じで二回目の約束をして、会ったその日に付き合い出したな。

河東:あー、なるほどな。それは運命信じたい型のおれに勇気をくれるね

松田:そうそう笑 ただ理論として一般化できているわけではないよ。ごくごく主観的な体験としてそういうことがありましたっていう話。

河東:うーん、なるほどね。

中垣:なんかさ、結果から定義される言葉っていう考え方に最近はまってるねんけど…

みなと:あー、なるほどね。

中垣:例えば「一生物」とかってそうやん。それで、愛についても結局はそうなんじゃないかと思いつつ、とは言えエッセンスを抽出して理論化するのは好きやから、その線で今の彼女とのことを説明すると…

松田:はいはい。

中垣:なんで今の彼女と付き合うことにしたかというと、分かりやすく言うと子供っぽさがあったというか、ひとつのドグマに毒されていない感じがあったというか、自分が経験上そう思ったのではないのに「これはこうだから」みたいに言うことが全くなかったから、「これはいけるかも」って思ったのはあるな。

みなと:あー、それは素敵だね。

中垣:それで付き合い出してんけど…まあ松田もよく分かるとは思うけど、それって別に良い意味での子供っぽさとかじゃなくて、シンプルに子供やねんな

c 【図解】おとなの四象限

松田:そう、そうやねん。ドグマに晒されながらも自分で考えられているとかじゃないねん、シンプルに子供やねん。

中垣:せやねん。悲しいときは「悲しい😢」やねん笑

河東:なるほどね笑

松田:まあパートナーって感じかと言われると怪しいよな。ここに子供が加わったらえらいことになるで。

中垣:そうそう笑 だから逆に別れるとしてもそこが原因にはなるかな。自分の人生を生きていない感じというか…他人ありきで生きてる感じ? 「寂しいときは抱きしめてほしい」みたいな、そこの程度が大き過ぎる。

みなと:あー…

松田:そうそう。「それはあくまでてめーの課題だぞ」とはいつも思ってる。

岸見一郎・古賀史健(2013)『嫌われる勇気』ダイヤモンド社
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岸見一郎・古賀史健(2013)『嫌われる勇気』ダイヤモンド社

中垣:だから理想の女性を言語化しとくと、そこのところを分かってて、おれが何もしてあげなくても勝手にふらふら生きてて、かつドグマに飲まれていない人…まあそういう人って超モテると思うんですけどね笑

松田:なるほどな…でもさ、じゃあなんでおれらはモテへんの?

中垣:あくまで女性に限っての話なんじゃない?

みなと:どうだろう、別に男性でもそういう人ってモテる気はするけど…

中垣:まあそうか。だから松田もちゃんとしたらモテるんじゃない?

松田:おれだってちゃんとはしてるよ笑

してません

みなと:笑

中垣:まあおれが思うのはそんなところかな。

河東:うーん…じゃあちょっと聞きたいねんけどさ、もしペアーズで新しくコミュニティを作るとして、そこに入ってさえいれば付き合う相手として確実に問題ないっていう十分条件になるコミュニティってあり得るかな

中垣:分かった、「commmon が好き」や。

松田:それさ、「おれのことが好き」っていうのとほぼ一緒やと思うで。

中垣:笑

河東:そこで「自分自身の人生を生きている」とか言っても意味不明やん。もうちょっとこう、参加ボタンを押し得るようなやつで…

みなと「人の話を最後まで聞く」とか、そういうことでしょ。

松田:まあ確かに、それくらい具体的な行動を指してないとあかん気はするな。

中垣:例えば洋服好きに関してならあると思うねんな。「アンリアレイジってちょっとアレだよね」って言ってるやつは信用できる、とかさ。

松田:笑

服の着方と金の使い方知らないダサい医者が着てる服っていうイメージかな

ANREALAGE

中垣:そういう踏み絵的なものって、服ならあると思うねんけど…

河東:なんか、ペアーズの「バスケが好き」とか「サーフィンが好き」とかってまじでどうでもいいねんな。なんかええ感じのやつを思いついたら新しくそのコミュニティ作りたいねん。

松田:なんやろうな。

河東:中垣がさっき言った「ドグマに毒されていない」とかはありなんかもしれんけど。

松田:ちょっと抽象度が高過ぎるねんな。

中垣:あとはそもそもの話をすると、ハッシュタグ的なものになった時点で既にドグマやから、それを自分から表明してる時点で既に違う気がするねんな

松田:だから何かの表明じゃなくて、事実の話にせなあかんよ。「井筒俊彦の『意識と本質』を30回以上読んだ」とかね。

中垣:笑

松田:「今晩世界が滅びると知っても今日の予定を変えない」とかね。まあこれはちょっと事実の話ではないけど。

みなと:さっきも言ったけど、僕的には「人の話を最後まで聞く」っていうのは大事な気がするんだよね。

松田:でもこれ、もうちょっと頑張って漸近できる気はするな。

みなと:そうだよね。

河東:あとは女の子が見ても「キモ…」って思わないようなやつでね

今まで出たやつ全部アウトです

中垣:でもどうやろ、なんか無い気もする…というか、自分にとって相性の良い人に共通のエッセンスを言語化することはできると思うけど、それをペアーズのコミュニティ名に落とし込むのは無理な気もするで

河東:なんかおれのためにみんなごめんな笑 でも今のおれにとっては恋愛がホットトピックやねん。

松田:ええやん、ユースやん。

中垣:でもさ、趣味が一緒ってほんまに虚構っぽいなと思っててんけど、逆に男友達やとそういうのってあったりせん?

河東:あー、確かにね。

中垣:まあ友達同士ならトピック絞って付き合えるからね。

松田:そうやんな。だいたいパートナーって結局は相手の人格を丸ごと飲み込むことになるねんから、部分の一致についてどうこう言うことに意味が無いし、共通項って言ったってグリットの引き方次第で多くも少なくもなるわけで…

中垣:そうそう、ほんまそうやねん。

松田:だからやっぱ共通項なんてクソやで。もう「誰でもいいと思ってる人」でいいよ

みなと:あー、なるほどね。

松田:とんでもないヤリマンが混ざる可能性はあるけど。

河東:笑

中垣:いや、でもそれくらいの方がいいと思うよ。こっちが嫉妬さえしなければ付き合いやすそうやで

c 愛と嫉妬

2021年2月21日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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