やや抽象的なんですけど、でもすごく悩んでいるんです。
みなと:今週のClubhouseでさ、
エブリ平日の23時からやっています
松田:まあお金でも何でもいいけど、
みなと:笑 そうそう。それでぼんやり思ってたんだけど、僕はパワーは目的ではないと思ったというか…
松田:うんうん。
みなと:まあこれは願望的なところもあるんだけれど、
松田:はいはい。
みなと:一方で、coolでintelligentなだけでは通用しない場面での説得力がパワーにはあるっていうのもすごく納得できるんだけど…でもどっちかと言うとそれも、あくまでその結果をもたらしたもの自体の説得力なんじゃないかというか。
coolとintelligentさえ怪しい
松田:うんうん。
みなと:まあそう思いたいというのが僕の立場かな。本質的な目的として目指すべきものでないのはもちろん、
松田:いやぁ…うんうん。それはそうやんな。
みなと:けど、確かに説得力があるというのはその通りで…これ以上はあんまり言語化できていないんだけどね。
松田:うん、でもすごい分かるよ。少なくとも、それを目的とするのは違うっていうのは…それはもっともで、その程度は結果の限りにおいてであるべきだとは思うねん。coolとintelligentとpowerを並列させると、powerだけ明らかに異質やもん。
みなと:それで、パワーが本質的な説得力を持つってことを認めるんだとすると、
松田:そうやねん。パワーって一般性が高いから、
みなと:笑
松田:し、個人的にはそういうパワーの行使も効果のあることだとも思うんだけれど…うん、でもすべきではないよな。一度やり出すともうチキンレースやもんね。一生終わらへんどつき合いになるよね。
みなと:そう、そうなんだよね。たとえ手段としてであっても、その原理をインストールする怖さはあるというか、
松田:いやぁ、まあそうやんな。
力の観念は、人格とか、相互依存とか、感謝とか、その他さまざまの相互関係の心を斥ける。われわれは、科学の進歩、たえず改善される技術、ならびに工業化一般によっていかなる恩恵を引き出そうとも、みながひとしくその恩恵にあずかることは許されない。
Source: 鈴木大拙(1987)『禅』ちくま文庫
みなと:まあそう思うというよりは、そう思いたいという話なんだけどね。
松田:確かにね、確かに手段としてさえ良くないとは思うよ。ただ極端な話、目的は手段を正当化するっていうことは言い得るわけで…
問うた時点で負けてた
みなと:うん…そうだね。
松田:きっと方法を問わず黙ってパワーを獲得して、それを本筋の成果として掲げるところまで黙ってやると思うねん。
みなと:なるほどね笑 会社員で言うと、あらゆる方法をもってしれっと出世してるみたいな感じだよね。
松田:そうそう。
みなと:うんうん。
史村翔・池上遼一(1990)『サンクチュアリ 1』(ビッグコミックス)小学館
松田:ただ、そこまで強い動機ってかなり稀で、ほとんどの人にとってはパワーで張り合って他を圧倒するのはそれだけで気持ちの良いことだし…
みなと:うんうん。
松田:それにパワーの獲得ってそれなりに大変だから、
みなと:確かにね、ある気がするね。
松田:つまり、ほんまにそういう理想があるのであれば徹底的な選択と集中のもと合目的的にのみ邁進すればいいのだけれども、とは言えカリスマの「 ピー さん」になることにも魅力を感じちゃってるんやと思うねん。
みなと:うんうん。
松田:でも実際のところ「 ピー さん」になることの効用って、当初の理想からはやや外れたところで最大化されるから…
中垣:しかも完全に逆向きのベクトルっていうわけでもないのがミソやんね。それぞれに親和性が全く無いわけでもないから、気付かないうちにそっちに寄っちゃうっていう。
Source: commmon
c 富と名声の罠
松田:その上でなお、さっき言ったような
みなと:なるほどな。
松田:はぁ…どうしたらええんや。
アゴタ・クリストフ(2001)『悪童日記』ハヤカワepi文庫
2021年3月7日
Aux Bacchanales 紀尾井町
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