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お金のこと 思索

おれらがフェラーリ乗ってたら、ちゃんと話聞いてくれる?

4 years

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やや抽象的なんですけど、でもすごく悩んでいるんです。

みなと:今週のClubhouseでさ、coolとintelligentに加えて…何が大事なんじゃないかって言ってたっけ? お金?

エブリ平日の23時からやっています

松田:まあお金でも何でもいいけど、結局powerも大事なんじゃないかって話やったね。ちょっと品詞が揃ってへんのが気にはなるけど…

みなと:笑 そうそう。それでぼんやり思ってたんだけど、僕はパワーは目的ではないと思ったというか…

松田:うんうん。

みなと:まあこれは願望的なところもあるんだけれど、目的でないのはもちろん、手段であってさえほしくないというかさ

松田:はいはい。

みなと:一方で、coolでintelligentなだけでは通用しない場面での説得力がパワーにはあるっていうのもすごく納得できるんだけど…でもどっちかと言うとそれも、あくまでその結果をもたらしたもの自体の説得力なんじゃないかというか。

coolとintelligentさえ怪しい

松田:うんうん。

みなと:まあそう思いたいというのが僕の立場かな。本質的な目的として目指すべきものでないのはもちろん、手段としてさえ目指すべきものでもはなく、どこまでも結果として獲得するべきものなんじゃないかなっていう。それを手段として用いちゃうと、本来目指しているものから外れていくような気がするし。

c よいものが売れる vs 売れるものがよいもの

松田:いやぁ…うんうん。それはそうやんな。

みなと:けど、確かに説得力があるというのはその通りで…これ以上はあんまり言語化できていないんだけどね。

松田:うん、でもすごい分かるよ。少なくとも、それを目的とするのは違うっていうのは…それはもっともで、その程度は結果の限りにおいてであるべきだとは思うねん。coolとintelligentとpowerを並列させると、powerだけ明らかに異質やもん。

みなと:それで、パワーが本質的な説得力を持つってことを認めるんだとすると、目指しているものがパワーそのものじゃなくても、それの持つ説得力を獲得することには価値があるっていう、ちょっと気持ち悪い状況になるんだよね。

松田:そうやねん。パワーって一般性が高いから、全く別の由来のパワーであってもそれを本筋の結果としてすり替えることができるわけやん…要はこれインフルエンサーのことね?

みなと:笑

松田:し、個人的にはそういうパワーの行使も効果のあることだとも思うんだけれど…うん、でもすべきではないよな。一度やり出すともうチキンレースやもんね。一生終わらへんどつき合いになるよね。

c お金はチキンレース

みなと:そう、そうなんだよね。たとえ手段としてであっても、その原理をインストールする怖さはあるというか、他者を圧倒する二元的なルールで自分と周囲を位置付けていくことを言っているようで…

松田:いやぁ、まあそうやんな。

力の観念は、人格とか、相互依存とか、感謝とか、その他さまざまの相互関係の心を斥ける。われわれは、科学の進歩、たえず改善される技術、ならびに工業化一般によっていかなる恩恵を引き出そうとも、みながひとしくその恩恵にあずかることは許されない。

Source: 鈴木大拙(1987)『禅』ちくま文庫

鈴木大拙(1987)『禅』ちくま文庫

みなと:まあそう思うというよりは、そう思いたいという話なんだけどね。

松田:確かにね、確かに手段としてさえ良くないとは思うよ。ただ極端な話、目的は手段を正当化するっていうことは言い得るわけで…仮に目的を排他的に確信している人がいたとして、そいつが手段としてのパワーを行使するのならどういう形をとるのかを今考えてみてんけど、おそらく口をつぐんで実行すると思うねん。

問うた時点で負けてた

みなと:うん…そうだね。

松田:きっと方法を問わず黙ってパワーを獲得して、それを本筋の成果として掲げるところまで黙ってやると思うねん。

みなと:なるほどね笑 会社員で言うと、あらゆる方法をもってしれっと出世してるみたいな感じだよね。

松田:そうそう。権謀術数をめぐらして、なんとしても出世して役員になって、そこで初めて内に秘めたるものを実行に移すと

みなと:うんうん。

史村翔・池上遼一(1990)『サンクチュアリ 1』(ビッグコミックス)小学館
Image: Amazon.co.jp

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c 漫画『サンクチュアリ』が結構好き

松田:ただ、そこまで強い動機ってかなり稀で、ほとんどの人にとってはパワーで張り合って他を圧倒するのはそれだけで気持ちの良いことだし…

みなと:うんうん。

松田:それにパワーの獲得ってそれなりに大変だから、目的をよほど排他的に確信していない限り、パワーの獲得自体に自己同一化しちゃうと思うねんな。いつの間にか手段が目的になっちゃうことがほとんどなんやと思う。

みなと:確かにね、ある気がするね。

松田:つまり、ほんまにそういう理想があるのであれば徹底的な選択と集中のもと合目的的にのみ邁進すればいいのだけれども、とは言えカリスマの「 ピー さん」になることにも魅力を感じちゃってるんやと思うねん。

みなと:うんうん。

松田:でも実際のところ「 ピー さん」になることの効用って、当初の理想からはやや外れたところで最大化されるから…

中垣:しかも完全に逆向きのベクトルっていうわけでもないのがミソやんね。それぞれに親和性が全く無いわけでもないから、気付かないうちにそっちに寄っちゃうっていう。

Source: commmon

c 富と名声の罠

松田:その上でなお、さっき言ったような最も理想的に目的を確信している人でありたいとは思うねんけど…

みなと:なるほどな。

松田:はぁ…どうしたらええんや。

アゴタ・クリストフ(2001)『悪童日記』ハヤカワepi文庫
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2021年3月7日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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